価格高騰で注目を集める!?LNG関連銘柄 価格高騰で注目を集める!?LNG関連銘柄

価格高騰で注目を集める!?LNG関連銘柄

LNG(液化天然ガス)関連株が注目を集めています。
LNGは「Liquefied Natural Gas」の略で、メタンを主成分とした天然ガスをマイナス162℃に冷却した液体です。
油田やガス田から算出される天然ガスは「ガス状」ですが、これを沸点(マイナス161.5℃)以下で液化します。
産出地からパイプラインを引くことが困難なため、液化して船で運びます。
液化することで体積は600分の1にでき、輸送や保管が飛躍的に効率化できます。
LNGを常温の海水で温めて気化させ、燃料として活用します。

今回、注目を集めている理由は、アジア市場などでLNG価格が急騰していることが挙げられます。
報道によれば、9月末時点で、過去5年平均と比べて約3倍の高値水準ということです。
ロシアから欧州へのパイプラインが完成しても、供給不安が払しょくされていないそうです。
高騰の理由はまず、世界各国が新型コロナウイルス感染症についてワクチン接種が進むなどして経済が再開し、需要が伸びていること。
また、米中などの主要国が脱炭素の動きを鮮明化し、石化燃料の開発を絞ってきていることも要因です。
中国ではこの影響で電力不足に陥っており、化石燃料への需要が増加しつつあります。
なかでも、比較的環境への負荷が小さい天然ガスやLNG需要が旺盛になっているのです。
原油の価格上昇も同様の背景があります。
脱炭素の動きが広がれば広がるほど、逆に石化燃料の供給が減り、価格が高騰するメカニズムとなっている面があります。
世界の大手エネルギー企業が権益を確保する動きもみられます。

火力発電の燃料は大きく分けてLNG、石炭、石油の3種類があります。
東京電力ではLNGが全体の7割を占め、次いで石炭、石油となっているとのこと。
LNGが多いのは、まずは環境面、火力発電燃料の中で、燃焼時の2酸化炭素(CO2)の排出量が石炭や石油に比べて少ないことが考えられます。。
石炭と比較するとCO2排出量は約6割にとどまるそうです。
また、窒素酸化物(NOx)は同約4割で、硫黄酸化物(SOx)はゼロです。
ばいじんもほとんど発生しないことからクリーンな燃料ともいわれます。

主なLNG関連株をピックアップしましょう。

LNG関連7銘柄を紹介!

INPEX(1605)

カナダのイクシスLNGプロジェクトは1998年に入札を経て鉱区を取得。
その後、試掘などを繰り返し2008年にLNGプラントの建設予定地を決定しました。
パイプラインの敷設、沖合生産・貯油出荷施設(FPSO)の建設などを行って、2015年に生産井の掘削を開始。
18年に生産・出荷を開始したビッグプロジェクトです。
オペレーターであるINPEXの権益比率は66.2%に達する。
年間約890万トンのLNG生産能力があります。
インドネシアでもLNG開発計画が進んでいるとみられます。

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三菱商事(8058)

カナダとインドネシアで年産1780トンという巨大LNGプロジェクトの開発を進めています。

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三井物産(8031)

米キャメロンLNGプロジェクトが3系列で生産を開始しています。

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明星工業(1976)

LNG、エチレンなどの超低温保冷工事で圧倒的なシェアを誇っています。

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日揮HD(1963)

石油、天然ガス系のプラントエンジニアリングで国内最大手です。
LNGプラントは世界5強の一角。
カナダでLNGの大型案件を受注しています。

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千代田化工建設(6366)

プラントエンジニアリング大手です。
LNGプラントでは日揮などに並ぶ世界5強の一角。
19年3月期の業績悪化の要因は米LNGプラント工事の追加費用がかさんだこと。
価格の上昇は追い風にも。

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トーヨーカネツ(6369)

石油やLNGタンク工事の大手です。

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当コラムは投資の参考となる情報提供を目的としており、特定の銘柄等の勧誘、売買の推奨、相場動向等の保証等をおこなうものではありません。
また将来の株価または価値を保証するものではありません。投資の最終決定はご自身のご判断と責任で行ってください。詳しくは「ご注意事項」をご確認ください。

和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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