2026年が始まりました。
今年もよろしくお願いいたします。
新しい年も物価上昇の話題でもちきりです。
昨年は日本でもインフレがはっきりと定着し、全国の消費者物価指数は11月の総合指数が前年比+3.0%の上昇、10月と同じ水準にとどまりました。
庶民生活は節約志向を一段と強めていると見られます。
インフレの定着は高額商品の荷動きを活発化させています。
東京23区の中古マンションの販売価格は、2025年9月に平均的な売り出し価格が初めて1億1000万円を超えました(1億1034万円、70平方メートルあたりの価格)。
すでに都心部では新築物件の供給が底をついていると見られており、それとともにマンション市場に対する先高観から投資マネーは優良な中古マンションに向かっています。
輸入高級車の代名詞でもあるフェラーリは、1台2000万円台後半から5000万円はしますが、最近では毎月150台前後も売れています。
昨年までは月間の販売台数が100台を超える月は数えるほどでした。
それが今では史上最高ペースの売れ行きです。
百貨店販売額も、高島屋(8233) 高島屋(8233) の国内売上高は第2四半期(6-8月)が前年比▲2%でしたが、外商部は+2%とプラスを維持しました。
外商部は第3四半期(9-11月)も+6%と高い伸びを示しています。
このような動きはいずれも活発な富裕層の存在として注目されます。
株価上昇と地価の上昇によって「資産効果」の影響は一段と大きくなっていると推察され、中でもそれは富裕層の消費動向に強く出ていると予想されます。
森ビルや三井不動産(8801) 三井不動産(8801)が手がける都心の高級レジデンスの価格帯は1戸数億円が通り相場となって久しいですが、それがよく売れています。
国内の富裕層に加えて海外富裕層も購入に動いており、円安もあって「東京の一等地は割安」という認識が定着していることも一因です。
昨年12月に日本銀行は政策金利を引き上げましたが、日銀ですら「金利の正常化」にはまだ時間がかかると見ているフシがあります。
名目の金利水準から物価上昇率を差し引いた実質金利はまだマイナスの状態にあり、土地や株価など日本の資産価格にはまだ上昇余地があると見られます。
直近10年間で国内の富裕層は大幅に拡大したとされています。
野村総合研究所の調べでは、ネット金融資産が1億円以上の富裕層における資産保有額は、2015年の272兆円から2023年に469兆円、約1.7倍に、世帯数も121万世帯から165万世帯に1.3倍に増えています。
富裕層にとって「資産効果」の効き目はまだ当分の間は剥落しそうにない状況が続きます。
富裕層ビジネスは今後もさらに活発化してゆくと見られます。
銘柄ピックアップ
三越伊勢丹HD(3099) 三越伊勢丹HD(3099)
名門百貨店の三越と伊勢丹が2008年に経営統合して誕生。
国内は北海道から九州まで20店舗、海外は東南アジアを中心に23店舗を展開。
「新宿伊勢丹」は百貨店の中でも売上高は全国トップ。
日本橋の「三越本店」、「銀座三越」と合わせて3本柱を成す。
ラグジュアリーブランドに強く、都心部人口の拡大、「節約と贅沢」のメリハリ、「こだわり消費」市場の拡大が追い風となる。

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東急不動産HD(3289) 東急不動産HD(3289)
東急系の不動産大手。
賃貸、分譲、リゾート開発、太陽光発電、老健施設まで事業内容は多彩。
収益の柱はビル賃貸事業。
東急グループのおひざ元である東京・渋谷が重点エリアで、都心3区と渋谷区を中心に物件を多数保有する。
リゾート会員権は1988年から「東急ハーヴェストクラブ」を展開。
箱根・軽井沢・京都など全国に展開する会員制リゾートホテルを運営する。

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クレディセゾン(8253) クレディセゾン(8253)
クレジットカードの大手。
かつてはセゾングループに属していたが現在は独立系カード会社の位置づけ。
2023年5月にスルガ銀行と資本・業務提携し持分法適用会社に。
現在の中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)では事業利益1000億円超、ROE9.5%を目指している。
ターゲットとして富裕層と一般の顧客層の両面を掲げ、富裕層向けにはアメリカン・エキスプレスとの連携を活用する。

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以上
鈴木一之の市場交差点 ― 経済と社会、変化が交わる地点から考える
2026年の相場見通し(2025.12.29)
精密減速機(2025.12.11)
半導体素材メーカー(2025.11.13)
核融合発電(2025.10.17)
自動運転技術(2025.09.11)





