天候に左右されない再生可能エネルギー!地熱発電関連8銘柄! 天候に左右されない再生可能エネルギー!地熱発電関連8銘柄!

天候に左右されない再生可能エネルギー!地熱発電関連8銘柄!

注目が高まりつつある「地熱発電」とは

世界的な脱炭素の流れを受けて再生可能エネルギーが注目されていますが、天候に左右されない地熱発電の利用が加速しています。
IRENA(国際再生可能エネルギー機関)によると、20年末の発電容量は1,400万キロワット(KW)を超え、10年間で約4割増加したそうです。
日本では小泉進次郎環境相が今年4月に開発加速を宣言し、6月には河野太郎規制改革担当相が2030年に地熱発電施設を倍増する目標を掲げています。
世界有数の火山国である日本は、米国、インドネシアに次ぐ世界3位の潜在能力(2,300万KW)があるとされます。
ただ、現状は50万KW(全発電量の0.2%)にとどまっています。
地熱発電に適した地域の多くが国立・国定公園内で、これらを保護する自然公園法が開発の障害となっています。
河野規制改革担当相は自然公園での導入を進めるため、規制の緩和を進める考えを示しています。
地熱発電は、火山付近の地下で高温に熱せられた蒸気や熱水によりタービンを回して発電する方法です。
発電容量に対する発電電力量が多く、設備利用率が高い安定した電源であることが特徴です。
太陽光発電、風力発電が日照時間や風の量などに影響されるのに対し、昼夜、天候を問わず24時間連続して発電することが出来ます。

地熱発電のしくみ

地熱発電のしくみ

出所:地熱エネルギーの宝庫・東北エリアで見る、地熱発電の現場(資源エネルギー庁)

設備利用率は70%強と、太陽光、風力の10~20%をはるかに上回ります。
地熱発電には蒸気によりタービンを回すフラッシュ発電方式と、熱水の熱エネルギーを利用して沸点の低い媒体と熱交換して蒸発させてタービンを回すバイナリー発電方式があります。
いずれも熱水は再び地下に戻すため、環境への影響はありません。
日本ではほとんどがフラッシュ発電方式です。
バイナリー方式は、温泉の熱などを活用しての発電などに採用されます。
日本では開発が遅れていますが、世界での存在感は大きなものがあります。
日本地熱協会などによれば、地熱発電用タービンの世界シェアは富士電機、三菱重工業、東芝の3社で67%を占めています。
地熱発電所は発電所ごとに最適な設計をして作られる完全オーダーメードとなります。
地熱資源は地点ごとに性状が異なるため、高度な技術と経験が要求されます。
機器を輸出するだけでなく、設計から調達、建設までを一貫して請け負うEPCという方式も行われており、日本の高いモノづくり力が評価されています。
今後、この技術を活かし日本国内での地熱発電の増加が期待されます。

地熱発電関連銘柄紹介

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富士電機(6504)
累計84台(国内9台)・3469MWの地熱タービンを受注した実績があります。
会社側によると2000年以降世界シェアトップとのこと。
フラッシュ・バイナリーのいずれの方式にも対応しています。
個々の設備を製作するだけでなく、プラント全体の設計・製作・建設を手掛けています。

富士電機(6504)

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三菱重工業(7011)
会社側の資料では地熱発電システムで納入実績世界一。
2015年稼働のメキシコの地熱発電所は、運転開始後1年間で99.6%の稼働率となるなど高い性能を示しています。

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東芝(6502)
累計出力約3.8GWの地熱発電設備を納入しています。
会社側によればこれは設備容量ベースで世界トップクラスのシェアとのこと。
地熱発電所には経年劣化や腐食、損傷などの課題がありますが、これをクリアするグレードアップ工事技術などに定評があります。

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J-POWER(9513)
三菱マテリアル、三菱瓦斯化学とともに地熱発電の会社を設立し、2019年5月に山葵沢地熱発所(秋田県)の運転を開始しました。
会社側によれば4万6,199KWの発電出力があります。
出力1万KWを超える大規模な地熱発電所としては23年ぶりの稼働となっています。
宮崎県の地熱発電所が最新設備の更新工事を実施中で、23年にも運転開始予定です。

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レノバ(9519)
北海道函館市(開発中)や熊本県南阿蘇村(建設中)で地熱プロジェクトを進めています。
南阿蘇村プロジェクトは22年12月に運転開始予定としています。

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鉱研工業(6297)

地下資源工事用掘削機械で有数です。
温泉開発工事も展開しています。

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電業社機械製作所(6365)
地熱発電プラント向けに熱水還元ポンプ、冷却水ポンプ、温水ポンプを手掛けています。

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INPEX(1605)
子会社の帝石削井工業が地熱井の掘削などの坑井掘削サービスに展開しています。
国内の地熱井の半数以上の掘削実績を有しています。

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当コラムは投資の参考となる情報提供を目的としており、特定の銘柄等の勧誘、売買の推奨、相場動向等の保証等をおこなうものではありません。
また将来の株価または価値を保証するものではありません。投資の最終決定はご自身のご判断と責任で行ってください。詳しくは「ご注意事項」をご確認ください。

和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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