投資情報室

旬なテーマを深堀り♪約5ヶ月ぶりの円高進行、ドル円テクニカルと4月重要スケジュール

2017年4月13日(木)
投資情報室 藤井明代

 13日の日経平均株価は3日続落し、連日で年初来安値を更新しました。為替市場で1ドル108円台と、約5ヶ月ぶりのドル安・円高進行が続いたことなどが嫌気されました。
 ドルが売られた背景には、足元でくすぶる地政学リスクのほか、トランプ米大統領が「ドルは強くなりすぎている、いずれ害をもたらす」などとドル高をけん制したことが要因です。また「低金利政策が好きだ」などとFRBに対して異例の注文をつけたこともドルの上値を抑える格好となりました。

 現在のドル円チャートを確認すると、4月11日に節目としてみられていた1ドル110円台をあっさりと下抜け、13日の朝方には1ドル108.70円台まで急速にドル安・円高が進行しています。この水準は図1で示すように、緑色の200日移動平均線の水準にあたります。200日移動平均線は営業日換算で約1年の中長期の平均線となり、ローソク足と比較して相当に滑らかな線になります。そのため株価の方向性をしっかり読み取ることができ、信頼性が高くなるといわれます。また、移動平均線による株価分析で一般的な「グランビルの8法則」でも200日移動平均線を用いた分析が代表的であり、多くの投資家が意識する重要ポイントとして有名です。

【図1:ドル円 日足チャート】

ドル円日足チャート

  • 2017年4月13日17時現在、kabuステーションよりカブドットコム証券作成

 4月13日現在、200日移動平均線を下支えにドルが反発するような動きをみせており、短期的に200日線を維持できるかが注目ポイントとなりそうです。今後仮にローソク足が200日線を下回る日が続いた場合には、ドルの下落トレンドへの警戒感が高まることが予想されます。一方で200日線の向きに注目すると、上向きの方向を維持しています。この移動平均線の向きが横ばいまたは下向きに転じた場合には、下落トレンド転換がより意識されることになります。そのため、しばらくはローソク足の位置と200日線の方向性を併せて確認する必要があります。

 4月下旬にかけては世界中で重要イベントを控えており、為替動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。これまでに述べたテクニカルに加え、以下のイベントにも留意する必要がありそうです。

【4月の主な重要イベント】
日程 イベント
4月14日 米財務省為替政策報告書
4月15日 北朝鮮金日成主席生誕105周年
4月18日 日米経済対話初開催(ペンス副大統領)
4月20日 G20財務相・中央銀行総裁会議(~21日)
4月23日 仏大統領選挙第1回投票
4月26日 日銀金融政策決定会合(~27日)
4月27日 日銀展望レポート、黒田日銀総裁会見
  • 日程は変更となる可能性ございます。




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藤井明代

藤井明代

auカブコム証券 投資情報室 投資アナリスト

東京都出身。大手ネット金融グループを経て、2013年10月よりauカブコム証券。
売買手法や相場解説などを初心者の方にも分かりやすく解説することに定評あり。株主優待にも詳しく、マルチスキルを持つメンバーとして人気上昇中。

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