投資情報室
旬なテーマを深堀り♪日経平均はボックスを下抜け、ドル建て日経平均は?
2017年4月6日(木)
投資情報室 藤井明代
4月6日の日経平均は大幅反落し、1月18日につけた年初来安値を更新する軟調な展開となりました。背景にはFOMC議事要旨の中で、一部のメンバーが米国株式のバリュエーションが割高であると示唆したことや、北朝鮮の弾道ミサイル発射に伴う米朝関係の緊迫化が嫌気されたことが主な要因です。 日経平均を日足チャートで確認すると、連続で陰線をつけ、年初から推移していたボックス圏を下抜けしています。これまでおおよそ1000円のレンジ内でもみ合いを続けていた株価がボックスをブレイクダウンし、新たなトレンドが形成された可能性があります(図1)。 次に移動平均線を確認すると、青色の25日移動平均線(短期線)と緑色の75日移動平均線(中期線)が下向きに転じ、25日移動平均線が75日移動平均線を上から下抜けるミニデットクロスが完成間近となっています。また少し前に目を移すと、3月22日に414円安と窓を空けて大幅に下落した際にローソク足が短期線と中期線を下回り、かつ短期線が下向きに転じています。事前にこうした2つの警戒シグナルが出ていることから、現在はデットクロスへの警戒感が強まっている状態といえそうです。25日と75日移動平均線のデットクロスはミニデットクロスと呼ばれ、中期的な売りシグナルとして判断されます。今回は中期線も下向きに転じてきており、そのシグナルが強まっていることが分かります。
- ※kabuステーションよりカブドットコム証券作成、2017年4月6日終値データ
一方、日経平均をドルベースに換算した「ドル建て日経平均」の現在の水準は、1月18日につけた年初来安値である165.39ドルまでは価格差があります(図2)。そのため外国人投資家からみると、円ベースの日経平均に比べて心理状態は悪くない可能性があります。直近ではローソク足が中期の75日移動平均線を下回りましたが、その方向は上抜き基調にあるため、ローソク足と移動平均線の関係からは下降トレンドと判断するには未だ早い段階にあります。
しかし、直近は長い陰線のローソク足をつけることが多くなっています。長い陰線は大陰線と呼ばれ、先安感が強まっていることを示します。同時に株価の変動幅が大きくなっていることを示唆するため、短期的な売りのサインが点灯している可能性があります。
- ※Astra Managerよりカブドットコム証券作成、2017年4月6日終値データ
需給面では、直近の2市場投資部門別売買状況(現物株)で、海外投資家が7週連続で日本株を売り越しています。海外投資家がいつ買い越しに転じるのか、しばらくはドル建て日経平均の動向にも留意する必要がありそうです。
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藤井明代
auカブコム証券 投資情報室 投資アナリスト
東京都出身。大手ネット金融グループを経て、2013年10月よりauカブコム証券。
売買手法や相場解説などを初心者の方にも分かりやすく解説することに定評あり。株主優待にも詳しく、マルチスキルを持つメンバーとして人気上昇中。
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