米国株式市場は、米中貿易摩擦の長期化、各国中央銀行の金融政策の正常化への歩み、英国の欧州連合(EU)離脱の行方に加えて、これまで米国株式市場を支えてきたFAANG(フェースブック(Facebook)、アマゾンドットコム(Amazon.com)、アップル(Apple)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google))を中心とした高成長銘柄の調整なども重なり、市場では短期的な変動が高まりやすくなっている。このような市況環境の中で、中・長期的な将来の成長機会を見極めていく上で、「“テクノロジー”x“人口動態”」が米国経済にもたらす構造的変化とダイナミズムを取り込み成長していく企業、米国経済への影響について着目する。
「ミレニアル世代」が「ベビーブーマー世代」を上回り米国経済の主役へ
これまで米国では「ベビーブーマー世代」と言われる1946年~1964年生まれが最大の世代だったが、米国国勢調査局によれば2019年には「ミレニアル世代」と呼ばれる1981年~1996年生まれの人口が米国の成人人口の最大数を占める見込みである。
テクノロジーの進展だけではなく、この人口動態の変化が相まって、米国経済にダイナミックな変化を起こしている。
「ミレニアル世代」の特徴は、2001年のアメリカ同時多発テロ事件などを目の当たりにしてきただけに、文化的な多様性・人権などの社会問題について関心が高いとされている。また、デジタルパイオニア世代として世界とつながり、自己主張する場を獲得してきたこともそれらの動きを助長していると言える。
こうしたことから、「ベビーブーマー世代」が掲げてきた典型的なアメリカンドリームに対する興味は薄く、独自の生き方を尊重し合う傾向にある。そのため、モノへの執着というよりは、デジタルを活用して必要な時に必要なものを効率的に手に入れることを好む傾向がある。こうした世代が2050年までの人口予想で経済の主役を維持し続けることを踏まえると、現在起きている「サブスクリプション・エコノミー」が今後も急成長を遂げると考えることは自然である。
サブスクリプション・エコノミーにおける新たな消費スタイル
所有からサービスの利用へのシフトという鮮明な流れを捉えているのがサブスクリプション(定額制)ビジネスである。米Zuoraによると、2012年から2018年6月まで、サブスクリプションビジネスの売上の伸びは、米国の小売売上やS&P500種企業の売上の伸びと比べ、およそ5倍の速度で成長している。現在でもメディアの比率が高いものの、食材、化粧品、車、アパレル、家具など様々なサービスを定額で提供する企業が登場している。
「エンターテイメント」x「サブスクリプション」
スマートフォンが普及した今、身近なサブスクリプションサービスとなっているのが、エンターテイメントである。いつでも、どこでも、好きなだけ楽しむ、という人々のニーズを捉えている。米ネットフリックスは世界で約1億4千万人もの加入者が利用し、映画やドラマを好きなだけ楽しんでいる状況である。話題の映画だけでなく、テレビで放映されないようなマニアックでニッチな番組も観られる。
音楽では、米アップルミュージックやスウェーデンのスポティファイなどのデジタル配信サービス(ストリーミング)が人気で、ストリーミングで気分にあった音楽をかけ流しで楽しめる。国際レコード連盟によると、2017年の世界の音楽市場は、CDの売上は減少傾向であるものの、増加したストリーミングやデジタル配信が売上全体の約54%を占めている。韓国語で歌うK-POPグループが全米チャート上位になるなど、ローカルなスターがグローバルな注目を集めるようになったのも、ストリーミングサービスの影響だと指摘されている。
ゲームの世界でも、サブスクリプション&ストリーミングが注目されている。今後はバーチャル・リアリティ(VR)や拡張現実(AR)との融合、eスポーツなどが市場を拡大させていくと考えられる。
これらのサービスが人気を博している背景のひとつとして、絶妙なおすすめをしてくれることがあげられる。「こういったものがお好きならば、こちらもおすすめですよ」などと、ベテラン店員さんのように的確なアドバイスにつられて次々に楽しむことができるシステムである。テクノロジーがもたらす魅力的なエンターテイメントを提供できる企業は、今後も一層成長していくと展望される。
「高級賃貸住宅」x「サブスクリプション家具」
2016年に底打ちして以来、回復基調であった持ち家比率ですが、足元では再び低迷している。これは、住宅ローン金利の上昇や建設費用の高騰が背景にあると考えられる。
また、ミレニアル世代を中心に、サブスクリプション・エコノミーを作り出した世帯が、働く場所の移動性(モビリティー)を重視しているため、かつてのアメリカンドリームである戸建購入ではなく賃貸住宅を収入に応じて変えていくというライフスタイルへと変化したことも影響していると言える。モビリティーが高い生活を経て環境が安定するまで住宅の購入に時間を費やして吟味している。
定額制の家具レンタルサービスを手掛けるFeatherのCEOであるJayRenoによれば、「米国では18歳から35歳の若者は大学を卒業し住宅を購入するまでに平均的に約11回引っ越す」とも言われている。引っ越しを気軽に行うためにも大きくて移動の負担となる家具をNYやサンフランシスコなどの大都市圏でレンタルすることを思いつき2017年4月に起業。実際、米国リートが手掛ける比較的高級な集合賃貸物件では1年契約が主流となっているが、大都市圏を中心に前年比+3~5%程度賃料を引き上げて契約更新することが現状では可能となっている。ミレニアル世代などからの高い需要に対し、建設費用の上昇などから今後も新規供給が抑えられた状態がしばらく継続すると見込まれるため、住宅リートへは追い風となることが想定できる。
このような”テクノロジー”×"人口動態" が米国経済にもたらすダイナミックな変化が、米国経済にも好影響をもたらすことが予想される。米国株式や米国の住宅リートを投資対象とした投資信託を一度、ご検討されてみてはいかがでしょうか。
【米国株式を投資対象とした投信】
ファンド名 | 運用会社 | トータルリターン(1年) | 純資産総額(億円) | 販売手数料 | |
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1 | フィデリティ・米国株式ファンドA (資産成長型・為替ヘッジあり) |
フィディリティ投信 | 2.67% | 314 | ノーロード |
2 | フィデリティ・米国株式ファンドB (資産成長型・為替ヘッジなし) |
フィディリティ投信 | 5.98% | 450 | ノーロード |
3 | DIAM厳選米国株式ファンド 『愛称:アメリカンセレクション』 | アセットマネジメントOne | 7.34% | 22 | 2.16% |
4 | イノベーション・シェアリングエコノミー | 三井住友DSアセットマネジメント | 0.00% | 2.2 | ノーロード |
5 | GS米国REITファンドA(毎月分配ヘッジあり) | ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント | 8.82% | 158 | 1.62% |
【米国株式関連 好パフォーマンス銘柄】
1 | サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジなし) | 三菱UFJ国際投信 | 13.97% | 882 | 3.24% |
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2 | netWINGS・インターネット戦略ファンドB | ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント | 8.04% | 2,899 | ノーロード |
- ※トータルリターン、純資産総額は2019年5月末基準
- ※販売手数料が段階制の場合は最高料率を表示
- ※上記は一部のファンドのみを取り上げており、当社取扱いファンド全てを網羅するものではありません。
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- お取引の際は、目論見書、約款・規程集および 契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、商品特性やリスクおよび お取引ルール等をよくご理解の上、ご自身のご判断で無理のない資産運用を行ってください。