2025年の相場見通し

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2025年の相場見通し 2025年の相場見通し

当社投資情報室より、2025年のマーケットついてご案内いたします。 新年のお取引に是非お役立てください。

2025年の相場見通し特集動画

投資アナリスト 藤井明代 投資アナリスト 藤井明代

藤井明代

大手ネット金融会社を経て、2013年にカブドットコム証券(auカブコム証券)入社。前職在籍中は個人投資家として国内株式等の売買を経験し、株主優待に魅了される。個人投資家としての経験を活かし、株主優待や初心者向け情報発信を行う。

毎月第4木曜日に公式YouTube「投資情報専門チャンネル」で株主優待情報を中心に動画配信。
2025年1月「旬の株主優待を深堀り!」動画はこちら

2025年も高水準の株主還元に注目、自社株買い余力のある株主優待銘柄

みなさま、あけましておめでとうございます
旧年中は格別のご高配を賜り、心より御礼を申し上げます
本年も投資情報室をよろしくお願いいたします

年足チャートからみる日経平均株価

2024年の年初、3万3193円5銭でスタートした日経平均株価は、2月に1989年以来34年ぶりとなる最高値を更新し、さらに7月には取引時間中に一時4万2426円77銭の高値を付けるなど、正に飛躍の年となりました。8月5日に令和のブラックマンデーと呼ばれる過去最大の下げ幅を記録するも、9月には暴落前と同水準の3万9000円台に戻し、株価回復までの期間が非常に短く影響は一時的だったと言えます。
下図1の通り、2024年12月13日までの日経平均株価年足チャートは、2023年に続き「大陽線」を形成しています。大陽線は先高見込みで強い線と捉えることができます。一方で、昨年は見られなかった上影線と下影線が出ています。特に長い上影線は上昇相場で警戒を要するサインとなります。本レポート執筆時の12月13日現在の日経平均株価終値は3万9470円44銭ですが、この水準より下で大納会を迎えると上影線が長くなり、先高観の中にもやや警戒が必要になると考えられます。

■図1:日経平均株価40年チャート(年足)

図1:日経平均株価40年チャート(年足)

  • 日経平均株価年足推移、2024年は12月13日までのデータ
  • QUICKデータを基にauカブコム証券作成

高水準の株主還元さらに強化へ、2025年も自社株買い・株主優待に注目

2025年に日本株式市場で注目しているのは、2024年に続き高水準を維持すると予想している株主還元です。その中でも特に注目しているのは企業による自社株買いです。下図2の通り、2024年の東証上場企業の自社株買い取得価額は12月5日時点で12兆円を超え、過去最高額となった2022年を大きく上回っています。投資部門別売買動向でも事業法人(自社株買いが中心)が最大の買い手となっており存在感は大きく、今後も自社株買いの継続が予想されるため、需給面では引き続き日本株式市場を下支えする要因になると考えています。

■図2:東証上場企業 自己株式取得価額合計

図2:東証上場企業 自己株式取得価額合計

  • 2024年は12月5日までのデータ、取締役会決議ベース
  • QUICKデータを基に投資情報室作成

次に注目しているのは、株主優待です。2024年は株主優待の導入や再開を発表した企業が多くなり、2024年12月12日現在の株主優待実施社数は1529社と2020年以来の1500社超えとなりました。
足元の株主優待増加の背景には、2022年の東証市場再編で株主数の規定緩和されたことや公平な利益還元のために株主優待を廃止する企業が多数見られた影響が落ち着いたことに加え、以下の理由が挙げられると考えられます。

■株主優待が増加した背景と理由
導入背景 理由
新NISA開始 個人投資家を意識する企業の増加
持ち株買い解消売り 安定株主の受け皿として個人投資家がターゲットに
コロナ禍後の経済再開 企業収益および財務の改善
株主優待導入の好事例 優待導入後に中長期保有株主が増加する等の好事例多数

コロナ禍後の経済再開による企業収益・財務の改善はもちろんのこと、2024年に開始した新NISA、そして持ち株解消売りの受け皿として改めて「個人投資家」が意識されたことが主因だと考えられます。また、株主優待導入はその内容により、発表後に株価を大きく上昇させる材料になっているほか、中長期で株式を保有する個人株主が増加したとの好事例も企業の開示情報から多数報告されています。企業側も株主優待を通じて個人投資家との接点を持ち、ファン株主を増やすような良好な関係を構築する存在として、株主優待が改めて評価されている可能性があると考えられます。以上の理由から、株主優待は2025年も引き続き株式市場での存在感を高める可能性があるとみています。

株主優待実施企業で自社株買い余力のある企業をスクリーニング

今回は株主優待と自社株買いに着目し、株主優待実施銘柄の中から自己資本比率が高く自社株買い余力があり、かつPBR1倍以下で資本効率改善に取り組む可能性のある企業をピックアップしました。さらに時価総額や今期業績予想、過去の自社株買い実績からもスクリーニングを実施しています。本年の投資のご参考となれば幸いです。

■スクリーニング条件

  • 株主優待実施企業
  • 自己資本比率50%以上(自社株買い余力あり)
  • PBR1倍以下(資本効率改善に取り組む可能性の高い銘柄)
  • 時価総額1,000億円以上
  • 今期増収および純増益予想(10%以上純増益)
  • 2023年または2024年に自社株買い実績あり
■自社株買い実績および自社株買い余力のある株主優待銘柄
No コード 商品名 時価総額 自己資本比率
(実績)
PBR 売上高
伸び率
予想
純利益
伸び率
予想
予想配当
利回り
株価
24/12/13終値
予想一株
配当金
決算期日 2023年
自社株
買い
2024年
自社株
買い
1 1605 INPEX 24,717億円 62.5% 0.55倍 3.6% 18.1% 4.38% 1,963円 86円 2024/12/31
2 9101 日本郵船 23,612億円 62.3% 0.81倍 6.4% 70.6% 5.07% 5,122円 260円 2025/3/31
3 9104 商船三井 19,092億円 57.1% 0.70倍 10.0% 33.8% 5.69% 5,266円 300円 2025/3/31
4 3291 飯田グループHD 6,529億円 53.7% 0.66倍 7.6% 18.3% 3.86% 2,328.5円 90円 2025/3/31
5 9076 セイノーHD 4,570億円 62.4% 0.96倍 13.8% 35.3% 4.1% 2,435円 100円 2025/3/31
6 8282 ケーズHD 2,670億円 61.4% 0.86倍 2.3% 62.6% 3.13% 1,405円 44円 2025/3/31
7 7313 テイ・エス・テック 2,311億円 73.3% 0.66倍 0.3% 17.5% 4.88% 1,699.5円 83円 2025/3/31
8 8218 コメリ 1,782億円 63.4% 0.63倍 4.7% 10.9% 1.64% 3,275円 54円 2025/3/31
9 4634 artience 1,615億円 54.9% 0.60倍 10.2% 69.5% 3.3% 3,030円 100円 2024/12/31
10 8276 平和堂 1,184億円 60.2% 0.62倍 4.4% 34.1% 2.61% 2,296円 60円 2025/2/20
11 3087 ドトール・日レスHD 1,060億円 77.6% 0.99倍 4.2% 21.0% 1.97% 2,325円 46円 2025/2/28
  • 時価総額順、データは連結優先、売上高・純利益伸び率および配当予想は会社予想
  • 2024年12月13日現在、QUICKデータ等を基にauカブコム証券作成

ご注意

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