決算発表が一巡しました。
今回、多くは23年3月期の第3四半期(4~12月)決算でした。
証券系調査機関によると業績下方修正が上方修正を上回り、全体としては良いとは言いにくい内容だったとのことです。
ただ、個別では好調な企業も少なくありません。
好調銘柄は株価の評価も高くなる傾向があります。
ただ、3月期決算はもう、来月で決算期が終わり、投資家の関心は24年3月期、つまり来期に向かっています。
一方、12月決算企業は、当然ながら23年12月までの業績予想を出しており、今期の見通しが分析しやすくなっています。
そこで今回は、12月が本決算の企業で営業利益が連続で2ケタ増益予想の銘柄をピックアップしました。
毎回ですが、銘柄の選定は筆者の独断と偏見を含んでいます。
あらかじめ、ご了承くださいませ。
NC旋盤やマシニングセンタの最大手格。
NC旋盤とは汎用の旋盤に数値制御(NC)装置を組み込んだ旋盤で、作成した加工プロブラムに沿って、自動的に加工を行うことが出来る機械、マシニングセンタは、それぞれの加工に必要な工具を自動で交換できる機能を備えた工作機械のこと。
穴あけや、フライス(削り)加工など異なった作業を1台でこなすことが出来る。
TOB(株式公開買付け)でドイツのDMG社を買収。経営を一体化している。
22年12月期は売上高4747億7100万円(前年比19.9%増)、営業利益412億1300万円(同78.7%増)となった。
5軸加工機、複合加工機などの工程集約機を中心に自動化、DX(デジタル)化、GX(環境対応)化向けが伸びた。受注高は過去最高に。
23年12月期は売上高5000億円(前期比5.3%増)、営業利益500億円(同21.3%)増、1株利益240.9円を見込んでいる。
配当は前期比10円増配の年80円とする方針だ。
難病患者などの「在宅ホスピスサービス」と終末期がん患者などの終末期ケアを行う「ホスピス住宅」を展開。
在宅ホスピスサービスは訪問看護を軸に、通所介護、24時間定期巡回などのサービスを提供。
ホスピス住宅では看護師が24時間常駐し、生活全般のケアも提供する。
22年12月期は売上高78億9400万円(前年比31.2%増)、営業利益9億5900万円(同60.4%増)となった。高齢者の増加とともに市場が拡大している。
7施設の新規開設やM&Aで子会社化した施設も寄与している。また、政府の社会保障費抑制策で、在宅ケア需要が増加した。
23年12月期は売上高100億円(前期比26.7%増)、営業利益15億円(同56.4%増)、1株利益88.3円を計画している。配当は実施していない。
施設数は40施設1300室(前期は31施設979室)となる見通し。
中期経営計画では2025年に売上高170億円、60施設2000室を目標としている。
炭素製品の大手。タイヤの原料に使われるカーボンブラックでは国内首位。
電炉に使われる黒鉛電極でも業界大手。
電炉は「電気炉」の略で、原料となる鉄スクラップをアーク放電によって発生する放電熱によって溶かし、酸素や窒素などの不純物を取り除いて製鋼する手法。
高炉に比べ、CO2発生が少ないことがメリット。電炉メーカーの製造時のCO2排出量は高炉の約4分の1程度といわれる。
電炉の内部で鉄を溶かしているのが黒鉛電極。
同社の黒鉛電極は約100年間の技術の蓄積で、世界最大級の直径32インチ(約80センチメートル)、長さ3メートルという高性能品。
22年12月期は売上高が3403億7100万円(前年比31.5%増)、営業利益405億8800万円(同64.7%増)となった。黒鉛電極の在庫調整一巡や販売価格の上昇などが寄与。
コロナ禍からの回復でタイヤ需要が伸びる中、タイヤ原料のカーボンブラックも順調だった。
23年12月期は売上高4100億円(前期比20.5%増)、営業利益450億円(同10.9%増)、1株利益121.9円を計画している。
配当金は前期比6円増配の年36円配当とする方針だ。
黒鉛電極の損益改善は一服だが、カーボンブラックやファインカーボンが伸びる見通し。
各分野の専門職やミドルマネジメントから経営幹部層の人材を企業に紹介する「ハイクラス転職」をグローバルに展開している。イギリスが発祥で外資系企業にも強い。
22年12月期は売上高304億3500万円(前年比22.5%増)、営業利益70億4400万円(同21.0%増)となった。
企業の求人が増加傾向で、幹部人材の転職支援が大きく伸びている。コンサルタントの採用も順調に推移した。
23年12月期は売上高366億5100万円(前期比20.4%増)、営業利益77億7000万円(同10.3%増)、1株利益133.8円を計画している。
コロナ禍からの経済再開本格化で転職支援サービスの伸びが続く。
22年12月には米国拠点を設立。海外もさらに積極化へ。
無店舗型の総合リユース事業を展開。着物など高額品の出張訪問買い取りサービスの「バイセル」が中心。
全国各地へ訪問可能な業界最大のビジネスモデルを構築している点が強み。実店舗型や、オンラインのセレクトショップも手掛ける。
傘下にオークションを展開のタイムレス。
22年12月期は売上高337億2400万円(前年比36.0%増)、営業利益37億4800万円(同61.9%増)となった。
バイセル、タイムレスともに好調推移。8期連続の増収増益で連続最高益更新。
買い取り店舗「わかば」を展開するフォーナインを22年5月に買収。
23年12月期は売上高446億円(前期比32.2%増)、営業利益45億5000万円(同21.4%増)、1株利益191.8円を計画している。
人員採用強化などで訪問回数の増加を計画している。フォーナインのフル寄与も貢献。
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