23年3月期の第2四半期(4~9月)の決算発表が一巡しました。
日本経済新聞によれば、全産業の第2四半期の経常利益は前年同期比6.0%増益だったとのこと。
純利益ベースでは2年連続の最高益更新だそうです。
海運や商社、鉄道・バスなどの非製造業がけん引。
海運はコンテナ船の運賃上昇、商社は資源価格の高止まりなどが寄与した格好。
また、鉄道などはコロナ禍からの経済再開で客数が戻ってきていることが要因ですね。
製造業も堅調で、事前に「半導体不足」、「資材価格高騰」、「物流費でコスト高」などと警戒されていましたが、これをこなして健闘といえそうです。
なお、通期の全産業の経常利益は前期比5.3%増となる見通しということです。
通期は3社に1社が上方修正になっているそうです。
また、日経平均株価の1株利益は決算発表前の2160円が、発表後は2220円台に上昇しています。
そこで、今回は第2四半期での好決算や上方修正企業をピックアップしました。
毎回ですが、あくまで私の個人的見解での選別ですので、あらかじめご了承くださいませ。
第2四半期ピックアップ決算銘柄!
超純水製造装置メーカーの大手で、専業色が強い。
水はモノを溶かす力が強いことが知られている。
不純物が混じりけのない水(超純水)に溶け出すことで洗うことが出来る。
半導体の製造工程ではわずかなゴミも許されない半導体ウエハの洗浄をはじめ、FPD(薄型パネル)部品洗浄、医薬品の製造工程などに用いられる。
ウエハ洗浄では溶かす力を活用し、きれいに洗浄できる。
23年3月期通期の売上高450億円(前期比41%増)、営業利益50億円(同13%増)となる見通し。
前回予想に比べて営業利益は3億円の増額となっている。
水処理案件の受注が想定以上であることが主因。
生産エンジニアリング企業。
簡単にいえば、顧客であるメーカーが作りたいモノを作るための生産設備を提供するビジネスを行っている。
自動車や半導体、パネル製造装置、産業用ロボット、パワーモジュール、家電など様々な産業分野に展開している。
23年3月期は第2四半期決算発表時点で、通期の利益見通しを上方修正している。
営業利益は期初予想を20億円上回る50億円(前期比30%増)になる見通し。
原価低減努力や間接部門の費用見直しが要因で、当初の減益予想が一転2ケタ増益になる。
増配も発表した。
受注状況で第2四半期末の受注残高は前年同期比81%増の651億5100万円と急増している。
自動車や半導体など幅広い。
売上に反映される24年3月期の業績に期待感が持てる内容だ。
これとは別に、決算発表後にはEV用ドライブユニットの組み立てライン設備で75億円超の大口受注があったと発表している。
同社は半導体の「切断」、「切削」、「研磨」の装置で世界首位。
つまり「切ったり」「削ったり」「磨いたり」する技術に優れる。
直近では特にパワー半導体向けの拡大が見込まれる。
パワー半導体とはモータや照明などの制御や電力の変換を行う半導体のこと。
モータを低速から高速まで精度よく回すことでEVの性能を上げ、また、効率よく動かすことで省エネ・省電力化に貢献する。
企業がCO2を出さないために電力使用を効率化する企業のGX(グリーントランスフォーメーション)の流れにも乗る。
特に化合物半導体と呼ばれる次世代のパワー半導体をインゴット(塊)から薄いウエハにするための切断装置に注目が集まっている。
この切断には同社の高い技術力が必要とされる。
23年3月期の第2四半期(4~9月)は売上高1392億8100万円(前年同期比20%増)、営業利益548億7000万円(同37%増)となった。
同社は四半期先の予想のみを開示しているが、4~12月期の営業利益は798億円(同27%増)を見込んでいる。
電線大手3社の一角。
同材料から派生したフレキシブルプリント基板(FPC)で世界有数。
スマートフォンなど向けに国内外のメーカーに販売している。
また、光ファイバーの接続作業に必要な「融着器」では首位。
第2四半期時点で23年3月期通期業績を上方修正。
売上高は前回予想を500億円上回る7900億円(前期比18%増)、営業利益は185億円上乗せの685億円(同78%増)になる見通し。
情報通信事業部門でユーザーまでの光ファイバーのラストワンマイルを意味するFTTx向け需要やデータセンター向けが想定以上であるほか、スマホ向けが好調であることが主因。
また、為替の円安や、採算の良い品種構成になっていることも寄与している。
東映系のアニメーション製作老舗。
世界有数のライブラリーを保有している。
商品化権や使用許諾権の供与を行う版権化事業も収益を支える。
中国向けなど海外事業も拡大している。
23年3月期の第2四半期決算が超過達成し、通期業績も上方修正。
通期の売上高760億円(前期比33%増)、営業利益235億円(同30%増)の見通し。
営業利益は従来予想に比べ50億円の上乗せ。
映画の好調やゲーム化版権販売が想定以上であることが要因としている。
映画では8月に日本で封切られた「ONE PIECE FILM RED(ワンピース・フィルムレッド)」が立ち上がりから大ヒット。
海外では「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」が快進撃となっている。
「ワンピース」や「ドラゴンボール」シリーズでは、映画好調の追い風もあり、グッズ化の版権販売、ゲーム化版権も伸びている。
版権は採算が良いとみられている。
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