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株式公開買付(TOB) あん分計算

「あん分比例方式」とは

株式公開買付け(TOB)に買付予定数の上限が定められており、応募株数合計が買付予定数の上限を超える場合には、超過数量全部または一部の買付けを行わないものとし、金融商品取引法第27条の13第5項及び発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第32条に規定する「あん分比例方式」により株券等の買付けを行います。

「あん分比例方式」では、応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計)により買付株数が計算されます。計算の詳細につきましては、公開買付説明書に記載されていますが、少し複雑になりますので「あん分比例方式」の事例を参考にしてください。本方式のポイントは以下となります。

  • (1)大株主や取引先などからの応募があった場合も、一般の応募と同様にあん分比例の対象になります。優遇は一切ありません。
  • (2)応募の早いものから優先的に買い付けるということもありません。公開買付期間終了時点で応募されているすべての株券等は公平に扱われます。したがって、応募の早いものから受け付けて買付予定数の上限に達したから、その後の応募は受け付けないということもありません。

「あん分比例方式」の事例

買付予定数の上限が定められた株式公開買付け(TOB)では、応募株数合計が買付予定数の上限を超える場合には、超過数量全部または一部の買付けが行われません。

「あん分比例方式」では、応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計)により買付株数が計算されます。計算の結果生じる1単元未満の株数を四捨五入し、不足が生じた場合は切り捨てられた株数の多い応募者から1単元づつ増加させ、超過が生じた場合は切り上げられた株数の多い応募者から1単元づつ減少させます。株数の等しい応募者については抽選で増減させる応募者を決定します。

以下では、1単元が100株で買付予定数の上限が1,000株である場合の例で、それぞれのケースを簡潔に説明します。(なお、応募株数に単元未満株式が含まれるケースは複雑になりますのでここでは説明を割愛しています。詳細につきましては、公開買付説明書をご確認ください。)

(1)あん分計算の結果、超過・不足が生じない場合

応募者がA~Dの4人で、各応募者の応募株数が以下とします。

  • A…500株
  • B…500株
  • C…100株
  • D…100株

応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計)で算出した結果を1単元未満の株数で四捨五入すると

応募者 応募株数 応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計)  買付株数
A 500株 500×(1,000/1,200)=416 400株
B 500株 500×(1,000/1,200)=416 400株
C 100株 100×(1,000/1,200)=83 100株
D 100株 100×(1,000/1,200)=83 100株
合計 1,200株   1,000株

単元株式数である100株の整数倍となるよう2桁目の数値を四捨五入した結果の合計と買付予定数の上限が一致しておりますので、各応募者の四捨五入した結果の株数がそのまま買付株数になります。

(2)あん分計算の結果、不足が生じ抽選が行われ、追加で買付ける株式等を決定する場合

応募者がA~Eの5人で、各応募者の応募株数が以下のようであったとします。

  • A…500株
  • B…500株
  • C…200株
  • D…200株
  • E…200株

応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計)で算出した結果を1単元未満の株数で四捨五入すると

応募者 応募株数 応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計) 買付株数
A 500株 500×(1,000/1,600)=312 300株
B 500株 500×(1,000/1,600)=312 300株
C 200株 200×(1,000/1,600)=125 100株
D 200株 200×(1,000/1,600)=125 100株
E 200株 200×(1,000/1,600)=125 100株
合計 1,600株 900株

単元株式数である100株の整数倍となるよう2桁目の数値を四捨五入した結果の合計は900株で買付予定数の上限である1,000株に100株不足しています。
残り100株をA~Eのいずれかの応募者から追加で買い付けます。
四捨五入を行う前の単元未満株数は、A、Bが12株、C、D、Eは25株です。
12 < 25なので、C、D、Eのうちのいずれかの応募者から追加で100株を買い付けることになります。
この場合、C、D、Eで抽選を行い、追加買付けをおこなう応募者を決定します。
(実務的には公開買付代理人である三菱UFJモルガン・スタンレー証券で抽選を実施します。両社へお申込みの場合は、株数を合算せず各々の株数で抽選をおこないます。)

抽選の結果、Cから買い付けることとなりました
したがって応募者ごとの買付株数は、以下のとおりになります。

応募者 応募株数 買付株数 抽選による増減 買付株数
A 500株 300株 300株
B 500株 300株 300株
C 200株 100株 +100株 200株
D 200株 100株 100株
E 200株 100株 100株
合計 1,600株 900株 +100株 1,000株

(3)あん分計算の結果、超過が生じ抽選が行われ、追加で買付けない株式等を決定する場合

応募者がA~Eの5人で、各応募者の応募株数が以下のようであったとします。

  • A…500株
  • B…500株
  • C…300株
  • D…300株
  • E…300株

応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計)で算出した結果を1単元未満の株数で四捨五入すると

応募者 応募株数 応募株数×(買付予定数上限/応募株数合計) 買付株数
A 500株 500×(1,000/1,900)=263 300株
B 500株 500×(1,000/1,900)=263 300株
C 300株 300×(1,000/1,900)=157 200株
D 300株 300×(1,000/1,900)=157 200株
E 300株 300×(1,000/1,900)=157 200株
合計 1,900株 1,200株

単元株式数である100株の整数倍となるよう2桁目の数値を四捨五入した結果の合計は1,200株で買付予定数の上限である1,000株を超過しました。
A~Eのいずれか2人の応募者から100株ずつ計200株買付株数を減じます。
四捨五入を行う前の単元未満株数は、A、Bが63株、C、D、Eは57株です。
63>57なので、C、D、Eのうちのいずれか2人の応募者の買付株数を減じることになります。
この場合、C、D、Eで抽選を行い、買付株数を減じる応募者を決定します。
(実務的には公開買付代理人である三菱UFJモルガン・スタンレー証券で抽選を実施します。両社へお申込みの場合は、株数を合算せず各々の株数で抽選をおこないます。)

抽選の結果、D、Eから減じることとなりました。
したがって応募者ごとの買付株数は、以下のとおりになります。

応募者 応募株数 買付株数 抽選による増減 買付株数
A 500株 300株 300株
B 500株 300株 300株
C 300株 200株 200株
D 300株 200株 -100株 100株
E 300株 200株 -100株 100株
合計 1,900株 1,200株 -200株 1,000株

【ご注意事項】記載例は、一般的な計算手法に基づき説明したものです。お申込みに際しましては、必ず「公開買付説明書」をご覧ください。

売却可能日・振替可能日にご注意ください

「あん分比例方式」の場合、公開買付け(TOB)で抽選から外れた株券の返却日は、受渡日以降となります。
なお、公開買付け(TOB)の場合、受渡日は通常のT+2(約定日から起算して3営業日目)とは異なります。
お客さまの画面上には、公開買付け(TOB)で抽選から外れた株券の残高は買付結果確定日の翌日には反映いたしますが、売却可能日(TOBの受渡日の2営業日前)・振替可能日(TOBの受渡日)に到達していない場合に、ご指示をいただきましても受付出来ませんのでご了承ください。

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