【第1回】『会社四季報』のここを読めば 【第1回】『会社四季報』のここを読めば

【第1回】『会社四季報』のここを読めば"企業の特徴"が大体わかる~証券コードに秘められた秘密

執筆者:『会社四季報』編集部

本記事は会社四季報公式ガイドブックからの転載記事となります。

「株式投資のバイブル」とも呼ばれる『会社四季報』。投資先を選ぶうえで欠かせない業績や財務などの情報がギュッと詰まっていることから、1936年の創刊以降、長く投資家に愛されてきました。しかしその一方で、あまりにも多くの情報が詰め込まれているがゆえに、初見では取っつきにくさを感じてしまうのもまた事実です。
本連載「四季報AtoZ」では、全11回にわたって『会社四季報』の読むべきポイントをわかりやすく解説。著名投資家の四季報活用法も紹介します。全11回を読破して、あなたの株式投資に『会社四季報』をフル活用してください。

画像の説明が入ります

auカブコム証券スマートフォンサイト>個別銘柄詳細ページ>四季報タブ>企業情報欄より
証券コード。下2桁が「01」である企業は
業界の代表的存在であるケースが多い
決算期。上場企業の約6割は3月決算
東証33業種
東洋経済業種

『会社四季報』の銘柄ページの社名の上にある4桁の英数字は「証券コード」と呼ばれ、証券コード協議会によって決められます。証券コードは業務内容に基づいて番号が定められています。

水産・農林が1300番台、建設1700~1900番台、食料品2000番台、化学・医薬品4000番台、機械6000番台、自動車など輸送用機器7000番台、銀行8300番台、不動産8800番台、情報通信9400番台、電気・ガス9500番台など、かつては業種ごとにまとまっていました。

100の位で業種が細分化されている場合もあります。代表的なのは3000番台の繊維製品です。下3桁が000番台は絹紡績、100番台は綿紡績、200番台は毛紡織、300番台は麻製品、400番台は化学繊維、といった具合に振り分けられています。

証券コードの下2桁が01の会社は、業界の代表的な会社や老舗企業が多く、「01銘柄」と呼ばれています。例えば、2001は製粉会社最古参の日本製粉、5401は鉄鋼最大手の日本製鉄、6501は総合電機大手の日立製作所です。

ただ、近年は該当する業者とは異なる番号が振られるケースが増えています。なぜかというと、IT関連など特定の成長分野から上場する会社が増えたことで、該当する業種コードが不足したうえ、M&Aなどで業態が変わる会社が出てきているからです。

さらに、2024年1月からは「130A」のように、証券コードに英字が組み入れられるようになりました。従来の数字4桁だけでは、使用可能なコード数が減少してきたため、今後はアルファベットと数字混合の証券コードが増えていくことになります。

証券コード協議会が定めている業種には10種類の大分類と、33種類の中分類がありますが、中でも中分類は東証33業種と呼ばれ、『会社四季報』以外でも幅広く利用されています。

銘柄ページの欄外に表示されている「建設」「食料品」「電気機器」「小売業」などは東証33業種のうち、その会社が所属する業種を表しています。

一方、【東経業種別時価総額順位】に記載している業種は、東洋経済が独自に設計していて、その会社の利益がどのような事業から生まれているかを基準に、60の業種を定めています。東証33業種とは異なる場合もあります。

社名の下にある【決算】は、会社の本決算月を表しています。今では3月期決算が上場企業の約6割を占めますが、経済のグローバル化が進む中、欧米など海外で主流の12月期決算を選択する企業も増えています。

一方で、小売業のように、冬物シーズンが終わる2月、夏物シーズンが終わる8月などの棚卸しに合わせて決算月を設定している業界もあります。なお、決算が月末でない場合には「2・20」「3・20」などのように決算期末日を記載しています。

【特色】では、その会社の特徴、主な事業、業界内での地位シェア、系列、企業グループなどをコンパクトに解説しています。

その会社がどのような系列やグループに入っているかも重要な情報です。【特色】では、「〇〇系」「〇〇グループの一員」など、企業グループの関係も記載しています。

こうした、グループ関係の把握が投資に役立つ場合もあります。近年、親会社と子会社の両方が上場していることについて、ガバナンスの観点から問題視されていることが増えています。親子上場は、子会社株のTOB(株式公開買い付け)によって解消されることが一般的です。

TOB価格は市場価格より高く設定されることが多いため、株価上昇に期待が持てます。『会社四季報』の特色欄を活用すれば、こうした親子上場銘柄を探すことができるでしょう。

連結事業の欄には、直近の通期決算における主要事業の売上構成比(全売上高に占める各事業の割合、単位%)が記載されています。構成比の後ろのカッコ内の数値は、それぞれの事業の収益性を示す売上高営業利益率(各事業の営業利益÷各事業の売上高、単位%)です。

▲はその事業が赤字であることを示しています。この欄を見れば、どんな事業があって、その中のどれが収益柱なのかを把握することができるのです。

【連結事業】欄を見ておけば、稼ぎ頭の事業だけでなく、赤字または利益がほとんど出せずに経営の足かせになっている事業の有無もわかります。企業をより深く知るには、そうした事業にも目を配りましょう。

【連結事業】の後ろにある【海外】の欄も重要です。日本からの輸出や海外の子会社が生産・販売した金額など、海外の売上高が全体の売上高に占める比率(海外売上高比率)を表しています。ここを見れば、どの程度グローバル化が進んでいる会社かがわかります。

海外売上高が大きい会社の場合、為替が変動すると輸出の採算や海外事業の円換算が変わって業績への影響が出るため、為替の動きにも目を配りましょう。また、主戦場とする地域の経済動向にも注意を払いましょう。

このように【連結事業】【海外】欄には企業を理解するうえで有益な情報が詰まっています。こうした情報を押さえたうえで、業績欄の記事を読むと、より理解しやすくなるでしょう。

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