NTTとKDDIが共同開発を目指す6G時代の次世代通信インフラ「IOWN」!関連8銘柄を紹介 NTTとKDDIが共同開発を目指す6G時代の次世代通信インフラ「IOWN」!関連8銘柄を紹介

NTTとKDDIが共同開発を目指す6G時代の次世代通信インフラ「IOWN」!関連8銘柄を紹介

動き出すIOWN(アイオン)構想

NTTが進めるIOWN構想が本格的に動き出し始めました。
3月2日付の日本経済新聞はNTTとKDDIが次世代の光通信技術の研究開発で提携すると報じています。
通信回線からサーバーや半導体の内部まで、光で信号を伝える超省エネの通信網を共同で開発するとしています。
これはNTTが研究開発を進めている独自の光技術(光電融合技術)を使った次世代通信基盤IOWNをベースに、エネルギー効率の高い通信インフラを共同で開発するものです。
両社は国内で競合関係にありますが、次世代の通信技術の開発で手を組むことで、世界の「6G」規格競争で優位に立つ狙いもあるようです。
インターネットのデータ流通量が急拡大しており、報道では世界の通信網の消費電力は30年には18年比で約5倍、データセンターでは約15倍に急増。合計で21年の世界の消費電力の約2割に相当するそうです。
現在でも光ケーブルを使った通信回線では光で信号を送っていますが、基地局の通信機器やデータセンターのサーバーは内部では電気で信号を伝える光から電気に変換する際にエネルギー損失が発生し、消費電力が増える要因になっているということです。
全て光のまま処理する「光電融合」を活用することで超省エネが実現できるそうです。
「6G」に関しては、実用化すればアクセス通信速度は5Gの10倍、コア通信速度は100倍になるそうです。
一方、遅延は5Gの10分の1に短縮でき、同時接続数は10倍になるとのこと。
ロボットを使った遠隔診療、自動運転の実用化が一気に進むほか、防災、eスポーツ、IoTなどでの活用も見込まれます。

IOWN構想では現在に比べ2030年に
(1)電力効率100倍に向上(超低消費電力)
(2)データ伝送容量125倍以上(超高速)
(3)遅延が200分の1に縮小(超低遅延)
を目指しています。
具体的には
(1)ではスマホの電力消費が気にならない
(2)ではテレビの画像圧縮が不要で画像が鮮明になる、映画のダウンロードが瞬時にできる
(3)では自動運転、遠隔医療が実現する
などとイメージするとわかりやすいと思います。

関連銘柄をピックアップします。

IOWN関連8銘柄を紹介

シスメックス(6869) 川崎重工業(7012)

両社が折半出資の「メディカロイド」が手術支援ロボット「hinotori(ひのとり)」を展開。
22年11月にhinotoriとIOWN APN(光ネットワーク)をつなぐことで、100キロメートル離れた拠点間を同一手術室のようにする環境を実現したと発表。
遅延ゆらぎはほぼゼロ。
執刀医はストレスなく、通常のロボット手術と変わらない環境で遠隔手術を実施。
発表資料では「地域医療支援と若手外科医の教育・育成による医療レベル向上に期待」と。

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IMAGICA GROUP(6879)

映画製作を軸に企画、放送、機器開発・販売などに展開。
22年12月8日に、NTTとIOWN時代におけるリアル・サイバー空間の表現・演出技法に関する総合的な共同研究に着手と発表。
自宅にいながら観光地などに没入できるフォトリアル(実写のような表現)なサイバー空間の構築。
音楽やライブイベントなどを丸ごと遠隔地で体感できるライブビューイングの実現を狙う。

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アンリツ(6754)

通信系計測器の大手。
5G関連では米キーサイト・テクノロジーと双璧。
IOWN構想のゼネラルメンバー。
6G向け通信機器での受注に期待感。

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古河電工(5801)

IOWN構想のスポンサーメンバー。
光ファイバーで世界有数。
高性能な光ファイバーはIOWNの実用化には不可欠。

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NEC(6701)

22年9月15日にIOWN構想の通信基盤である「APN」に対応した光伝送装置4製品を同10月から出荷開始すると発表。
具体的には「中計伝送路に接続し、伝送距離に応じて光の増幅を行う装置」、「送信時に複数の光の波長を集め、受信時は一つの光の波長を分ける装置」など。
2027年度にオープン光伝送装置市場でシェア25%を目指す。

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富士通(6702)

21年4月にNTTと「持続可能な未来型デジタル社会の実現」に向けた戦略的業務提携に合意。
IOWN構想に賛同する幅広いパートナーとグローバルに連携。
光電融合製造技術の確立を目指すほか、低消費電力型・高性能コンピューティング実現に向けた共同研究開発を行う。

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ACCESS(4813)

IoTデバイスの受託開発などに展開。
「すべてのモノをネットにつなぐ」が企業ビジョン。
21年7月にNTTとIOWN構想の実現を目的とした提携に合意。
IOWN時代のユーザーインターフェースを研究・開発。

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和島英樹

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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