SOR(エスオーアール)とはスマート・オーダー・ルーティング(Smart-Order Routing)の略で、東京証券取引所(東証)や私設取引システム(PTS)などの複数の市場から、最良(買い注文の際にはより安く、売り注文の際にはより高く)気配や株数の情報を集約し、発注する市場を自動的に選んだり、自動的に注文を分割して売買を執行するシステムのことです。
SORの特長、メリットを
動画で解説!
三菱UFJ eスマート証券が
提供するSORの特長
三菱UFJ eスマート証券が提供するSORはモルガン・スタンレーMUFG証券(以下「モルガン・スタンレー社」)を介し、東証とモルガン・スタンレー社のダークプール(MSプール)、Cboe(旧チャイエックス)PTSまたはジャパンネクストPTSと接続をしており、発注した注文の全部が約定するまでの間、各市場の板状況を常時監視し、より良い気配が出た場合にはその市場に対して発注し直す仕組みとなっております。
複数の接続先の気配値から最良な接続先に分割して発注をするため、お客さまにとってより最良な売買を執行することが可能です。
三菱UFJ eスマート証券が提供する
SORのイメージ

SOR注文はモルガン・スタンレー社へ取次し、モルガン・スタンレー社の発注プラットフォーム(以下「MS SOR」)を回送した上で、速やかに東証・PTS市場・MSプールのいずれかの市場等に執行いたします。
SORにおいて価格を比較する取次ぎ先市場等は以下の通りです。
- モルガン・スタンレー社が運営するMSプール
- Cboeジャパン社のCboe Alpha市場(Cboe PTS)
- ジャパンネクスト社のJ-Market市場(ジャパンネクストPTS)
- 東京証券取引所(立会内取引)
- 信用取引はダークプールへ取り次ぐことが出来ません。
MSPool運営者情報
運営者 |
モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社 https://www.morganstanley.co.jp/ |
---|---|
自己勘定取引 | 有 |
取引参加者 | 運営者の顧客である機関投資家 |
三菱UFJ eスマート証券
ならではメリット
お得に取引できる可能性も
SOR注文ではPTSやダークプールなど、複数の市場の気配から最良の価格を判断するため、証券取引所のみに発注する場合と比較して有利な価格で約定する可能性があります。また、三菱UFJ eスマート証券ではSOR注文でお得に取引できた価格改善効果は全てお客さまに還元いたします。
SOR注文の手数料等のコストは通常の発注方法と同じですので、トータルのコストでお得に取引できる可能性があります。
- 価格改善効果の期待
- 価格改善は100%還元
- コストは変わらない
機関投資家(プロ)同等の取引環境
三菱UFJ eスマート証券は、モルガン・スタンレー社の日本株取引執行基盤を活用し世界最高水準の性能の取引執行サービスをお客さまに提供しています。
モルガン・スタンレー社の株式取引執行基盤は、世界主要各国をはじめとした35ヵ国以上の株式市場において、幅広い機関投資家に対し、サービスを提供するグローバルなプラットフォームです。日々高速化する世界中の株式取引所の注文データ授受や取引執行スピードにおいて最も高いスピードに合わせた性能を保有しています。
また、三菱UFJ eスマート証券ではプロの投資家が求める高水準の要件を満たすアルゴリズムを活用した執行方法(アルゴ注文)を使いやすいインターフェースで提供しています。
もちろんSOR注文であっても、通常のご注文と同様に自動売買や注文訂正、注文取消も可能です。
- 豊富なアルゴ注文
- 発注スピードが速い
- 簡単注文
ネット証券唯一!「同時同着」、「常時監視」
SORでもっとも懸念されるのはレイテンシーアービトラージ(注文の盗み見や先回りでのさやとり)です。当社以外の主要ネット証券では、各市場へ注文を”同時発注”することでレイテンシーアービトラージの排除を目指しています。
一方、三菱UFJ eスマート証券が提供するSORは注文の各市場への”同時到着”を目指すことにより、レイテンシーアービトラージの排除を目指しています。
また、当社に限らず一般に、SORでは複数の市場の気配を比較し、お客さまにとって最良の市場に発注します。
この際に、当社以外の主要ネット証券では発注時のみSORの判定を行いますが(※1)、 当社が提供するモルガン・スタンレー社のSORは発注時だけでなく、常時最良気配の判定を行っています。
例えば、取引所ですべての注文が成立する前に、PTSやダークプールでより有利な注文が発注された場合には、取引所の注文を引き戻してより有利な市場へ注文を発注します。
このような「プルバック機能」を提供しているのは2025年1月現在、主要ネット証券では当社だけです。(※1)
- 2025年1月時点、当社調べ
- 同時同着でさやとりを防ぐ
- 各市場の注文を常時監視
- 約定確率が上がる可能性
他社のSORシステム
との違い
SORシステムを利用するにあたってのポイントは、「接続先の数」と「同時に気配値を取る(常時最良気配値判定)」ということが重要となります。
しかし、単純に接続先が多いと約定率や最良発注ができるというわけではありません。
単純に「接続先の数」だけではなく、複数の接続先の気配から「同時に気配値をとる」ことが最良の気配をとるために重要ということになります。当社以外の主要ネット証券では発注時のみSOR判定を行いますが、当社は常時最良気配の判定を行っています。
主要ネット証券のSOR提供状況(2025年1月時点、当社調べ)※1
SOR提供 | SOR常時最良気配判定 | SOR注文における接続先数 | ダークプール取次 | 改善金額の還元※3 | |
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三菱UFJ eスマート証券 | 〇 | 〇 | 4 | 〇 | 100% |
SBI証券 | 〇 | ×※2 | 5 | 〇 | 100% |
楽天証券 | 〇 | ×※2 | 6 | 〇 | 100% |
松井証券 | × | × | 2 | 〇 | 70%※4 |
マネックス証券 | × | ×※2 | 2 | × | 100% |
- この表は主にSORの常時判定有無や接続数を比較したものです。取引ルール・対応商品等の違いは各社HP等でご確認ください
- 発注時のみ最良気配判定を実施
- SOR利用による、約定価格改善金額のお客さまへの還元割合(株式の売買手数料は加味しておりません)
- 東証よりも有利な価格で約定した場合、改善金額相当額の30%を成功報酬として別途徴収
SORでもっとも懸念されるのはレイテンシーアービトラージ(注文の盗み見や先回りでのさやとり)です。当社以外の主要ネット証券では、各市場へ注文を”同時発注”することでレイテンシーアービトラージの排除を目指しています。
一方、三菱UFJ eスマート証券が提供するSORは注文の各市場への”同時到着”を目指すことにより、レイテンシーアービトラージの排除を目指しています。
レイテンシーアービトラージへの対応 | |
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三菱UFJ eスマート証券 | 各市場にある気配と同時に対当すること(同時到着)を目指してIOC注文を発注 |
SBI証券 | 各市場に同時にIOC注文を発注(同時発注) |
楽天証券 | 各市場に同時にIOC注文を発注(同時発注) |
松井証券 | ー |
マネックス証券 | 各市場に同時にIOC注文を発注(同時発注) |
- 各社最良執行方針参照。2025年1月時点、当社調べ
SORを利用した際の
価格改善効果を表示
SORをご利用いただいた注文の価格改善効果(東証よりも有利な価格で約定した効果)は取引履歴SOR詳細画面(「資産管理」>「取引履歴」>「現物株式」または「信用」の画面で「SOR詳細」ボタンを押下)でご確認いただけます。
SOR詳細画面では、原則、約定日翌日までに【A】SORをご利用いただいた注文の約定金額と【B】約定時点における優先市場の最良気配を基に算出した優先市場想定約定金額からSORをご利用いただいたことによる価格改善金額を算出し表示します。

第三者機関(QUICK)による
SOR執行評価の開示
SOR注文に関する価格改善効果等について、第三者機関である株式会社QUICKの検証/評価を受け当該結果を当社ホームページにて、月次で開示します。
評価結果のレポートはマイページの「サポート」>「SOR執行評価」にて、ご確認いただけます。
レポート種別 | 評価対象 |
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SOR執行評価(MSPool約定分) | SOR利用注文のうち、MSプールでの約定に対する評価結果 |
SOR執行評価(全約定分) | SOR利用注文のうち、MSプール及びPTSでの約定に対する評価結果 |
レポートの掲載項目
- 評価結果サマリ
- 約定金額・価格改善効果(BP)
- 約定代金上位15銘柄
- 上場市場別
- 東証価格に劣後した約定
- 評価対象外の約定
- 別段の記載がない限り端数処理は四捨五入して表示しております。
評価対象外の約定について
当社のSORは東京証券取引所とPTS市場に対してIOC注文を行う場合、各市場での約定が同時刻となるように発注タイミングを制御しています。
IOC注文の詳細はこちら東証とPTSに以下の売気配が存在する場合において、300株の成行買注文を発注した場合、当社のSORは東証へ200株、PTSへ100株を同時刻に、各市場に到着するように発注します。

東証で100株①100円、100株③101円、PTSで100株②100.5円すべて同時刻に約定したと仮定し、PTS「100株②100.5円」の約定に対する執行評価を約定と同時刻の東証気配との比較で行った場合、気配①「100円」との比較を行うこととなり「価格改善効果は-0.5円」という評価となります。当該評価は「本来比較対象となり得ない気配との比較」を実施していることとなるため、QUICK社の執行評価において当該約定を評価対象外としています。
各市場で同時刻に約定するように発注する当社SORの仕様は、高頻度取引業者(HFT業者)等に取引影響を受けないようにするための機能です。東証、PTSでの約定時刻に時間差が生じた場合、HFT業者はSORの挙動を検知し最初の約定をトリガーとして、次の約定を予測・先回りをして自身が有利に取引できるように取引を行う可能性があります。当該取引行為の実施を防止するために、当社のSORは市場毎の約定時間の差異を最小限とする仕様を採用しています。
- 別段の記載がない限り端数処理は四捨五入して表示しております。
価格情報の開示
PTSの価格情報は日本証券業協会の定めに従い、Cboe社及びジャパンネクスト社の気配情報及び約定情報は所定の時限内に日本証券業協会に報告され、日本証券業協会の運営するウェブ上で公表されます。SOR取引の分割発注により約定したもののうち、東京証券取引所で約定したものは通常の東京証券取引所約定として、MSプールで約定したものは取引所立会外市場(ToSTNeT市場)での約定として公表されます。
PTS インフォメーション ネットワークSOR機能
- 基本動作
- プルバック機能
SOR注文はモルガン・スタンレー社へ取次し、MSSORを回送した上で、速やかに東証・PTS市場・MSプールのいずれかの市場等に執行いたします。
即時約定可能な注文について、お客さま毎の設定やご指示に基づき、MS SORは、SOR対象市場等となる取引所金融商品市場等のうち気配情報を発信する市場等(東証、Cboe PTS及びジャパンネクストPTS)の同一時点における気配情報を包括的に取得する様に設計されています。
東証の最良気配値と同一又はより優位な価格のMSプールの気配を確認し、東証が定める制限値幅内において、その時点における東証の最良買い気配及び最良売り気配と同一又はより有利な価格の範囲内で、IOC注文を複数の取引所金融商品市場等に発注します。
MS SORは価格を主な要因として、どの取引所金融商品市場等に発注するかを決定します。
なお、最良気配が複数の取引所金融商品市場に存在する場合、原則として、MSプール、東証、Cboe PTS、ジャパンネクストPTSの優先順位で発注しますが、流動性、呼び値、手数料等の市場環境の変化等で変わる可能性があります

例えば上記の図のように、お客さまが101円で20,000株の買注文を出した場合、SOR判定により、以下の順番で発注が行われます。
ステップ1 | お客さまがSOR注文を発注すると注文はMSSORに回送されます。 |
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ステップ2 |
MS SORは、各市場等の同一時点における気配情報を包括的に取得し、その時点における東証の最良売り気配と同一又はより有利な価格の範囲内で、IOC注文を複数の取引所金融商品市場等に発注します。 この場合は2,000株を以下で分配し、同時にIOC注文を注文を行います。
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ステップ3 | お客さまの注文とモルガン・スタンレー社顧客の注文が対当したため、互いに東証立会外取引(ToSTNeT)へ100.1円300株の業者間クロスを実施します。 |
- 信用取引のSOR注文は、MSプールへの発注は行われません。