取引所取引に係る約定取消ルールの概要
平成19年10月より、取引所取引において誤注文により大量の売買が成立し、長期にわたって当該売買に係る決済が行われなくなる可能性が極めて高く、それにより市場が混乱するおそれがあると認められるときは、当該取引所が「約定の取消」を発動する場合があります。
約定取消ルールの概要
取引所は、過誤のある注文により、売買が成立した場合において、その決済が極めて困難であり、当該取引所の市場が混乱するおそれがあると認めるときは、当該取引所が定めるところにより、当該取引所が定める売買を取消すことができるものとします。
取消された売買は、初めから成立しなかったものとみなします。また、取消された売買に係る顧客と取引参加者(金融商品取引業者等)との間の権利及び義務は、初めから発生しなかったものとみなします。
取引参加者(金融商品取引業者等)及び顧客は、売買の取消により損害を受けることがあっても、過誤のある注文を発注した取引参加者(金融商品取引業者等)に対して、その損害の賠償を請求できないものとします。ただし、過誤のある注文の発注に際して、取引参加者に故意又は重過失が認められる場合は、この限りではないものとします。
取引参加者(金融商品取引業者等)及び顧客は、売買の取消により損害を受けることがあっても、当該取引所に対して損害の賠償を請求できないものとします。ただし、当該取引所に故意又は重過失が認められる場合は、この限りではないものとします。
1.売買約定の取消
- 上場株式数の20%※を超える誤発注が対象となります。
- ※当該売買の決済が特に困難とする状況が認められる場合は上場株式数の10%超
- 誤発注が発生した場合には、該当銘柄は売買停止となります。
- 約定取消を決定した場合には、取引所が内容の公表を行います。
- 約定の取消が発動された場合、終日売買停止となります。
- 取消対象となる注文は、誤発注が最初に約定した時点から売買停止までに、当該取引所で行われた全注文となります。なお、取消注文の対象であっても一定の条件を満たす場合には、「約定の復活」が可能です。
2.約定復活の条件
取引参加者(金融商品取引業者等)は、顧客の注文が取消されたときは、あらかじめ当該取引所の承認を受け、取消された売買と同じ値段により、過誤のある注文を発注した取引参加者(金融商品取引業者等)を相手方として、当該承認に係る売付け又は買付けを執行することができます。
以下のいずれにも該当する場合に承認されます。
- 1.過誤のある注文に係る売買が最初に約定した時から、売買の取消を行う可能性があることを周知するための売買の停止が行われた時(売買の停止が行われなかった場合にあっては、当該注文について公表された時)までの間に、次のいずれかの売買(以下「連鎖取引」という。)を行っていること。
- 当該取消された売買に係る注文を委託した取引参加者(金融商品取引業者等)と同一の取引参加者(金融商品取引業者等)に委託して行った、当該取消された売買に係る売付け後の売却代金による買付け又は買付け後の当該買付けた有価証券の売付け
- 信用取引の弁済(期限における弁済に限る。)のための売買
- 株券オプション取引の権利行使により成立する対象株券の売買決済のための売買
- 2.委託による取引であること。
- 3.売買の取消が行われたことにより、委託者が連鎖取引の決済を行うことができなくなること。
復活する取引は、委託者ごとに以下の数量を上限とし、これを超える部分については、復活の対象となりません。
上限金額 | 2,000万円 |
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当日の基準値段(板中心値段)×当該銘柄の売買単位 |
- ※10売買単位未満は切上げ
先物・オプション取引においては、誤発注に係る約定により円滑な決済の履行が極めて困難になる等、市場が著しく混乱すると当取引所が認める場合に、取引の取消が行われます。なお、取引の特性を鑑み、取消した取引の復活は認められません。
お客さまに該当の取引が発生した場合
約定取消(約定取消手続きのための売買停止を含む)が取引所より発動された場合には、会員ページ内に当該情報を掲載してお知らせいたします。
なお、約定取消に該当したお客さまについては、次のとおりです。
- 約定取消の対象取引が復活の条件を満たしている場合には、会員ページ内において復活の意志を確認させていただきます。
- 指定された期日までに、復活の意志のご回答をお願いします。
- 復活の認知には一定の時間が必要(当社から取引所への申告⇒取引所の承認)となりますのであらかじめご了承ください。
- なお、復活の売買の決済は、取消された売買が取消されなかった場合における決済日に行うものといたします。