執筆者:『会社四季報』編集部
本記事は会社四季報公式ガイドブックからの転載記事となります。
「株式投資のバイブル」とも呼ばれる『会社四季報』。投資先を選ぶうえで欠かせない業績や財務などの情報がギュッと詰まっていることから、1936年の創刊以降、長く投資家に愛されてきました。しかしその一方で、あまりにも多くの情報が詰め込まれているがゆえに、初見では取っつきにくさを感じてしまうのもまた事実です。
本連載「四季報AtoZ」では、全11回にわたって『会社四季報』の読むべきポイントをわかりやすく解説。著名投資家の四季報活用法も紹介します。全11回を読破して、あなたの株式投資に『会社四季報』をフル活用してください。
DAIBOUCHOUという名前の由来
『会社四季報』は株式会社を始めた2000年から購読しています。ハンドルネームは投資していたサミー(現セガサミーホールディングス<6460>)の業績欄の見出しが【大膨張】だったのが気に入って付けました。
投資スタイルは割安成長株狙いです。『会社四季報』では売上高や利益が伸びているかどうかをまず確認します。売上高が横ばいでも利益が伸びていればよしとします。
主にPER(株価収益率)が割安の成長率を探します。PBR(株価純資産倍率)1倍割れ銘柄はたくさんありすぎて、あれこれ調べ始めると読み切れなくなるので。
PERが割安だったら業績欄のコメントを見たり、倒産のおそれはないかと自己資本比率などの財務諸表をチェックします。気になった銘柄はその会社の決算説明資料を調べたりして深掘りしていきます。
投資先は事業内容が理解できる会社に限定
株価チャートで現在の株価の位置も確認します。しばらく上昇が続いているなら、まだ上値の余地がありそうか。下落してきたなら、なぜ下がったのか、下げ止まるメドはいつだろうか、などを検討します。
株価の動きはその会社に対する投資家の評価の変遷なので、過去の株価推移を見て、今はどのくらいの位置にいるのかを確認することは大事です。こうした業績や株価を時系列でみていくには「会社四季報オンライン」が便利ですね。
新規上場銘柄も、上場前の情報はあまり見ていなくて、『会社四季報』の個別企業ページに記載されてからしっかりチェックします。上場後にいったん下落をしたり、全体相場が悪いときは割安な評価で上場するケースが多いので、そのくらいのタイミングで投資するのがちょうどいいですね。
上場直後の銘柄も割安で業績成長していることが、前提ですが、事業内容が理解できるものに限っています。生成AI(人工知能)や難しい技術を活用するビジネスを展開する企業が増えていますが、そういう銘柄にはあまり投資していません。
四季報で気になった銘柄はすぐに買う
1号あたり5銘柄くらいは新たな投資先が見つかり、気になった銘柄はすぐに100株だけ買って忘れないようにしています。いろいろな銘柄を持つのが好きなので、今は300銘柄以上保有していて、「超分散投資」です。
『会社四季報』は保有銘柄のメンテナンスにも活用しています。来期も増収増益だと思っていた銘柄の業績が悪化する予想だった場合、業績欄のコメントに自信をもって反論できなければ売ることもあります。3カ月ごとに発売されるので、保有銘柄を見直すにはちょうどいい頻度です。
業績成長の源泉は「ヒト」「モノ」「カネ」です。『会社四季報』には従業員数や平均年収、工場や生産設備計画、財務諸表や自己資本比率、キャッシュフローといった成長の源泉を示す情報が詰まっています。『会社四季報』をしっかりと読めば、SNSなどで話題になっていない”お宝銘柄”を見つけるチャンスが広がるはずです。
ご注意事項
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