執筆者:日興アセットマネジメント株式会社
Tracers S&P500ゴールドプラスをひとことで言うなら「米国株のインデックスS&P500に『有事の金』とも言われるゴールド投資をプラスしたファンド」。しかしポイントは、米国株に100%投資した上で、さらにゴールドにも100%分の投資を行なう点にあります。
普通「分散」というと、バランスファンドのように100%の比率を「株式60%・債券40%」のように分け合うもの。株式60%ならその“パワー”は当然「4割減」となり、株式市場が100上がってもファンドは60の効果しか得られません。
しかし、将来に向けた「前向きな資産形成」を意識した当ファンドは違います。株式のパワーを削がずに100%保有し、ゴールドも同じだけ保有するというユニークな仕組みを提供します。ファンドの資産をS&P500への投資に使いつつ、余らせておいた現金を活用して、金先物にもファンド資産の100%相当額投資します。
①月1万円の株式投資が月2万円相当の「株+ゴールド」の投資に
米国株式に加えてゴールドにも投資をしようと思った場合、どの様な方法があるのでしょう?
ゴールドへの投資においては、金先物を利用してレバレッジをかけることにより、わずかな現金(証拠金)でも大きな金額の投資ができます。当ファンドはその仕組みを賢く取り入れ、1万円の投資を「S&P500を1万円+ゴールドを1万円」の投資のかたちにすることを実現しています。
長期投資の時間とリスクを取る覚悟はあるが、毎月積立にまわすお金は多くできない――そんな方の活用をイメージした設計です。ただし、ゴールドとの分散のかたちでとはいえ「金額を2倍化」している分、値動きが大きくなる可能性への“前向きな覚悟”は重要です。
②S&P500だけで200%にするのでなくゴールドで2倍化
1万円を2万円相当にするといった資金効率アップの手法としては、NASDAQなど値上がり期待の大きい指数を2倍にするファンドもひとつの選択肢です。しかし当ファンドでは、長期投資であればあるほど「リターン源泉」と「リスク要因」を分散した上で2倍化するという考え方を重視しました。
下のグラフからも分かるように、ゴールドは特に危機時において株式と異なる値動きをする傾向があり、株式の「分散相手」として非常に相性が良いと考えられています。
「ショック時」におけるS&P500と金先物の値動き(月次)
リーマン・ショック前後
期間:2008年6月末~2010年1月末
コロナ・ショック前後
期間:2019年11月末~2021年6月末
③リターン源泉とリスク要因を分散しつつ、2倍の力で長期投資
S&P500のファンドをお持ちの方から「米国集中」に対する不安の声を聞くことがあります。それを軽減すべく、いわゆる全世界株のファンドをあわせ持ったとしても、全世界株インデックスにおける米国の比率が高いため、あまり効果がないとの見方もあります。
当ファンドは「月1万円を2万円にする」という前向きなリスクを取れる方に、せっかく2倍化するならリターン源泉とリスク要因を分散する機会ともしていただくために設計されました。
リターンはシンプルで、S&P500のリターンと金先物のリターンの足し算になります。両方がプラスの時は“ダブルハッピー”ですが、どちらかがどちらかの足を引っ張る時もあれば、短期的には両方がマイナスとなる“ダブルパンチ”もあり得ます。
しかしそれこそが分散効果。「単一インデックスの2倍」では時に難しくなる長期保有を可能にし、長期での目的達成に貢献できるツールとして活用いただきたいファンドです。
当ファンドの基準価額の推移
(2022年8月30日~2024年6月28日、設定日前営業日を10,000として指数化)
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