水力や太陽光発電などと同じ再生可能エネルギーであるバイオマス発電の普及が本格化しつつあります。
政府は2050年にCO2を出さないカーボンニュートラルを目指しており、バイオマス発電の普及も今後進む見通しとなっています。
バイオマスとは「動植物から生まれた、再利用が可能な有機性の資源」のことで、主に木材、海藻、生ごみ、紙、動物のふんや尿、プランクトンなどを指します。
化石燃料と違い、バイオマスは太陽のエネルギーを使って水とCO2(二酸化炭素)から生物が生成するものであるため、持続的に再生可能な資源であることが特徴です。
バイオマス発電は木くずや燃えるゴミなどのバイオマスを燃焼する際の熱を利用して発電する方式です。
発電した後の排熱は、周辺地域の暖房や温水として有効活用でききます。
現在行われているバイオマスは以下の3種類に分けられます。
① 家畜のふん・尿、パルプ廃材、古紙などの「廃棄物系」
② 農作物や林地残材(建築用などに利用できない残材)などの「未利用系」
③ 糖質資源(サトウキビ、トウモロコシなど)や油脂資源(菜種など)やデンプン資源などの「資源作物」
例えば植物は燃やすとCO2を排出しますが、成長過程では光合成により大気中のCO2を吸収するので、CO2の増減に影響を与えないカーボンニュートラルとなります。
2012年からの固定価格買取制度(FIT)の開始によってバイオマス発電が普及してきています。
徐々にFITに頼らない手法も出始めそうで、普及が加速する可能性があります。
バイオマス発電は、燃やす燃料とその燃焼方式により、「直接燃焼方式」、「熱分解ガス化方式」、「生物化学的ガス化方式」の3つに分かれます。
直接燃焼方式は、木くずや間伐材、可燃性ゴミ、精製した廃油などを燃料に使います。
木くずは「木質ペレット」という固形燃料に、間伐材は「木質チップ」に加工することで燃料効率が高まり、輸送もしやすくなるそうです。
熱分解ガス化方式は、直接燃焼方式と同じ材料を使うが、直接燃焼せずに、加熱することで発生させたガスによってタービンを回まわします。
生物化学的ガス化方式は、家畜の糞尿や生ごみ、下水汚泥などを燃やすのではなく発酵させることで、メタンなどのバイオガスを発生させることでタービンを回すことで発電する方式です。
いずれの方法も甲乙はつけがたいですが、バイオマスの状況に応じた方式での展開が想定されます。
主なバイオマス発電関連株
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現在、4基のバイオマス発電所を所有する国内トップクラスのバイオマス発電事業者です。
21年7月に沖縄県で運転を開始すると5基目となります。
また、FITに頼らない出力300メガワット規模の大型バイオマス発電所の建設を計画し、2025年度中の営業運転開始を目指しています。
6月に一部報道で、同社が大手電力などから石炭火力発電所を買収し、環境負荷が少ないバイオマス発電に転換すると報じられました。
それによると4基程度を合計数100億円で買い取り、専用設備を導入して2022年以降の運転開始を目指すとのことです。
石炭火力を有する大手電力や鉄鋼メーカーにとっては廃止コストを省ける一方、イーレックスは業容を拡大できるメリットがあるそうです。
廃止コストは解体などで50億円~100億円程度かかるとみられます。
イーレックスは買収した施設はバイオマス燃料を保管する貯蔵設備や粉砕機などを設置。
当初は石炭と混焼し、その後バイオマス100%とする方針とのことです。
イーレックスはバイオマス燃料にも強みがあります。
燃料用に品種改良した「ニューソルガム」という植物で、生育が早いことが特徴。
最大で年3回収穫できるため、他の植物より栽培費用が2~3割下げられるといいます。
ベトナムやフィリピンで自社生産を開始し、需給がひっ迫しても必要量を確保でき、調達コストも上がりにくいとされています。
将来的にはFITに頼らず、発電コストはLNG火力や石炭火力を下回るとみられます。
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再生エネルギーの発電と開発・運営を手掛けています。
太陽光からバイオマス、風力まで広範囲に展開しています。
秋田、福岡でバイオマス発電設備を運転中。
宮城県石巻市、同仙台市、静岡県、徳島県で現在建設中です。
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産業廃棄物の再資源化などに展開しています。
森林間伐材を燃料とするバイオマス発電所を5か所(稼働中3か所、計画中2か所)を有しています。
燃料を集荷するチップ工場や、発電した電気を地元地域に供給する電力小売りにも取り組んでいます。
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省エネ支援と木質バイオマス発電が2本柱です。
荒廃が進む山林資源の解決策として、バイオマス発電による山林産業の活性化や経済波及効果を狙っています。
現在3か所の発電所が稼働中です。
発電効率の高さに強みがあるそうです。
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ボイラーやごみ焼却プラントなどに展開しています。
これらで培った技術力を活かし、バイオマス発電プラントで高いシェアを誇ります。
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当コラムは投資の参考となる情報提供を目的としており、特定の銘柄等の勧誘、売買の推奨、相場動向等の保証等をおこなうものではありません。
また将来の株価または価値を保証するものではありません。投資の最終決定はご自身のご判断と責任で行ってください。詳しくは「ご注意事項」をご確認ください。
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