米国で対話AI(人工知能)である「Chat(チャット)GPT」が話題となっています。
これは、スマートフォンなどで質問すると、自然な会話の形式でAIが答えるシステムです。
米国のAI研究機関である「オープンAI」が22年11月に公開したもので、公開からわずか5日間でユーザー数が100万人を突破したと報じられました。
なぜこれほどの人気になっているかというと、答えの正確性や、巧みさが従来のAIチャット(インターネット上での会話)とは格段に向上していることが要因です。
問いかけに対して、AIが、人間が考えたかのような巧みな答え、きれいな文章で答えるというものです。
こうした動作は「生成AI」とも呼ばれているようです。
長さもこれまでのような1~2文でなく、長い文章で回答できます。
ちなみに、筆者がChatGPTに「日本の経済の先行きは?」と打ち込んだ結果は
「日本の経済の先行きに関しては、将来的には正確に予想することは困難です。しかし、近年の日本の経済動向から考えると、将来的にも持続的な成長が期待されています。
日本は、高齢化社会や少子化に伴い、労働力の減少が懸念されていますが、同時に、テクノロジーの進歩や、グローバルなビジネス環境の変化などが推進する新たな経済成長の可能性もあります。
また、政治的な環境や国際情勢も経済に大きな影響を与えることがあるため、将来的な経済動向は多様な要因から影響を受けることが予想されます」
と流ちょうに、しかもほぼ瞬時に回答しました。
これまでのAIが限られたデータから学習しているのに対し、ChatGPTは学習データ量が格段に増え、人間が期待するような手法で答えることが可能になったということです。
米国では「回答の内容は、米名門大学のMBA(経営学修士)レベル」とも報道されています。
もちろん、完ぺきではなく、改善点も指摘されていますが、AIの進化でさらに成長が進んでいるとの見方もあります。
文章だけでなく、イラストや絵画、写真といった画像分野でも急速に広がりつつあるようです。
そこで今回は、ChatGPTに関連する米国企業をピックアップしました。
AIの劇的な進化という観点から、AI関連銘柄を含めています。
米株式市場はAI関連株の上昇が目立っています。
米国ChatGPT(AI)関連5銘柄
同社の検索エンジン「ビング」に、対話のできるAIを搭載すると今年2月7日に発表。
ChatGPTを開発した「オープンAI」の技術を使う。
マイクロソフトは今年1月に、今後数年間にわたってオープンAIに数十億ドルを追加投資する計画を表明。
画像描写を行う際に必要な計算を行う半導体であるGPU(グラフィック演算装置)を開発した企業。AIの発展に欠かせない。
報道ではアナリストがChatGPTブームにより、同社の今後12か月間の売上高が30億ドル~110億ドルの増加要因になると伝えている。
ブームになれば、それだけ演算能力への需要が増加する。
2月6日に利用者の質問に自動応答するAIサービスを数週間以内に一般公開すると発表。言語を自動生成するAIを外部企業に提供するという。
グーグルが21年に開示した言語生成AI「ラムダ」を利用して開発したサービス「Bard(バード)」を公開する。
一部の報道ではBardが不正確な回答を生成したと報じられ、株価が大幅安Tとなる場面もあった。
GOOGL
GOOG
生成AIの製品群を提供するソフトウエア企業。法人向けAIアプリケーションソフトをクラウド(Saas)で提供。
同社の「C3 AI Suite」を用いると、顧客が様々な業務用アプリを迅速に設計、開発ができるという。
同社の製品がChatGPTと関連付いているとのプレスリリースを今年1月に発表。
ビデオのエンコード(符号化、暗号化)処理半導体のファブレスメーカー。
高度なAI技術に関するソリューションの開発に注力。
先端のプロセッサ(処理装置)技術やディープラーニング(深層学習)処理技術を統合し、物体検出、顔認識などに対応。
動画処理向けのSoC(機能をまとめた半導体)を開発。