ispaceの月面着陸船が打ち上げ成功!関連銘柄をピックアップ ispaceの月面着陸船が打ち上げ成功!関連銘柄をピックアップ

ispaceの月面着陸船が打ち上げ成功!関連銘柄をピックアップ

東京の宇宙ベンチャー企業であるispace(アイスペース)が自社開発した無人月面着陸船を搭載したロケット「スペースX」が12月11日にフロリダの発射場から打ち上げられ、47分後にロケットから切り離されて打ち上げは成功しました。月面着陸が成功すれば、民間では世界初となります。

計画では地球から38万キロメートル離れた月に向かって航行し、23年4月に月面着陸に挑戦する予定。月面着陸船にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)などが開発した小型ロボットなどが搭載されているそうです。
ispaceは2010年9月設立。グーグル(アルファベット)などが開催し、民間企業で競う月面探査レースにチーム「HAKUTO(ハクト)」として月面探査車を開発し、出場して最終選考までコマを進めた経緯があります。HAKUTOは「白兎」に由来し、日本では月にウサギがいるとの伝承を表したものだそうです。

今年11月4日に「宇宙資源の探査および開発に関する事業活動の促進に関する法律」(宇宙資源法)に基づき、内閣府から「宇宙資源の探査および開発の許可」第一号案件として許可を取得しました。この許可により、NASA(米航空宇宙局)と契約した月資源の商取引が行われます。
具体的には、今回はispaceのランダー(月着陸船)が月面に着陸後に、月のレゴリス(岩石の表面にある堆積層)をランダーのフットパッドによる採取を予定しています。その後、NASAへの月のレゴリスの譲渡が行われます。実現すれば、民間事業者による月面での宇宙資源の商業取引として世界初の事例になるということです。

今回は月面探査プログラム「HAKUTO-R」に取組んでいます。HAKUTO-Rではまず、今回の打ち上げにより日本初の月面着陸を目指し、これが成功すれば、その後に搭載したローバー(探査車)での月面探査を目指す(ミッション2)ということです。ミッション2はispaceヨーロッパが開発を推進しているローバーを使用して月のレゴリスを採取し、NASAと月資源商取引を行うことを目指します。なお、ミッション2については改めて申請し、別途許可を取得する予定となっているそうです。

ispaceに関しては、外資系通信社が22年10月に、年度内にも東京証券取引所に上場する可能性があると報じています。海外で株式売り出しを行うIPO(株式新規公開)で、既に引受証券会社を選定しているということです。グローバル競争で優位に立つ体制を早期につくりたいとし、資金調達が必要だなどとしているようです。仮にIPOが実現すれば、今回の打ち上げ成功も相まって、市場の注目を集める可能性が高いといえそうです。

そこで今回は、ispaceに関連する銘柄をピックアップしてみました。なお、内容は発表時点で、その後変更されている可能性があることをあらかじめご了承ください。

ispace関連銘柄

日本航空(9201)

航空輸送事業で培ったノウハウを活かし、成田のエンジンセンターでのランダー組立てに関する技術支援に加えて、ランダーとローバーの輸送支援を通じて、民間月面探査への挑戦をサポートする。

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高砂熱学工業(1969)

20年8月にispaceに出資。ランダー(月面着陸船)に同社が開発する水の電気分解装置を搭載し、月面着陸後に水の電気分解の実証に加え、世界初となる月面環境での水素と酸素の生成を目指して挑戦する。

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日本特殊陶業(5334)

2019年にHAKUTO-Rのミッションでコーポレートパートナーとして参画。同社が開発する全固体電池を搭載し、月面で初となる全固体電池の実証実験を行う予定。月面では夜間などにマイナス150℃以下と超低温になり、液体のリチウムイオン電池の電解液では凍結してしまい、これまでの熱設計では適応することが出来ないという。同社の全固体電池は有毒ガスが発生せず、大型化も可能としている。

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スズキ(7269)

ispaceに出資。HARUTO-Rのコーポレートパートナー。ランダーに使われるボディ、着陸脚などの構造部品における構造解析で協力し、月面探査ミッションに貢献。小型で軽量な四輪車を開発するノウハウがあり、着陸脚の衝撃吸収にとどまらず、主要な構造部際の設計支援も。

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横河電機(6841)

産業利用の月面水資源探査装置開発に向けて、HARUTO-Rにサポーティングカンパニーとして参加。水素バリューチェーンに必要な制御技術など、月面での経済活動に必要なインフラの実現に向けて開発を行う。

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東レ(3402)

ボディ本体や車輪の脚などに使われる炭素強化プラスチックで協力。子会社の東レ・カーボンマジックが、起源であるレーシングカー開発で培った最適化設計、軽量化技術を、ランダーやローバーなどに応用し、期待は部品開発のサポートを行う。

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KDDI(9433)

2016年にHAKUTOのローバーの通信システムを共同開発すると発表。ローバーに搭載されたカメラで撮影した動画や静止画を地球に送信する。

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和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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