株式市場でコンテンツやゲーム関連株の良好な値動きが目立っています。
為替の動向や景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ性が評価されているうえ、海外の消費者が日本のコンテンツが「クール（かっこいい）」として人気になっている点も評価されている模様です。
インバウンドの増加でさらに注目が集まっている面もありそうです
コンテンツ産業に関しては、国も後押ししています
2024年6月に政府が「新たなクールジャパン戦略」を発表しています。
かつてのクールジャパン戦略は2019年に策定され、日本のブランド力強化や、日本への愛情を有する外国人（日本ファン）を増やすことで、日本のソフトパワーを強化することが目的でした。
ただ、その後の新型コロナ禍などで打撃を受けた経緯があります。
今回はクールジャパンのリブート（再起動）との位置付けで、前回からの環境の変化としてアニメやゲームを中心に日本のコンテンツの人気が世界中に高まっている点を挙げています。
コンテンツ産業の市場規模（2022年）は半導体（5.7兆円）に迫る4.7兆円規模になり、多くの外貨を獲得する基幹産業の位置付けになったと指摘しています。
政府では2033年までに日本発のコンテンツの海外市場規模を20兆円とする目標を掲げています。
また、食やファッションなどを含めたクールジャパン関連産業全体では2033年に50兆円以上を目標としているのです。
相乗効果に期待しているようですね。
経済産業省の武藤大臣は今年1月にサウジアラビアを訪問し、サウジeスポーツ連盟のファイサル会長と会談し、サウジアラビアのゲーム産業の発展に、日本として技術や人材育成などの面に協力していくことで合意しました。
サウジは「ゲーム庁」の設立も準備しています。
通信社電によればサウジアラビアは昨年秋に政府系ファンド（SWF）を通じて任天堂株などの買い増しを検討していると報じられています。
このファンドはカプコンやネクソン、コーエーテクモホールディングスなどに投資しているということです。
関連銘柄をピックアップします。
スクウェア・エニックスホールディングス（9684） スクウェア・エニックスホールディングス（9684）
RPGの「ファイナルファンタジー」シリーズは世界で累計1億8,500万本（2023年末）の売り上げを誇る。
日本はもとより、海外でも老若男女問わず愛されている。
画像が美しく、ストーリー性も魅力になっている。
同社では「ドラゴンクエスト」シリーズも展開している。
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ゲーム機のハード、ソフトとも世界大手。
ポケットモンスター・シリーズやスーパーマリオ・ブラザーズなどの人気キャラクターを抱え、IP（知的財産）を活用し売上高を伸ばしている。
アニメやグッズを通じて世界での知名度も圧倒的。
「あつまれどうぶつの森」は米国で「AnimalCrossing」の名前で人気。
新ゲーム機「スイッチ2」への期待感も大きい。
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家庭用ゲームソフト開発大手。
「モンスターハンター」シリーズを展開。
「モンスターハンター：ワールド」は新たに構築された多種多様な地形や生態系が息づく世界で、究極の狩猟生活を体験できる。
広大なオープンワールド（自由に行動できる仮想世界）と戦略的なモンスターハンティングでグローバル展開に成功。
新作「モンスターハンターワイルズ」が2月28日に発売予定。
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家庭・携帯用ゲームが主力。
デジタルエンタテインメント事業に属するビデオゲームのサッカーゲーム「eFootball」が好調。
世界累計8億ダウンロード突破。
世界規模のコミュニティ・プラットフォームに成長。
2024年10月にFIFA（国際サッカー連盟）とeスポーツの協業に関する契約を締結。
eFootballを競技タイトルとする「FIFAe World Cup」を開催。
1月31日に2025年3月期業績を上方修正、増配を発表。
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「ハローキティ」に代表される自社キャラクター商品の企画・販売を手掛ける。
海外からのライセンス収入が柱。
テーマパーク「サンリオピューロランド」も運営。
訪日客にも人気。
ハローキティ50周年関連がグローバルに寄与。
発売前のキャラクターの人気投票実施で、ヒットの確率をあげる手法。
メタバース活用で、イベントの参加者増加を図る。
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バンダイナムコホールディングス（7832） バンダイナムコホールディングス（7832）
玩具首位級。
ゲーム、映像ソフトなどにも展開。
家庭用ゲーム「エルデンリング」ダウンロードコンテンツ、ネットワークコンテンツ「ドラゴンボール」、「ワンピース」、「アイドルマスター」などが業績に貢献。
トイホビーでは「ガンダムシリーズ」が根強い人気。
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和島英樹
経済ジャーナリスト。
日本勧業角丸証券（現みずほ証券）入社。株式新聞社（現モーニングスター）記者を経て、2000年ラジオＮＩＫＫＥＩに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト（ＣＦＴｅ）。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。
