米国では軍事関連のビジネス規模が大きいのですが、地政学リスクの高まりとともに需要が増加する可能性が高まっています。
ロシアによるウクライナ侵攻により、世界的に緊張感が高まっています。NATO(北大西洋条約機構)による旧共産圏を取り込むという、いわゆる「東方拡大」を警戒し、隣国のウクライナの加盟だけは阻止したいとの思惑がきっかけともいわれています。
しかし、首都キエフにロケット弾を撃ち込んだり、原子力発電所周辺を襲撃するなど、世界中が驚くような侵攻を見せています。
ウクライナもこれに抵抗し、泥沼化の様相を呈しています。
こうした中、ドイツのショルツ首相は2月末に、演説で国防費をGDP(国内総生産)の2%以上に引き上げる方針を表明しました。
21年の防衛予算は470億ユーロで、22年はこれを1,000億ユーロと倍以上に増加します。戦闘機の購入などに充当すると報じられています。東西冷戦に戻ったかのような状態です。
英国のシンクタンクIISS(国際戦略研究所)が2月に公表した報告書「ミリタリー・バランス」によれば、21年の世界の軍事費の合計は1兆9,200億ドル(約220兆円)。
実質ベースでは1.8%減で、これは米国の減少によるものとか。
ただ、米国の軍事費は7,540億ドルで、世界の軍事費の39%と4割近い軍事大国。
2位中国の3.5倍の規模とのこと。昨年の減少は米軍のアフガニスタンからの撤退が影響しているとみられます。
ただ、ウクライナ危機を背景に今後は増加に転じる可能性もありそうです。米国の軍事関連は巨大な産業であることが注目されます。
なお、欧州の軍事費は昨年、約5%増えたということです。
そこで、今回は、米国の軍事関連銘柄を取り上げます。
米国軍需関連6銘柄
米国の防衛・軍事大手です。
M&Aを活用し、軍事部門を強化してきました。ステルス戦闘機F22、F35ライトニングなどの製造元です。
軍事情報システムなども手がけています。
戦闘機、軍用輸送機、ミサイル、軍艦など幅広く製造している軍需企業。
人工衛星なども手がけています。高性能レーダーや無人機の運用、電子戦技術などに定評があるとのことです。
世界最大級の航空・宇宙関連メーカー。
事業内容は民間航空機と軍需分野に二分されます。軍需では戦闘機や爆撃機、輸送機などを手がけています。
電子防衛システム、人工衛星などにも展開しています。
防衛・航空宇宙事業などに展開する多国籍企業です。
軍事大手のレイセオンと航空宇宙のユナイテッドテクノロジーズが統合して発足。レイセオンは世界トップのミサイル企業。航空機エンジン、サイバーセキュリティ、無人航空機などに展開しています。
軍事における「指揮」(Command)、「統制」(Control)、「通信」(Communication)、「コンピュータ」(Computer)、「監視」(Surveillance)、「情報」(Intelligence)、「偵察」(Reconnaissance)という、いわゆるC4ISRシステム技術に強みがあります。