2022年7月25日
日本株と米国株~過去30年の株価の推移は~
ここで、米国株と日本株のパフォーマンスを比較してみましょう。
成長著しい米国株ですが、日本株と比較することでどのくらい伸びているのかが明確になります。
代表的な株価指数を比較
まずは米国を代表する株価指数の一つ、「NYダウ」と日本を代表する株価指数の一つ「日経平均株価」の推移を比較します。
QUICKのデータをもとにauカブコム証券が作成
1991年11月終値を100としてそれぞれ指数化
2022年7月7日終値まで表示
見ての通り、パフォーマンスの差は歴然です。
長期的にNYダウのパフォーマンスが日経平均を上回っています。
NYダウは足元で下落しているものの、30年で約13倍成長しており、今後の成長も期待されます。
同業種の銘柄を比較
続いて、米国と日本の同業種銘柄を比較しましょう。
今回は、「ヘルスケア」「飲食」「物流」「クレジットカード」「鉄道」の5業種の株価を比較します。
ヘルスケア業界「ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)VS武田薬品工業(4502)」
QUICKのデータをもとにauカブコム証券が作成
2006年11月終値を100としてそれぞれ指数化
2022年7月7日終値まで表示
ヘルスケア業界の米国大手「ジョンソン・エンド・ジョンソン」と日本大手「武田薬品工業」の株価推移です。
この15年間、ジョンソン・エンド・ジョンソンの株価は右肩上がりの上昇を続けているのに対し、武田薬品工業の株価上昇率はマイナスとなっており、成長していないことが分かります。
飲食業界「マクドナルド(MCD)VS日本マクドナルドホールディングス(2702)」
QUICKのデータをもとにauカブコム証券が作成
2006年11月終値を100としてそれぞれ指数化
2022年7月7日終値まで表示
誰もが知っているであろう世界最大のファストフードチェーン「マクドナルド」の日米の株価推移です。
どちらの株価も同じような値動きで共に成長はしていますが、上昇率は圧倒的に米マクドナルドの方が大きくなっています。
日本マクドナルドホールディングスは、2017年後半からほぼ横ばい推移です。
物流業界「ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)VS日本通運(9062)」
QUICKのデータをもとにauカブコム証券が作成
2006年11月終値を100としてそれぞれ指数化
2022年7月7日終値まで表示
物流業界の米国大手「ユナイテッド・パーセル・サービス」と日本大手「ヤマトHD」の株価推移です。
双方共に似たような値動きになっていますが、2020年に起きたコロナショック以降の成長率が大きく異なり、ユナイテッド・パーセル・サービスの株価はV字回復後も順調に成長を続けています。
カード業界「ビザ(V)VSイオンフィナンシャルサービス(8570)」
QUICKのデータをもとにauカブコム証券が作成
2008年3月終値を100としてそれぞれ指数化
2022年7月7日終値まで表示
クレジットカード業界の米国大手「ビザ」と日本大手「イオンフィナンシャルサービス」の株価推移です。
イオンフィナンシャルサービスの株価はほぼ横ばいで推移していますが、それとは対照的にビザの株価は右肩上がりで推移。
13年間で10倍以上に上昇しています。
鉄道業界「ユニオン・パシフィック(UNP)VS JR東日本(9020)」
QUICKのデータをもとにauカブコム証券が作成
2006年11月終値を100としてそれぞれ指数化
2022年7月7日終値まで表示
鉄道業界の米国大手「ユニオン・パシフィック」と日本大手「JR東日本」の株価推移です。
ユニオン・パシフィックの株価は時折大きく下げた場面も見られますが、その後は持ち直し、基本的には右肩上がりを続けています。
それに対し、JR東日本の株価は横ばい推移となっていました。
約30年前の世界時価総額ランキングと現在のランキング
世界の株式時価総額ランキングは32年前の1989年(平成元年)のランキングと比べて、どう変化しているのでしょうか。
ここで改めてランキングを見比べてみましょう。
企業名 | 株式時価総額 | 国名 | |
---|---|---|---|
1 | NTT | 1638億ドル | 日本 |
2 | 日本興業銀行 | 715億ドル | 日本 |
3 | 住友銀行 | 695億ドル | 日本 |
4 | 富士銀行 | 670億ドル | 日本 |
5 | 第一勧業銀行 | 660億ドル | 日本 |
6 | IBM | 646億ドル | 米国 |
7 | 三菱銀行 | 592億ドル | 日本 |
8 | エクソン | 549億ドル | 米国 |
9 | 東京電力 | 544億ドル | 日本 |
10 | ロイヤル・ダッチ・シェル | 543億ドル | 英国 |
出所:ダイヤモンド社 昭和という「レガシー」を引きずった平成30年間の経済停滞を振り返る(2018年8月20日)
企業名 | 株式時価総額 | 国名 | |
---|---|---|---|
1 | アップル(AAPL) | 2.37兆ドル | 米国 |
2 | マイクロソフト(MSFT) | 2.01兆ドル | 米国 |
3 | アルファベット C(GOOG) | 1.57兆ドル | 米国 |
4 | アルファベット A(GOOGL) | 1.57兆ドル | 米国 |
5 | アマゾン・ドット・コム(AMZN) | 1.18兆ドル | 米国 |
6 | テスラ(TSLA) | 7,600億ドル | 米国 |
7 | バークシャーハザウェイ A(BRK.A) | 6,164億ドル | 米国 |
8 | バークシャーハザウェイ B(BRK.B) | 6,164億ドル | 米国 |
9 | ユナイテッド・ヘルス・グループ(UNH) | 4,826億ドル | 米国 |
10 | ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) | 4,697億ドル | 米国 |
QUICKのデータをもとにauカブコム証券が作成
2022年7月7日終値時点
1989年のランキングを見ると、トップ10の中に日本の企業が7社もランクインしており、しかも上位5社を日本企業が独占。
米国の企業でランクインしているのは、6位のIBMと10位のロイヤル・ダッチ・シェルのみです。
当時の日本経済はバブルの絶頂期にあり、それを象徴するランキングになっています。
ところが、この33年間で状況は一変しました。
今や立場は逆転し、トップ10のほとんどを米国企業が占めており、日本企業は1社もランクインしていません。
33年間で米国の企業はすさまじい成長を遂げており、日米の株価格差はもはや埋めようがないほどに広がっています。
今後も米国株式の成長には期待が持てるかもしれません。