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世界経済の不透明感が強まる中「輝きを増す金」。分散投資先としての注目度が高まる

2019年8月23日

金価格上昇の背景には、世界経済の先行き不透明感の強まりを受け、「安全な投資先」として「金」へ需要が高まっていることが挙げられる。また、今年6月以降の金価格急伸は、同月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)において、年内にも利下げに踏み切る可能性が高いことが示唆され、米金利低下・米ドル安圧力が金価格の追い風となったとみられる。ただ、FOMCでは、実際0.25%ポイントの利下げが発表されたものの、事前の市場予想通りであり、パウエルFRB議長が連続的な金融緩和に慎重な姿勢を示したこともあり、金価格にはマイナスの要因となった。しかし、8月に入りトランプ米大統領が新たな対中追加関税措置を発動する意向を示したことから、世界的に株価が大きく下落した一方、金価格は上値を伸ばす動きとなっている。
こうした金価格の動きは、「金」ならではの特徴が大きく影響している。下記にその特徴を示した。

金の主な特徴

株式や債券などとの相関が相対的に低い「金」

これらの特徴を有するため、「金」は古くから「リスクが独立している資産」として知られている。株式や債券など他資産と違った動きをする傾向があり、それらとの相関も相対的に低水準だ。そのため、資産の分散先として「金」を保有することで、資産全体の値動きを安定化させる効果が期待される。

実際、金価格と主要資産の相関係数を見ると低い相関関係にあることがわかる。

金価格(円ヘッジ、円換算)および主要資産の相関表(円換算、月次)

  • 金価格:LBMA午後金価格、米国ハイ・イールド:BofAメリルリンチ米国ハイ・イールド・マスターⅡコンストレインド指数、日本株式:TOPIX、先進国株式:MSCI世界株価指数、新興国債券:JPモルガンEMBIグローバル・ディバーシファイド指数、世界国債:FTSE世界国債指数、米国リート:FTSE/NAREITオール・エクイティ・リート指数、新興国株式:MSCI新興国株価指数(すべて円換算)、金(円ヘッジ):LBMA午後金価格からヘッジコスト(米ドル、円Libor1ヵ月物の金利差)を控除、金価格を除きトータルリターン
  • 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
  • 上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

金の組入れ効果の高さが注目される

下記では、日本株式に金(円換算)を組入れた場合のシミュレーションを示した。
日本株式90%に対し金を10%、日本株式70%に対し金を30%組入れたと仮定している。
たとえば図1からは、リーマン・ショック時のような大きな下落局面でも、金を組入れることによって全体の下落幅が抑えられていることが読み取れる。それによってその後の株価回復局面においても、単一資産を保有するよりも早く、資産全体の回復が可能となったとみられる。
また、図2は、金を組入れることでリスクが低下(リスク値が右から左へと移動)していることに加え、リターンが向上(リターン値が下から上へと移動)していることを示しており、当該期間における金の組入れ効果の高さが注目される。

図1:日本株式に金(円換算)を組入れた場合 図2:リスク・リターン特性(円換算、月次)

  • 金価格:LBMA午後金価格、日本株式:TOPIX(トータル・リターンベース)、金価格は円換算
  • リスク:月次リターンの標準偏差を年率化、リターン:年率
  • 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
  • 上記は過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

今こそ考えたい “いざという時の守りの資産”「金」の組入れ

中長期的な投資においては、リターンの追求よりもリスクの低減がより重要になる。様々な市況環境を乗り越えながらも、資産を守るためには投資先の「分散」が肝要となる。そのために、金のような「リスクが独立している資産」をポートフォリオに組入れる重要性が増していくだろう。
加えて、米中通商問題の長期化や世界経済の減速懸念、米国のさらなる利下げ観測とそれに伴う米ドルの下落懸念などを背景に、足元で世界的に株式市場が混乱しており、この先の予測は従来よりも増して非常に難しくなっている。だからこそ、“いざという時の守りの資産”として「金」を組入れる意味が強まるものと考えられる。
なお、「金」への投資方法には、金地金や金貨など現物として購入する方法のほか、金に関連した投資信託を通じて「金」に投資をすることができる。投資信託では、純金を裏づけとしたものもあれば、金先物価格に連動するものなどもある。それぞれにメリット・デメリットがあるが、一般に投資信託であれば、少額から始められ、他の運用商品などと一元管理がしやすく、かつ、NISA(少額投資非課税制度)なども活用できる。

【金を投資対象とした投信・為替ヘッジあり】

  ファンド名 運用会社 トータルリターン(1年) 純資産総額(億円) 販売手数料
1 ピクテ・ゴールド ピクテ投信投資顧問 11.92% 248 ノーロード
2 三菱UFJ純金ファンド 三菱UFJ国際投信 12.55% 223 1.08%

【金を投資対象とした投信・為替ヘッジなし】

  ファンド名 運用会社 トータルリターン(1年) 純資産総額(億円) 販売手数料
1 iシェアーズ ゴールドインデックス(H無) ブラックロック・ジャパン 13.65% 15 ノーロード
  • トータルリターン、純資産総額は2019年7月末基準
  • 販売手数料が段階制の場合は最高料率を表示
  • 上記は一部のファンドのみを取り上げており、当社取扱いファンド全てを網羅するものではありません。

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  • お取引の際は、目論見書、約款・規程集および 契約締結前交付書面等をよくお読みいただき、商品特性やリスクおよび お取引ルール等をよくご理解の上、ご自身のご判断で無理のない資産運用を行ってください。

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