SDGs銘柄?プラ新法施行で注目の廃プラスチック「再資源化」関連銘柄! SDGs銘柄?プラ新法施行で注目の廃プラスチック「再資源化」関連銘柄!

SDGs銘柄?プラ新法施行で注目の廃プラスチック「再資源化」関連銘柄!

米国のインフレ傾向やロシアのウクライナ侵攻などを背景に、原油価格の高騰が継続しています。
石油由来製品であるペットボトル、弁当容器、ポリ袋などの関連製品の値上がりが目立っているようです。

また、ここにきて注目されるのは廃プラスチック分野の動きです。同じ石油由来であるプラスチックの廃棄物に関しては、直径5ミリメートル以下のいわゆる「マイクロプラスチック」が生物や生態系への影響が大きいとして、世界的にも問題となっています。
プラスチックの利用抑制を目的に、日本では2020年7月からレジ袋の有料化が始まりました。

さらに、22年4月に「プラスチック資源循環促進法」(プラ新法)が施行されました。これは、プラスチック製品の設計から廃棄物の処理までプラスチック資源の循環の取組みを促進するための法律です。
それによると

  • (1)2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制する
  • (2)2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすること
  • (3)2035年までに使用済みプラスチック100%をリユース・リサイクルにより有効活用する

などとなっています。

プラスチック循環利用協会が21年に公表した2020年「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」によると、廃プラ総排出量は前年比28万トン減の822万トンとなっています。
減少したのは新型コロナ影響での経済低迷が要因とみられますが、それでも高水準。
うち86%に相当する710万トンがリサイクルなどにより有効活用されている一方、14%は単純焼却や埋め立てされているとのことです。
(出所:一般財団法人 新エネルギー財団 (nef.or.jp)  2020年「プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」(マテリアルフロー図)を公表・(一社)プラスチック循環利用協会)

この再資源化も課題となっています。

原油価格の高騰は、プラスチックのリサイクルを促進させる可能性もありそうです。そこで今回は、廃プラスチックの再資源化に関連する企業をピックアップします。

廃プラスチック「再資源化」関連7銘柄

TREホールディングス(9247)

タケエイとリバーホールディングスの共同株式移転により、21年10月に経営統合して誕生。タケエイは建設系の廃棄物処理・リサイクルなどに展開し、リバーHDは金属系の有価物、廃棄家電、廃自動車、廃プラスチック、産業廃棄物などにリサイクルを強み。両社の統合により、廃棄物の再資源から処分までを一貫して手がける体制が構築された。プラ新法の施行を機に、プラリサイクル事業に本格参入の意向。

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ENEOSホールディングス(5020)

21年7月に三菱ケミカルホールディングス(4188)傘下の三菱ケミカルと、三菱ケミカルの茨城事業所でプラスチック油化共同事業を介すると発表。廃プラを超臨界技術で化学的に液化し、油化処理を行う。これを原料に、石油製品や各種プラスチックに再製品化する仕組み。同事業所に商業ベースでは国内最大規模となる年2万トンの処理能力を備えたケミカルリサイクル施設を建設し、23年度に油化を開始する予定。

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エンビプロ・ホールディングス(5698)

建設廃材や廃車などの資源リサイクルが柱。22年4月に新素材ベンチャーのTBM(非上場)と廃プラスチックの改修、再利用を行うサーキュラーエコノミー(循環型経済)事業で業務提携すると発表。プラ新法でプラスチック製品の循環ニーズが自治体や企業の間で高まっていることが背景。エンビプロは2万トン規模の廃プラなどを回収するほか、人的資源なども提供するとしている。

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アミタホールディングス(2195)

廃棄物再資源化の大手。21年8月に同社などが事務局を務める「九州サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ」の取組の一環として、使用済みプラスチックの回収実験を地元企業などと連携して実施すると発表。21年11月には、兵庫県・神戸市とともに全国初のプラスチック資源に特化した回収ステーションを設置したと発表している。同市におけるプラスチックリサイクルを始め、地域課題を統合的に解決する資源循環の仕組化に取り組むとしている。

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出光興産(5019)

21年5月に環境エネルギー(非上場)と、千葉事業所での廃プラスチックリサイクル事業の実証検討で合意と発表。環境エネルギー社の廃プラ分解技術と出光の石油精製・石油化学装置を活用し、従来は再生困難だった混合プラスチックのリサイクルを目指す。年間1.5トンの廃プラ再資源化が目標。国内初の廃プラリサイクルチェーンの構築を推進。

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プラコー(6347)

中空成形機などプラスチック加工機の専業大手。中期事業計画でプラスチックリサイクル機器事業に注力の方針。プラスチック成型機メーカーとしてプラスチック製品の再利用分野に貢献するとしている。リサイクル事業は25年度売上高30億円を目指す。

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三和油化工業(4125)

産業廃棄物の化学品再生、再資源化などに展開。汚泥や廃プラスチック類などをセメント、鉄鋼向などの副原料に再資源化するリサイクルする事業を手掛ける。

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和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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