第7回 サイコロジカル・ライン
サイコロジカル・ラインはマーケットで通称“サイコロ”と呼ばれており、多くの人に使われています。
株価が上昇する日が続くとそろそろ反落するのではないだろうか、という投資家の心理を何とか表すことが出来ないかということで考え出されたものです。
ちょっと相撲の星取表を思い出してみてください。つまり、何勝何敗とつけていくものです。私たちはこの表をパッと見ただけでも、およそどの力士が好調だか知ることが出来ます。
横綱のように何連勝もするような力士はなかなかいません。よって、9日、10日も勝ち続ける日が続くとそろそろ白星も止まるのではないか、ということになるのです。
作成方法
サイコロジカル・ラインはこの相撲の星取表と同じように何勝何敗かを記入していきます。
大相撲は15日間ですが、サイコロジカル・ラインの場合は通常12日間が多いようです。例えば、8勝4敗とか6勝6敗というように記録していくわけです。
勝ちはつまり当日が前日に比べて高かった日を勝ちとします。そして、安い日を負けとします。
前日比変わらずの場合には“勝ち”としているケースが多いようです。
12勝0敗だと12日間上昇し続けた強い相場ということになるわけですが、そろそろこの上昇も止まるかな、という感じになるのです。
サイコロジカル・ライン= 12日間の内上昇した日 ÷ 12 × 100(%)
このような式にすることによって0から100までの数字で表わすことが出来、例えば、75%以上は上がり過ぎ、25%以下は下落し過ぎ、というような見方が出来るわけです。
サイコロジカル・ラインには実は思い出があります。
どこの会社でもそうですが、大学を出て就職すると研修があると思います。私の場合は証券会社に入社していろいろある研修のテーマ中に株式部の研修がありました。その中でこのサイコロジカル・ラインの話があったのです。そして、前述しましたように何勝何敗の話が出てきました。
「8勝4敗だと結構上げてきたな」、「2勝10敗だとだいぶ下げてきたな」、という話です。
でも、その話を聞いて私はすぐに手を上げて質問してしまったのです。「例えば8勝4敗にもその中身を吟味しないといけないのではないでしょうか?」と。
つまり、2勝1敗つまり“2日上げて1日安い”を繰り返し、8勝4敗になるケースと8連勝した後4連敗しているのか、その中身をよく吟味する必要があるのではないでしょうか、という意味なのです。生意気な新人だったのかもしれません。
サイコロジカル・ラインはわかりやすいテクニカル分析ですが、その経過の中身もよく吟味してください。