第18回 ポイント&フィギュア

ポイント&フィギュア(以下、P&F)は昔からよく使われているテクニカル分析の一つです。特徴としては“時間”の概念を捨象しているということを挙げられます。 どういうことかと言いますと、今までみてきたRSI、MACDなどは日足であれば1日経てば1日分書き足していき、週足であれば、1週間が終わればその1週間分を加えていきました。

ところが、P&Fはあらかじめ決めた値幅(自分で決めます)以上に値上がりないしは値下がりしないと書かないのです。換言すれば、決めた値幅以上に株価が動かない膠着状態が続いた場合のP&Fの形は変わらないということになるのです。

作成方法

P&Fは値上がりを“×”、値下がりを“○”で記入していきます。つまり、グラフ用紙のマス目の中に“×”、“○”を記入するわけです。ちなみに、この一つのマス目のことを“一枠”と呼びます。さて、次にその一枠は一体いくらにするのかという値幅を決めないといけません。これは、取り扱う銘柄ごとにそれぞれの価格水準を基に決めた方が良いようです。為替と株式でも違うでしょうし、株式の中でもその株価水準によっても替えた方が良いということです。

ここでは、例として株価500円の銘柄で一枠10円とします。株価は500円をスタートとした後、3日間で13円、6円、30円と上昇したとしましょう。
上昇ですので“×”を加えていきますが、グラフ上は500円より一枠10円ですので510円、520円、530円とマス目があります。

そこで、1日目の13円高513円の時には510円までのマス目に“×”を記入します。2日目は6円高519円で次のマス目520円を埋めていませんので株価が上昇していても“×”は記入しません(何もしません)。3日目、30円上昇して549円になったら、520円、530円そして540円とそれぞれの10円枠を埋めましたので図のように記入されます(上昇時は端数切り捨て、下落時は端数切り上げ)。

株価 前日比
1 500円  
2 513円 +13円
3 519円 +6円
4 549円 +30円

この例のように株価が上昇し続けるのであれば“×”を上の方に加えるだけで良いのですが、株ですので当然下落することもあります。では、下落を表す“○”はどのように記入するのでしょうか? 言い換えれば、“×”と“○”はどう書き分けていくか、ということになります。

実はP&Fのもう一つの特徴に同じ列の中に“×”と“○”は同時には存在しません。必ず、×列と○列は交互に記入されるのです。
×列から○列、○列から×列に移行するのに今の列、例えば×列(株価上昇)であれば下落を示す○が何枠分“逆”に形成されれば列を替えるのかということを事前に決めておく必要があるのです。 相場が反転したと判断する目安となります。教科書の多くでは“3枠転換”が用いられています。 ここの例では一枠10円でしたので3枠分30円動くことになります。

例

例の株価は549円ですので逆に30円下がると×列の横に○列を書くのでしょうか。 実は隣の列に移る時にはすぐ真横に記入するのではなく一枠空けてから記入します。つまり、×列ですと一枠下げて、○列ですと一枠上げて記入するのです。549円で540円まで×が記入されたP&Fは一枠空け(530円)そこから3枠下落しないとなりません。つまり、500円になってはじめて3枠転換して○列が記入されます。ということは、“3枠転換”と言う場合、実は×列の上からないしは○列の下から4枠動いてはじめて転換することになります。

さきほど銘柄ごと株価水準ごとに枠の値幅を決めた方が良い、といいました。その理由の一つにこの転換があるのです。500円という株価での一枠10円の3枠転換と5000円という株価の一枠10円の3枠転換とでは違うわけです。5000円の株価にはそれなりの値幅を持たせていかないとすぐに転換してしまうからです。逆に、ドル円であれば一枠10円となると長年にわたって転換しなくなってしまう可能性があるのです。また、価格が5000円の場合に10円ですと記入する枠が多くなりますのでグラフが大きくなって管理が大変になることもあります。

では、3枠転換しないで、せまい値動きを1ヶ月間続けた場合はどうでしょう。例の場合に549円という高値をつけた後510円と540円の間で株価が推移した場合、3枠転換をしない以上は×印も○印も記入されません。そのままです。この値動きが1年間続いても結果は同じです。

ポイント&フィギュア

見方

P&Fの見方には3種類あります。
パターン分析、トレンド分析、カウンティング分析の3つです。

パターン分析

パターン分析の代表的な2種類を紹介します。

ダブル・トップ、ダブル・ボトム

これは直前の高値を抜いて上昇した時(ダブル・トップ)を買い時とし、逆に直前の安値を下回った時(ダブル・ボトム)に売り時とするものです。前述しましたようにP&Fでは上昇を表す×と下落を表す○が交互に列として現れます。 ですので、上昇であれば一つ前の列の高値×印を上に抜いた時、下落であれば一つ前の列の安値○印を下に抜いた時にそれぞれの売買シグナルとするのです。

ダブル・トップ、ダブル・ボトム

ぺナント

株価が織り成す形のでも紹介しましたように持ち合いになった株価は三角ペナントを形成するケースがあります。P&Fでも同じです。その場合はその三角ペナントを上に抜ければ“買い”、下に抜ければ“売り”となります。

ぺナント

トレンド分析

これは45度線を用います。つまり、下落相場が終わって上昇に転じている時には最安値の地点よりマス目に沿って45度線を上方に引きます。株価がこの線より上にいる間は基本的に強気とします。逆に上昇相場が終わって下落相場に転じている時には最高値の地点から同じように45度線を下方に引きます。そして、この線の下にいる間は基本的には弱気とします。

トレンド分析

カウンティング分析

これは目標値を算出する時に使います。垂直カウンティングと水平カウンティングがあります。よく使われているのは水平カウンティングの方です。垂直カウンティングというのは安値や高値のポイントから売買のポイントが出た箇所までのマス目の数を売買ポイントに加えてみるというものです。

水平カウンティングというのは持ち合いを離れた時に株価の目標値を計算するものです。持ち合いを形成しているわけですので×列と○列が交互に何列も同じ値段のところに並ぶわけです。その並んだ列の数に転換する枠数を掛けます。ここでは3枠転換を用いていましたので3を掛ける、つまり3倍するわけです。その枠数を売買ポイントに加えて目標値とするわけです。ということは持ち合いが長ければ長いほど(エネルギーが溜まれば溜まるほど)株価は大きく動くということになります。

カウンティング分析

上図は三菱東京UFJのP&Fですが、直近P&Fでは持ち合いが9列とエネルギーが溜まっており、今後の反発を期待したいところです。以上ご案内の通りP&Fは時間の概念を捨象し、株価の値動きだけで判断していきます。一枠の値段をいくらにするのか、何枠で転換させるのか、の工夫をしながら紹介しました見方を総合し判断してもらえればと思います。