インド特集
目次
インドの魅力を紐解く!
今では、アジアNo.2の人口を誇るインド。これまでアジアの経済成長を牽引してきた中国が2015年夏頃に景気減速懸念が高まったこと等により、好調な経済のインドが着目されつつあります。それでは、インドの魅力を紐解いてまいりましょう!!
- 高インフレから脱却し、経済成長を続けるインド
インド実質GDP成長率が2013年を起点にアジア人口No.1の中国を抜いたことで、インドはアジアの中でもトップクラスの経済成長を遂げています。この背景の1つに、為替介入や政策金利の調整等、金融を中心とした政策を講じたことによるインフレ率の低下が考えられます。2013年以前は2度の世界的な金融危機と高インフレ等で経済成長が伸び悩んでいたものの、2013年ラジャンRBI(インド準備銀行総裁)の就任や2014年 モディ政権の誕生等により、経済・政治双方の面で改革が進んだことが今般におけるインドの高い経済成長率に寄与したものと思われます。
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主要地域および主要アジア各国の
実質GDP成長率(前年比)- 単位:%
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インド消費者物価(インフレ率)と政策金利
- 期間:2012年1月~2016年8月、月次
- インドルピーは対米ドルで割安な水準か
足下の通貨インドルピーは、実質実効為替レートからみて割安な水準と考えられます。実質実効為替レートとは、通貨の相対的な実力を図るインフレ調整後のレートを指しており、中長期的な通貨の価値を見る際によく用いられます。下図をみると、2014年頃を起点に実質実効為替レートが上昇している(インドルピーの対外競争力が上昇)のに対し、インドルピー/米ドルは下落していることから、足下のインドルピーは対米ドルで割安感があるとの見方もできるでしょう。また、インドは輸出よりも輸入が多い輸入国であるため、通貨高となることはインド国内経済にとってはポジティブと考えられます。
インドルピー/米ドルと実質実効為替レートの推移
- (インドルピー/逆目盛)
- 期間:2010年1月~2016年8月、月次
インドのマーケット動向
株式
インド株式は、2015年から2016年初にかけて税制改革の難航等により下落したものの、足下、新高値に向けて堅調に推移しています。インドでは従前より複雑な税制が課題となっており、モディ政権はこのGST改革に着手、ようやく2016年8月に野党が多い上院で可決されたことを市場は評価し、再び株価は堅調さを取戻しつつあります。
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インドの株価指数の推移
- 期間:2010年1月1日~2016年9月9日、日次
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主要アジア各国の
株価指数の年初来騰落率
債券
インドの10年国債の利回りは低下傾向にあるものの、依然主要アジア各国の中では最も高く、魅力的な水準といえるでしょう。
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インドの10年国債利回り推移
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- 主要アジア各国の
10年国債利回り
【ご参考】インドの税制~複雑な間接税~
モディ政権の政策の1つでもある税制改革。この税制改革とは現行の複雑な間接税を一本化するというものです。これまでインドでは、中央政府と州政府が各々物品やサービスに独自で様々な間接税を課しており、加えて税率や手続き等も異なる等、複雑で企業にとっては国内の経済活動のネックとなっていたともいえます。それを2014年新政権発足後、モディ首相は改革に着手し、2016年8月ようやく上院での法案が可決され、いよいよGST導入が目前に近づきつつあります。GST導入によってインド企業の活動が活発化となれば、インド経済にとってもプラスとなることでしょう。
- (出所)各種報道等によりauカブコム証券作成
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