AIサーバー高性能化、電子部品企業にも恩恵 AIサーバー高性能化、電子部品企業にも恩恵

AIサーバー高性能化、電子部品企業にも恩恵

AI(人工知能)サーバーやデータセンターの需要増加で半導体製造装置や部品メーカーへの需要が増加しています。
高性能化により、積層セラミックコンデンサ(MLCC)やアルミ電解コンデンサなど電子部品企業にも恩恵が広がってきているのです。
コンデンサは電気を蓄え・放出したり、電気の流れを整えたりして電流を制御する電子部品です。
MLCCはセラミック製の誘電体層と金属の電極層を相互に何層も積み重ねた構造をしています。
小型ながら大容量を実現できます。
スマートフォンなどの性能向上に貢献していますが、近年ではデータセンターをはじめとしたAIサーバー向けの需要が増加しています。
サーバーはデータセンターなどで稼働する高性能コンピューターのことです。
AIの学習や出力に必要な膨大な計算処理をこなし、いわば「頭脳」の役割を担います。
MLCCは時代とともに需要先が変わってきています。
2000年ごろのパソコン向けの基板は0.1ミリメートル未満だったため、MLCCもより薄くなるのがトレンドで、静電容量は1μF(マイクロファラド)だったといいます。
μFは静電容量の単位で、コンデンサの容量を示す指標です。
スマートフォンでも同様の傾向がありました。
一方、2022年に生成AIの「ChatGPT」が登場して以降は、AIサーバーをはじめとした高度な情報処理能力を持つ機器には消費電力が極めて大きいIC(半導体チップ)が搭載されています。
MLCCの高さも1ミリメートル程度でも内蔵可能になり、静電容量も大容量化が求められるようになりました。
現在では100μFまで進んでいます。
一方、電気を蓄えたり放出したりする電子部品であるアルミ電解コンデンサの高性能化も進んでいます。
アルミ電解コンデンサは2枚のアルミ箔の間に電解液を含んだセパレータを挟み、円筒状に巻いた構造をしています。
アルミ箔の表面には電気化学処理によって微細な凸凹が形成され、これによって表面積が拡大し、大きな静電容量が得られます。
大電力を長時間供給する前提のサーバー電源では、出力を安定させる用途での需要が増加しているようです。

関連銘柄をピックアップします。

村田製作所(6981) 村田製作所(6981)
電子部品の世界大手。
積層セラミックコンデンサ(MLCC)では世界シェア約40%のトップメーカー。
特にカッティングエッジ(最新鋭)MLCCには引き合いが強い。
MLCCもサーバーの高性能化とともに、小型化・大容量化が進んでいる。
同社では2月にスモールミーティングを開催したが、出席したアナリストによれば小型大容量MLCCについて、定量的に捉えられないくらい膨大な需要要求があると説明したという。
一方、MLCCと合わせ、AIサーバー向けの電源モジュールの量産を2026年度内に開始すると報じられている。

村田製作所(6981)の株価チャート(週足)

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年3月19日まで

太陽誘電(6976) 太陽誘電(6976)
MLCCの世界大手。
2025年12月に2012サイズ(2.0×1.25ミリメートル)で静電容量100μF(マイクロファラド)を実現した基板内蔵型のMLCCを世界で初めて商品化し、量産を開始したと発表している。
AIサーバーをはじめとした情報機器に使用される。
ICなどの電源ラインに、動作に必要な電気を供給するとともに、ノイズなどを除去できるMLCC。

太陽誘電(6976)の株価チャート(週足)

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年3月19日まで

京セラ(6971) 京セラ(6971)
電子部品大手。
高純度誘導体セラミックスを原材料とした高性能、高品質のMLCCを供給。
2025年3月に1005サイズ(1.0ミリメートル×0.5ミリメートル)で業界最高(当時)の静電容量47μFの小型大容量MLCCの開発に成功したと発表。
誘電体や内部電極のさらなる薄層化を実現したことで、同サイズ1個当たりの容量を同社従来品(22μF)に比べ約2.1倍になるという。
耐熱性も高く、AIサーバーなどの過酷な温度環境下における高信頼性を実現したという。

京セラ(6971)の株価チャート(週足)

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年3月19日まで

TDK(6762) TDK(6762)
2025年6月にMLCCで電気を蓄える性能を10倍に高めた製品を開発し、量産を始めたと発表している。
同等の性能が出せる従来品に比べ基板での実装面積が半減し、機器の小型化につながる。
AIサーバー向けなどに販売する。同社はアルミ電解コンデンサも手掛けている。

TDK(6762)の株価チャート(週足)

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年3月19日まで

日本ケミコン(6997) 日本ケミコン(6997)
アルミ電解コンデンサで世界シェア首位。
サーバー向けに使用されるアルミ電解コンデンサの高機能化を進めている。
一方、コンデンサ以外でも高効率なサーバー冷却手法である液浸冷却に対応した製品の開発に業界で初めて成功。
データセンターで使われるサーバーは、GPUの高性能化もあり、消費電力がケタ違いに多い。
サーバーユニットの発熱が問題となりデータセンターでの冷却用空調電力需要も増加している。

日本ケミコン(6997)の株価チャート(週足)

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年3月19日まで

ニチコン(6996) ニチコン(6996)
アルミ電解コンデンサの大手。
AIサーバーやデータセンター用途で導電性高分子アルミ固体電解コンデンサやハイブリッドアルミ電解コンデンサ、大型アルミ電解コンデンサの受注が拡大傾向。
AIサーバー向けのほか、マザーボード、GPUモジュール向け用途なども手掛ける。
AIサーバー電源用アルミ電解コンデンサでは大容量化・大電流に対応した製品を強化している。

ニチコン(6996)の株価チャート(週足)

三菱UFJ eスマート証券のチャートツールEVERチャートで作成
週足表示、2026年3月19日まで

和島英樹

経済ジャーナリスト。

日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年ラジオNIKKEIに入社。
東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。
2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。
ラジオNIKKEI担当番組に「マーケット・プレス」など。
四季報オンライン、週刊エコノミストなどへ寄稿多数。
国際認定テクニカルアナリスト(CFTe)。
日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

最短10分で申込み完了!
無料口座開設はこちら

ページの先頭へ戻る