第14回 RCI(Rank Correlation Index)
RCIとは“Rank Correlation Index”の略です。日本語でいうと「順位相関係数」となります。
日付(時間)と価格それぞれに順位をつけることによって、両者にどれだけの相関関係があるのかを計算し、相場のトレンドとその勢い、過熱感を知ることができます。
計算式

d:日付の順位と価格の差を2乗し、合計した数値
n:期間
日付の順位は当日(最新の日付)を「1」にします。そして、遡りながら「2、3、4、…」と順位をつけていきます。
価格はその計算期間の中での高い順に「1」から番号をつけていきます。ということは期間の最高値が「1」、2番目に高い価格に「2」をつけていきます。
例
日付 |
終値 |
日付順位 |
価格順位 |
日付と価格の差の2乗 |
d |
3月1日 |
500円 |
5 |
5 |
0=(5-5)×(5-5) |
|
3月2日 |
510円 |
4 |
4 |
0=(4-4)×(4-4) |
|
3月3日 |
515円 |
3 |
3 |
0=(3-3)×(3-3) |
|
3月4日 |
520円 |
2 |
2 |
0=(2-2)×(2-2) |
|
3月5日 |
530円 |
1 |
1 |
0=(1-1)×(1-1) |
=0 |
上記RCIの式に期間は5、d=0を代入して計算してみるとRCI=100になります。
RCI =(1 - 0)× 100 = 100
日付 |
終値 |
日付順位 |
価格順位 |
日付と価格の差の2乗 |
d |
3月1日 |
530円 |
5 |
1 |
16=(5-1)×(5-1) |
|
3月2日 |
520円 |
4 |
2 |
4=(4-2)×(4-2) |
|
3月3日 |
515円 |
3 |
3 |
0=(3-3)×(3-3) |
|
3月4日 |
510円 |
2 |
4 |
4=(2-4)×(2-4) |
|
3月5日 |
500円 |
1 |
5 |
16=(1-5)×(1-5) |
0 |
上記RCIの式に期間は5、d=40を代入して計算してみるとRCI=-100になります。

実はRCIは100と-100の間の数値になるのです。
100の場合は直近の日付になればなるほど価格が上昇してくる。つまり、現在、上昇トレンドにある、ということになるのです。
-100の場合は直近の日付になればなるほど価格が下落してくる。つまり、現在、下落トレンドにある、ということになるのです。
よって、連日高値を更新しているのであれば、数値は100に近づいていきます。上昇トレンドの中、買われ過ぎ状態に近づいているのです。逆に、連日安値を更新しているのであれば、数値は-100に近づいていきます。下落トレンドの中、売られ過ぎ状態に近づいているのです。
10日RCI

ということは、RCIの数値が100に近づいた後、反転(数値が低下)し始める時に売り転換と捉えたり、-100に近づいた後、反転(数値が上昇)し始める時に買い転換と捉えたりするのです。RCIの数値が0の時はトレンドが無い状態とも考えることはできます。
なお、買われ過ぎ、売られ過ぎも100、-100といった上限、下限まで到達しなくても80や-80前後の数字で考えたりもします。