日本株の上昇ペースが加速する中、高配当株式の選好が高まる
日本企業はこれまで、堅調な企業業績に加えて3つの変化を背景に、株主還元の積極化を進めてきました。
さらに今年に入り、PBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業に変革を求める動きが加わったこともあり、
高配当株式投資の有効性が高まっていると考えられます。
日興ジャパン高配当株式ファンドでは、
配当利回りと配当の成長に着目し、個別企業の株主還元拡充などの変化を捉えて、積極的なリターンの獲得を目指しています。
来年にかけては、グローバルな景況観改善の可能性も考慮して複数のセクターに注目しています。
高配当株式投資への注目を促す「変化」
株式市場の上昇基調が続く大きな要因の一つに、日本企業が積極的に株主還元を拡充していることが挙げられます。 その理由として、「事業構造改革による効果などで業績を堅調に伸ばしていること」に加えて、 「ここ数年、日本企業が資本効率を意識した経営に転換し始めたこと(以下の3つの変化)」が挙げられます。
①企業と投資家の対話が進展
2015年のコーポレート・ガバナンスコード適用開始以来、機関投資家と企業との対話が徐々に進展し、 ここ数年で、企業トップと直接対話ができる機会も格段に増えています。 対話の積み重ねによって、資本効率を改善することの重要性に対する理解が深まっている印象です。
②社外取締役の増加
加えて、社外取締役の比率が上昇したことで、取締役会で資本効率に関する議論が活発に行なわれるなど、 企業経営の変化が感じられるようになっています。
③アクティビストによる株主提案の増加
近年、海外のアクティビスト・ファンド(いわゆる「モノ言う株主」)による、配当増額や自社株取得を求める株主提案が増加しており、 株主還元が不十分な企業に対する外部からの圧力が強まっています。
日本企業の多くは、依然として低PBR状態
さらに、PBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業の対応が、今年の大きな変化として注目されています。
2023年3月、東証は、PBRが1倍を継続的に割れている企業などに対して、資本コストや株価を意識した経営の促進に向けて、
現状分析と改善策の開示を要請しました。
これを受けて、事業構造改革の加速や、株主還元の拡充を発表する企業が増えています。
これらの変化は、利益の成長率よりも配当の成長率の方が高い傾向が続くことにつながる可能性が高く、
長期的に高配当株投資の有効性を高めるものと考えています。
運用のポイントと足元の注目点
当ファンドでは、配当利回りが市場平均を上回る企業の中から、配当の成長性が高いと考える企業を厳選して投資しています。 中期的な配当の成長ポテンシャルを見極めるため、企業経営陣との対話を中心としたボトムアップ・アプローチを行なっています。 特に重視しているポイントは、事業の競争力が高く、キャッシュを生み出す力があるか、キャッシュの活用について明確な方針を持ち、 株主還元と成長に向けた投資のバランスが取れているか、などの点です。
現在の株式市場は、賃金の上昇や株主還元拡充といった日本のマクロ、ミクロ両面の変化を評価した海外投資家の資金流入などを背景に、
堅調に推移しています。
このような中、当ファンドでは安定した業績を背景に増配基調が見込まれる銘柄や、
経営変化によって株主還元の拡充が期待できる銘柄に注目し、ポートフォリオを構築しています。
欧米の景気後退懸念が残る一方、日本では内需の回復が着実に進んでおり、通信、ITサービス、住宅、小売などの内需セクターを中心に、
安定した業績から増配基調を続ける企業を選別しています。
個別企業の経営変化の面では、不採算事業からの撤退や成長分野への積極投資などの事業構造改革や、
株主還元姿勢の変化がみられる企業に注目しています。
この他、来年にかけてグローバルに景況感が改善する可能性も考慮して、
景気に対する先行性が高い半導体関連の電子材料企業や機械セクター、今後想定される国内金利の上昇が追い風となる銀行セクターにも注目しています。
【今回ご紹介した投資信託はこちら】
日興ジャパン高配当株式ファンド