業界初!個人投資家向けにストレステスト機能を提供するリスク管理ツール「AIデリバティブ」登場
~ 3Dチャート等の視認性強化、過去のマーケットボラティリティを再現するシミュレーション機能を提供し先物オプション取引のポジション管理をサポート ~
2017年12月21日
カブドットコム証券株式会社は、2017年12月21日(木)(予定)から、現在提供中の「先物OPナビ」の次期バージョンである「AIデリバティブ」をリリースいたします。「AIデリバティブ」は、「先物OPナビ」の主要機能を踏襲した上で、過去のリーマンショックやブレグジット等のボラティリティを再現した場合にお客さまの現有ポジションや仮想のポジションがどのようなインパクトを受けうるかをシミュレートする「ストレステスト機能」や原資産価格、建玉評価損益、SQ日までの残存日数の3軸について視認性を高めて表現する「3Dチャート」等の先進的な機能を提供します。
「AIデリバティブ」の概要・イメージ
一般的に、日経225先物取引・オプション取引を活用することで、単純な日経平均株価の値上がり・値下がりだけではなく、日経平均株価が「今の価格から大きな変動はなさそう」、「上下の方向性はわからないが、ボラティリティが高まりそう」、「この程度まで値上がりしそう」「この程度まで値下がりしそう」といった、値上がり・値下がりを予想すること以外のさまざま相場観をもとに、より高度な投資戦略に基づくお取引が可能となります。しかしながら、オプション取引の価格形成は、原資産である日経平均に対して非線形的な様々な値動きをすることから、どのようなポジションが自身の相場観にフィットし、そのポジションの損益が時間の経過や原資産の変動に伴いどのように変化をするかを理解することは、複雑な金融工学等の知識を必要とするため個人投資家にとっては必ずしも容易ではありません。
「AIデリバティブ」は、以下の①~③のプロセスで、相場観にフィットした様々なポジションパターンを提示し、複雑なオプション取引等の計算を行わなくても、お客さまの投資戦略に適合したポジションを提示し、それがマーケットの変動に応じどのような影響を受けるのかを、わかりやすいグラフで描画いたします。
【主な機能①:ストレステスト】
過去の大きな価格変動を伴う4つのマーケットイベント「ライブドアショック」「リーマンショック」「黒田バズーカ」「ブレグジット」時の日経平均株価および日経平均ボラティリティインデックスと同等の値動きが生じた場合に、お客さまの保有建玉や仮想建玉がどのような損益状況となるかをシミュレーションする機能です。現在時点を、各マーケットイベント該当日の10日前とし、当時の価格変動をシミュレーション対象となる建玉に相対させ、損益額をシミュレートいたします。
【主な機能②:3Dチャート機能】
仮想建玉や各種シミュレーション機能、および保有建玉等について、原資産価格・指定SQ日までの残存日数・評価損益の3軸を3Dで描画したチャートです。
オプション建玉については、残存日数時点の時間的価値の変化を反映したものとなり、HTML5チャートならではの曲線描画で、原資産価格や残存日数によりシミュレーション対象の建玉について損益曲線がどのように変化するのかをわかりやすく表現いたします。
【主な機能③:損益チャート】
原資産である日経平均株価を横軸に、描画対象の選択ポジションの損益シミュレーションを縦軸に描画したチャートとなります。
描画対象のポジションについて、SQ決済における損益と、SQまでの任意の日付において決済した際の理論価格を反映した損益を、それぞれ表現いたします。
【主な機能④:時系列チャート】
起点を現在(0日)とし、経過日数を横軸に、損益シミュレーションを縦軸に表現するチャートです。現在(0日)からの損益シミュレーションは、過去の原資産価格(日経平均株価)を描画対象ポジションに適用させ損益シミュレーションを行います。現在(0日)以降の損益シミュレーションは、過去20日間のヒストリカルボラティリティ(HV)をもとに、経過日数に応じ、マイナス第3標準偏差からプラス第3標準偏差の範囲のボラティリティを示し、損益シミュレーションを行います。
【主な機能⑤:オプションシミュレーション】
お客さまの相場見通しについて、「日経平均が上がる」「日経平均が下がる」「日経平均が動かない」「日経平均が荒れる」の4つから選択いただき、それに対し、具体的に有効とされる4つのストラテジー(合計16種類のポジション)を提示します。ストラテジー選択後、原資産(日経平均株価)の推移に対する損益曲線を確認いただきながら、細かく合成ポジションをカスタマイズいただくことが可能です。
(「日経平均が荒れる」を選択した場合に提示されるオプションストラテジー)
【主な機能⑥:デルタヘッジシミュレーション】
現在の保有建玉のデルタを0に近似させる調整用ポジションを提示します。保有建玉に調整用ポジションを追加し、理論上ポジション全体をマーケットニュートラルにすることで、オプションのショートポジションの時間的価値の減少による収益機会ととらえるショート戦略、または、インプライドボラティリティ(IV)の発散と収束をトレード機会とするベガトレード等にご活用いただけます。
(現在の保有建玉がデルタロングである場合に提示されるデルタヘッジストラテジー)
なお、「AIデリバティブ」の提供開始に伴い、2018年1月末をもちまして旧バージョンである「先物OPナビ」はサービス提供を終了いたします。長らくのご利用に感謝するとともに、今後は「AIデリバティブ」のご活用を検討いただけますと幸いです。
- ※各画面イメージは開発中のものであり、サービス提供開始の時点で変更される場合がございます。
Fintechで求められる金融機関の実践として
当社では、1999年の創業以来「金融のIT化」をその企業理念の一つに据え、技術主導によるリスク管理の追求と顧客満足度の向上に注力して参りました。2017年4月にはFintech領域における先端研究・事業開発をより促進するため「イノベーション推進部」を新設し、今日までの経験とノウハウを踏み台として、次世代金融サービスへの挑戦と同時に、これまで以上に顧客志向で利便性が高いサービスの提供と拡充を目指してまいります。
また、MUFGグループが2015年に設立した邦銀初のスタートアップアクセラレータ・プログラム「MUFG Digitalアクセラレータ」選出企業をはじめとするFintech領域におけるスタートアップ企業との協業展開を推進し、Fintechを通じた金融サービスの発展に貢献してまいります。
(参考)Fintech領域におけるスタートアップ企業との取組み実績
- 2016年4月8日FintechベンチャーFinatext社とビッグデータ領域における協業開始
- 2016年10月5日 リアルタイムの消費財動向を「kabuステーション®」にてニュース配信開始
- 2016年10月17日イスラエル発のフィンテックスタートアップZEROBILLBANKと協働し、ジオフェンシング技術とブロックチェーンを活用した企業コイン「OOIRI」を導入
- 2017年4月6日 画像認識AIと並列ベクトル計算による超高速リアルタイム処理を活用したチャートツール「AlpacaSearch for kabu.com」の提供を開始
- 2017年7月14日 決算短信を高速で自動分析するレポートサービス「xenoFlash for kabu.com」の提供を開始
- 2017年7月28日 投信ビジネスのRPA化に取組む「ロボット投信」と協働し、 信託報酬実額シミュレーションツールを提供
- 2017年9月6日 ロボット投信と協業強化し投信の基準価額の変動要因を可視化しフィデューシャリー・デューティーを高度化
- 2017年9月15日 SNSやPOSデータを活用したFinatext/ナウキャスト社配信ニュースのUIを刷新