知っておきたい知識⑤:超入門チャートの基礎(ローソク、移動平均、トレンドの見方)
1. ローソク足
ローソク足とは
ローソク足は、指定した期間(1日、1週間、1か月等)における株価の値動きの始値、高値、安値、終値を表しています。ローソクのような形状をしていることからローソク足と呼ばれています。
始値はその期間の始まりの値段、高値は期間中で一番高い値段、安値は期間中で一番安い値段、終値は期間中の終わりにつけた値段です。
ローソク足には、陽線と陰線があります。終値が始値より高いと陽線、反対に終値が始値より低いと陰線です。陽線は株価の上昇、陰線は下落を意味します。
ローソク足は、実体とヒゲで形成されます。始値と終値の間が実体です。実体よりも高値を付けると上ヒゲ、下値を付けると下ヒゲで表します。
実体の長さ、ヒゲの長さからは、値動きの推移が読み取れます。実体が長い場合は、始値から終値にかけて大きく値動きしたことを意味します。実体から長いヒゲが出ている場合は、大きく値動きしたものの最終的には反対に戻ったことを意味します。
ローソク足の期間
さまざまな期間の値動きを、1本のローソク足として表現できます。1日の値動きを表す場合は日足、1週間の値動きを表す場合は週足といった具合で、その他にも1時間足、5分足、1分足などを作ることができます。
チャートツールでは、期間を自由に切り替えられます。週足の大局を分析するのか、リアルタイムで1分足を分析するのかなど、どの時間軸を分析したいかによって期間を選ぶとよいでしょう。
2. 移動平均線
移動平均線とは
テクニカル指標で最もポピュラーなものの一つが移動平均線です。移動平均線は、ある期間における株価の終値の平均値を線でつないだ指標です。
例えば、5日移動平均線なら過去5日間の終値の平均値を線でつないでいます。移動平均線の計算式はn移動平均線=(当日を含めたn日における終値の合計)÷nです。
移動平均線を使うと、相場の方向性や転換点を判断しやすくなります。見方もシンプルで初心者でも分かりやすいテクニカル指標なので、ぜひ参考にしてください。
📌 基本的な移動平均線の日数
- 日足:5日、25日、75日、100日、200日
- 週足:9週、13週、26週、52週
- 月足:6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、60ヶ月
- EVERチャートで移動平均線を設定する
- kabuステーション®で移動平均線を設定する
移動平均線の見方
移動平均線の向きで、相場の方向性を判断できます。移動平均線の向きが上向きなら上昇トレンド、下向きなら下落トレンド、横向きならレンジ相場と考えられます。移動平均線の傾きにも注目で、傾きが急であるほど強いトレンド、緩やかであるほど弱いトレンドと考えられます。
複数の移動平均線を利用した分析方法
移動平均線は1本で相場の流れを読めますが、複数の移動平均線を表示させるとより分析の幅が拡がります。
短期移動平均線と長期移動平均線といった、2本の異なる期間を組み合わせてみましょう。これらがクロスする局面は、トレンドが転換するサインだと言われます。ゴールデンクロス、デッドクロスと呼ばれます。
<ゴールデンクロス>
短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜ける状態です。短期移動平均線が長期移動平均線を上抜いたということは、直近の価格が上昇していると判断できるので、買いサインとされます。
<デッドクロス>
ゴールデンクロスとは反対で、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜ける状態です。短期移動平均線が長期移動平均線を下抜いたということは、直近の価格が下落していると判断できるので、売りサインとされます。
3. トレンドの見方
トレンドとは何か
トレンドとは、株価推移の方向性のことです。株価が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのか、または横ばいで推移しているのかを示しています。
相場の格言に「Trend is Friend」があります。直訳すると「トレンドは友達」で、トレンドが出ている時は、その方向に付いていくのがよいという意味です。上昇トレンドなら買い目線、下落トレンドなら売り目線というトレンドフォロー(順張り)が、利益を出しやすいということです。
上昇トレンド
株価が直近の高値と安値を切り上げながら上昇している状態です。チャートではローソク足が右肩上がりに動いています。上昇トレンドは買い方が優勢であることを示しているので、株価上昇の流れに乗るために買い戦略が有効です。
下落トレンド
株価が直近の高値と安値を切り下げながら下落している状態です。チャートではローソク足が右肩下がりに動いています。下落トレンドは売り方が優勢であることを示しており、株価が大きく下がりやすいです。そのため、保有している銘柄で下落トレンドが発生したら注意しておきましょう。
レンジ相場
ボックス相場とも呼ばれ、株価が一定の値幅の間で上下を繰り返している状態です。売りと買いが株価に影響を与える材料やニュースが不足している時になりやすいです。
一定の範囲で株価が上下を繰り返しているため、下限に来た時に買い、上限で売るという手法が一般的に有効と言われています。
ただし、株価が上限もしくは下限を抜けてしまうとトレンドが発生する可能性が高まるので、取引する際は注意しましょう。
トレンドラインを引いてみよう
トレンドラインは株価の高値と高値、安値と安値を結んだ線です。安値同士を結んだ線をサポートライン、高値同士を結んだ線はレジスタンスラインと呼ばれ、重要な意味を持っています。
<サポートライン>
下値支持線とも呼ばれ、株価がライン近くまで下落すると下げ渋って反発する可能性があります。ここで買付することを押し目買いと呼びます。また、株価がラインを下抜いた場合、一気に下落していく可能性があります。
<レジスタンスライン>
上値抵抗線とも呼ばれ、株価がライン近くまで上昇すると買いの勢いが落ちて下落する可能性があります。ここで売却することを戻り売りと呼びます。また、株価がラインを上抜いた場合、上昇に勢いがつく可能性があります。
トレンドラインはチャートツールを利用して簡単に引くことができます。auカブコム証券ではEVERチャートやkabuステーション®のチャートでラインを引くことができます。
知っておきたい知識⑤:超入門チャートの基礎(ローソク、移動平均、トレンドの見方)
- ローソク足は対象期間の値動き(4本値)を表す
- 陽線は株価上昇、陰線は株価下落を意味する
- 移動平均線の向きや傾きから相場状況を判断できる
- 移動平均線はゴールデンクロス、デッドクロスの発生に注目
- 上昇トレンドは右肩上がり、下落トレンドは右肩下がり
- サポートライン、レジスタンスラインは売買の目安になる