NAND型フラッシュメモリ世界大手のキオクシアホールディングス(285A)が先に発表した2026年3月期決算と、第1四半期の業績予想はサプライズとなりました。
これにより、NANDやDRAMなど記憶を担うメモリ半導体に関連する企業に一段と関心が向かう可能性が高まっています。
キオクシアHDの2026年3月期の営業利益は8,703億6,900万円(前年比93%増)と、会社予想の7,095億7,400万円~7,995億7,400万円を大きく上回って着地しました。
2027年3月期は第1四半期(4~6月)のみの開示ですが、営業利益は1兆2,980億円(前年同期比29倍)を見込んでいます。
前期1年間で営業利益8,700億円強が、今期は第1四半期だけで約1兆3,000億円を稼ぐ予想となります。
NANDフラッシュは長期の記憶を担当する半導体で、AIデータセンターのサーバーなどに使われる記憶媒体のSSD(ソリッドステートドライブ)向けに需要が急拡大しています。
主要顧客は先端半導体のエヌビディアとみられており、需要はうなぎ登りともいえる状況です。
半導体は、計算を担当する「ロジック」と記憶を担当する「メモリ」に大別されます。
ロジックの代表例はエヌビディアのGPU(画像処理半導体)向けチップで、いかに速く、大量に計算できるかがポイントになっています。
一方、メモリは記憶に特化した半導体です。
メモリも2種類に大別されます。
短期の記憶を担当する「DRAM」と長期の記憶を担う「NAND型フラッシュメモリ」です。
DRAMは「随時書き込み読み出しメモリ」とも呼ばれ、電気が通っているときのみ、データの記憶が行われます。
電源を切るとデータは消えますが、読み書きが高速で演算処理を行う際に使われます。
パソコン上のOS(基本ソフト)やスマホのアプリケーションが動作する際の作業スペースの役割を果たします。
DRAMでは後工程でチップの性能を上げるため、DRAMを積層化したHBM(広帯域メモリ)の需要が急拡大しています。
一方、NAND型フラッシュメモリは長期の記憶を担当します。
スマートフォンで写真を撮ったり、音楽をダウンロードして、電源を切っても残っているのはNANDフラッシュメモリのおかげです。
パソコンのストレージ(記憶媒体)であるSSDにも使われています。
いずれのメモリも需要が増加しています。
HBMの引き合いが強い背景には、主に大量の計算を行うデータセンター向け需要の増加があります。
一方、NAND型フラッシュメモリはAIデータセンター用のSSD向けに需要が急増しています。
さらに2025年秋以降は、需給がひっ迫しているHBMの代替として、SSDの高速処理に適したNANDフラッシュの次世代品が台頭してきているとの見方もあります。
関連銘柄をピックアップします。
キオクシア(285A) キオクシア(285A)
1987年に世界初のNAND型フラッシュメモリを発明。
世界で有数のフラッシュメモリ専業メーカー。
三重県四日市と岩手県北上に工場を持ち、米半導体大手サンディスクと共同運営を行っている。
技術力を武器に大容量化、高速化に取り組む。岩手工場で先端の第8世代3次元(218層)フラッシュメモリや次世代品の生産に対応。
2026年度に第10世代の生産も開始の方向。

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年5月25日まで
日本マイクロニクス(6871) 日本マイクロニクス(6871)
ウエハ段階の半導体の電気特性検査に用いる計測器具「プローブカード」の世界大手。
メモリ向けでは世界シェア3割と首位。
NANDフラッシュ向けも手掛けている。
DRAM向けプローブカード市場が拡大。
2026年12月期の営業利益は前期比94%増の219億円となる見通し。
メモリ向けプローブカードの生産能力拡大により、DRAM向け製品が好調に推移。
採算も改善傾向にある。

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年5月25日まで
ニコン(7731) ニコン(7731)
NANDフラッシュメモリなど半導体デバイスの製造に使われる露光装置などを手掛ける。
2025年11月に半導体の積層(3D)構造の導入によって増加する「貼り合わせ(ボンディング)工程」で高い重ね合わせ精度を実現する計測装置を開発したと発表している。
NANDフラッシュメモリやロジックで、垂直方向の空間を活用する3D構造の導入が進んでいることに対応。
今後はDRAMでも採用が見込まれるという。
製造工程での歩留まり向上に役立つ。
2026年後半の発売を予定。

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年5月25日まで
アドバンテスト(6857) アドバンテスト(6857)
半導体試験装置(テスター)の世界大手。
ロジックで世界首位だが、メモリ向けでも世界シェア61%。
特にDRAM向けに強い。
2027年3月期の営業利益は前期比27%増の6,275億円を計画。
メモリ向けが「HBM」の需要拡大の恩恵を受ける。

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年5月25日まで
KOKUSAI ELECTRIC(6525) KOKUSAI ELECTRIC(6525)
半導体製造における成膜装置に特化する大手。
近年では半導体デバイス構造の複雑化や、後工程でのHBMによるDRAMの3次元(積層)化によってウエハの表面が複雑な形状になっていることで、難易度の高い成膜に対する需要が高まっている。
NAND向けでも優れた処理方法を提供。
2027年3月期はNANDの世代交代投資が追い風。
営業利益は前期比30%増の545億円を計画している。

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年5月25日まで
ジャパンマテリアル(6055) ジャパンマテリアル(6055)
顧客企業の半導体工場に技術者が常駐し、特殊ガスや超純水、薬液などの管理業務サービスを包括的に提供。
最大顧客がキオクシア。
キオクシアは2025年9月に、北上工場(岩手県)の第2製造棟が稼働を開始。
キオクシアの業容拡大が恩恵になる可能性が大きい。

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年5月25日まで





