改正の4つのポイント
(本記事は、2022年12月16日に発表された「令和5年度税制改正大綱」に基づくものです。)
令和5年度の税制改正大綱で、2024年1月以降のNISA制度の改正が発表されました。改正の主なポイントは次の4つです。
(1)制度は恒久化
現行のNISAは、一般NISAが2023年まで、つみたてNISAが2042年までとなっていましたが、2024年1月以降はどちらも恒久化される(期限なし)ことになりました。
(2)つみたてNISAと一般NISAの併用が可能に
現行では、つみたてNISAと一般NISAはどちらかを選択しなければなりませんでしたが、2024年1月以降は併用することができます。
(3)年間非課税投資枠は大幅に増額
年間の非課税投資枠も大幅に増額されます。つみたて投資枠(現在のつみたてNISA)が40万円から120万円に、成長投資枠(現在の一般NISA)は120万円が240万円になります。なお、改正後はつみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になるので、合計で、年間360万円まで投資枠が広がります。
(4)一生涯の非課税枠が新設
一生涯にわたる非課税限度額1,800万円が新たに設定されます。このうち、成長投資枠の非課税限度額は1,200万円です。一生涯の非課税枠は取得価額で管理され、一部を売却して非課税限度額の枠が空けば、改めてこの非課税枠を利用することができます。
なお、この非課税限度額は2024年1月以降の枠となり、現行NISAから新しいNISAに移行はせず、別枠での扱いとなります。
<2024年からのNISA改正内容>
改正によるメリットは?
この改正により、利用する私たちにはどのようなメリットがあるでしょうか?
まず、NISA制度が恒久化されたことにより、「終わり」を意識する必要がなくなりました。特に一般NISAは期限が5年であったため、非課税期間中に売却するかロールオーバーという形で繰り越すかの選択が必要でしたが、改正後は売却時期については自分のペースで決めることができます。
また、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を使用することができるので、どちらを選択するか迷わずにすみます。例えばアクティブ型とインデックス型のどちらも使いながら、非課税枠の中で、長期で積み立てを行うということも可能になります。
年間の非課税投資枠も拡大されました。毎月決まった金額を積み立てるだけでなく、ボーナスが多かった、まとまった金額を相続した、退職金が入った、などで、一時的に投資する金額を増やせる場合にも活用できそうです。
2023年は現行NISAの制度のままですので、つみたてNISAであれば年間40万円、20年間が非課税枠です。2024年以降のNISAとは別枠ですので、これからNISAを始めてみたいという方は、2024年を待つことなく、始めてみてはいかがでしょうか?