日本では高度成長期(1955年~1973年)に作られた道路や橋などインフラの老朽化が問題となっています。
予算の関係もあり、補修などで延命しているケースも多く、株式市場でも関連銘柄が折に触れて物色されています。
ただ、使わなくなった施設を壊すことも必要であり、安全性を考慮した撤去の技術なども重要になってきます。
そこで、今回は「壊す技術」に強みを持っている企業をピックアップしてみました。
主なインフラ維持関連銘柄
ガス・製鉄・電力・石油精製などのプラント解体工事のマネジメントを手がける。
解体工事の施工は外注し、工法の提案や設計、施工監理などを担当。
同社はプラント解体を突き詰めることで、独創的な「技」を磨き上げており、その代表的な工法の一つに「リンゴ皮むき工法」がある。これはガスタンクや石油タンクなど球形貯槽の解体において、リンゴの皮をむいていくかのように外郭天井部の中心から渦巻き状に切断していくもの。
切断した部分は自らの重量で下方に下がっていくため、さらなる切断作業は地上で行うことができる。
一つ一つクレーンで吊り下げていた従来工法に比べて、高所作業者の人員・作業時間を大幅に削減でき、工期短縮によるコスト削減と安全性確保を実現している。
油圧ショベルのアームへつけるクラッシャー、ブレーカー、カッターなど圧砕・解体用の建設機械向けアタッチメントの製造を主力に展開。
岩を砕く機械から都市解体需要まで幅広い解体用アタッチメントの製造を手がける。
アタッチメントは鋳物のような製法で作られることで、高精度かつ軽量でありながら、高耐久性の破砕機ができるという。
主力製品の国内シェアは、大きな構造物を壊す「大割機」で46%、鉄骨カッターで同49%となっている。
国内は22の拠点を構え、海外では米国、欧州、アジアの6拠点で事業展開している。
建築構造物の解体工事の施工監理に特化。
現地調査から施工計画の策定、諸官庁への各種届け出・許可申請、アスベスト除去、建物内部解体、仮設工事、建物解体などを一貫して手がける。
付帯工事もワンストップで受注し施工するほか、近隣住民への丁寧な説明や基礎の解体まで、解体工事にまつわる全てを行う。
創業以来70年間一貫して資源リサイクルに取り組む。
解体、廃棄物処理、金属加工のワンストップサービスで成長。
製鉄所や石油化学プラントなど様々な超大型設備の解体や、老朽化した発電所や風車の解体では付帯施設も含めて効率的に解体するなどの実績。
建物の解体ではアスベストの除去作業から処分を有資格者によって一貫して行うことができるという。
有害物質洗浄、除染、薬品処理など環境影響や安全に考慮した適切な処理を自社工場で行っている。
火力、原子力などの発電所を主体に各種プラントの建設、メンテナンス事業を展開。
建設工事のノウハウを活かした独自の技術・工法で、老朽化した発電所の解体工事に多数の実績を誇る。
解体は主に、構造物全体をジャッキ架台で支持し、下部から順に取り外すことで安全に解体するジャッキダウン工法で行う。
風の影響を受けやすい陸上風力発電設備においても、安全・省スペース・短工期を実証しているほか、同工法の応用で大型タンクなども解体できるという。
「切る」「洗う」、「はつる」、「剥がす」、「削る」といった技術で社会インフラの維持修繕を支える専門工事会社。
「街の道路から宇宙まで 全ての社会インフラを綺麗にする」とホームページで掲げる同社は、主力事業の工業用ダイヤモンドを使用した切断・穿孔(せんこう=穴を開ける)工事のほか、ビルメンテナンス、リユース・リサイクルの事業も展開している。
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