京セラ・稲盛さんが名づけ親!ファインセラミックス関連銘柄 京セラ・稲盛さんが名づけ親!ファインセラミックス関連銘柄

京セラ・稲盛さんが名づけ親!ファインセラミックス関連銘柄

京セラ名誉会長の稲盛和夫さんが、先日お亡くなりになりました。
稲盛さんといえば京都セラミック(現京セラ)を一代で大企業に育て上げたほか、現KDDIの立ち上げや日本航空の再建でも実績も残されています。
一方、高機能なセラミック(セラミックス)を開発・普及させた功績でも群を抜いています。 一方、本業のセラミックスでもファインセラミックスの開発などで革新的な製品を送り出しています。

京セラのホームページによれば、金属、有機材料、セラミックスは「(モノを作るための)3大材料」といわれています。
セラミックスの語源は粘土を焼き固めたものを意味する「ケラモス」だそうです。もともとは陶磁器を指していたとされます。
戦前の森村財閥の流れを組む森村グループであるノリタケカンパニーリミテド、TOTO、日本特殊陶業、日本ガイシは、「世界最大のセラミックス企業グループ」と呼ばれ、順に主力製品である食器(高級陶磁器)、衛生陶器、自動車用スパークプラグ、碍子は、いずれも陶磁器がもとになっています。
稲盛さんも、大学を出て就職したのは碍子の会社でした。
最近では耐火物、ガラス、セメントを含む非金属・無機材料を指して使われているようです。

セラミックスの中でも、特にエレクトロニクス産業などに使われる磁器は高い性能が求められものを「ファインセラミックス」と呼び、一般の陶磁器と区別されています。
京セラによれば「高度に精選された原料粉末」を用いて、「精密に調整された化学組織」を「十分に制御された製造プロセスに」によって作られた高精密なセラミックスのこと。
工業用部品として高い付加価値を有するもので、京セラ創業者の稲盛さんが命名したものです。
ファインセラミックスは金属やプラスチックに比べて強度、耐食性、耐熱性に優れるなどの特長を有しています。
オールドセラミックスは陶石、粘土など天然の鉱物を用いて混合し、成形、焼成(焼き固める)といった方法で作られます。
一方、ファインセラミックスは、高純度に精製した天然原料や、化学的なプロセスにより合成された人工原料などを用います。
これらの原料を調合することにより、目的とした性質を持つ物質を得ることが出来るのです。
ファインセラミックスは絶縁性や導電性、耐熱性などの特性を有しています。
半導体やICの電気的な特性はそのままに、外部から湿気や光を遮断することが出来たのはセラミックパッケージのおかげです。
また、コンデンサ(電気を蓄えたり放出したりする電子部品)やインダクター(受動素子)を小型化したのもセラミックスです。
スマートフォンにはセラミックコンデンサが多数使われているのです。
稲盛さんが名づけ親のファインセラミックスですが、京セラは競合からも刺激を受けて切磋琢磨したとみられ、この分野では日本が強みを有してます。

主なファインセラミックス関連企業

京セラ(6971)

半導体セラミックパッケージで首位。
コンデンサやコネクタなどの半導体素子にも展開。
自動運転向けミリ波レーダー用基板、高速通信規格「5G」向け機器なども手がける。
家庭用SOFC(固体酸化物形)燃料電池の心臓部であるセルスタックは、世界で唯一量産化に成功している。

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日本特殊陶業(5334)

自動車用プラグ、排気センサーで世界トップシェア。
セラミックスは特に半導体製造装置向け部品が業績に寄与。
同社では窒化アルミニウムを中心に材料の持つ特徴を引き出し、半導体製造装置に使われるヒーター、静電チャックなどを供給している。
静電チャックは半導体シリコンウエハを固定する半導体製造装置向けの材料だ。

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村田製作所(6981)

積層セラミックコンデンサ(MLCC)で世界首位。
数あるコンデンサの中でも、MLCCは小型ながら静電許容範囲が広く、ノイズの辞去や電源電圧の平滑化、フィルタなど様々な回路に使われる。
電源回路のオールセラミック化で、小型化・高信頼を実現。
1マイクロメートル(μm=100分の1ミリ)の極薄の誘電体シートを数100枚精度良く重ねて作る。
スマホの高機能化などに欠かせない。
性能が上がれば搭載点数が増加する。
今後は車載向けの増加に期待。
なお、太陽誘電(6976)、TDK(6762)もMLCCの大手。

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MARUWA(5344)

旧社名は丸和セラミック。
セラミックス部品メーカー。
半導体、省エネ、光通信市場向けセラミックス部品に展開。
小型で精密、放熱性に優れたセラミックス基板は世界首位級。
セラミックス基板はハイブリッド車やEV向けのインバーターなどにも使われる。

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日本セラミック(6929)

赤外線センサーで国内シェア9割と圧倒的。
世界でも首位。
超音波センサーでも有力。
赤外線センサーは電子レンジで食品の温度を非接触で検知したり、エアコンで人や床の温度を検知、耳式の体温計など幅広く使われる。
超音波センサーは自動車のバックセンサーなどに使われ、電流センサーはEV(電気自動車)などの電流を検知し最適なモータ制御を補助する。

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ノリタケカンパニーリミテド(5331)

森村グループの中核。
祖業は高級陶磁器食器。
通信分野や車載向けに使われる電子部品用セラミックスに展開。

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日本ガイシ(5333)

セラミック技術を活用した自動車排ガス用フィルタ、半導体製造装置向けセラミックスヒーターや静電チャックなどを手掛けている。

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和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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