銅価格の上昇基調が続いています。
ロンドン金属取引所(LME)の銅3か月先物は今年に入って1トン=1万3,000ドルに接近する場面がありました。
約9か月間でおよそ5割の上昇となっています。
銅(copper=カッパー)はいろいろなものに使われ、価格が景気の動向を反映するとされ、「ドクター・カッパー」(景気の先行きを診断する銅)ともいわれてきました。
すなわち、世界景気の拡大基調では価格が上昇し、低迷期には価格も低下する傾向があるとされています。
中国の経済低迷にもかかわらず上昇基調が続いていますので、従来の見方が当てはまりにくくなっているようです。
銅価格上昇の要因は大きく分けて2つあります。
供給面では2025年9月に米鉱山大手のフリーポート・マクモランが運営するインドネシアのグラスバーグ金・銅鉱山で、事故が発生したことです。
坑内に泥が流入して7人の作業員が死亡しました。
事故を受けて操業を停止したことで、需給逼迫懸念が出ているのです。
グラスバーグ鉱山は世界2位の銅鉱山だけに影響は大きいようです。
報道によれば、2026年7月までに操業が再開される見込みですが、フル稼働までには時間がかかる可能性があるとのことです。
また、2026年以降は大型の銅鉱山の開発が予定されていない模様です。
一方、需要面も拡大基調にあります。
銅はAI(人工知能)の普及で拡大するデータセンターの配線材料などに不可欠となっています。
従来型のデータセンターで5,000~1万5,000トンの銅が使われていましたが、米の報道によればAI運用のための超大規模データセンターでは1施設あたり最大5万トンの銅が必要になる可能性があるそうです。
銅の需給は引き締まった状態が継続する可能性が高そうです。
関連銘柄をピックアップします。
日鉄鉱業(1515) 日鉄鉱業(1515)
銅精鉱、電気銅が主力。
チリ銅山など海外での採鉱を拡大している。
会社のウェブサイトによると、チリのアタカマ銅鉱山は2003年に操業を開始し、20年以上を経過して現在でも銅鉱石を安定的に生産・供給している。
当初の操業期間は約11年の予定だったが、想定を超える操業を可能にしたのは鉱山周辺を探鉱することで鉱量の増加に努めているためという。
チリのアルケロス、フィジーのナモシなどでも銅鉱山の開発計画が進展している。

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JX金属(5016) JX金属(5016)
半導体材料、情報通信材料の製造販売が主力。
資源開発、金属の製錬、リサイクルにも展開している。
南米チリのカセロネス銅鉱山では2013年から銅地金の生産を、2014年からは銅精鉱の生産を行っている。
加えてAIサーバー向けなどの低消費電力・高速化に必要な半導体スパッタリングターゲット材料が業績をけん引。
データセンター向けの記憶媒体HDDに使われる磁性ターゲット材料も手掛けている。

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三井金属(5706) 三井金属(5706)
非鉄金属の大手。
銅箔では世界首位級。
両面平滑銅箔「VSP」がAIサーバー・スイッチ向けを軸に伝送損失低減などのニーズが拡大。
データセンター内の通信機器に組み込まれるVSPは世界シェア8割。
また、キャリア付き極薄銅箔「マイクロシン」は半導体パッケージ基板の微細な回路形成用に引き合いが活発。
これら特殊銅箔について、2030年度の利益を2025年度比で約2倍にする計画を発表している。

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三菱マテリアル(5711) 三菱マテリアル(5711)
非鉄で総合首位級。
銅加工、鉱山出資、電子材料など多面展開。
銅加工事業では同社が製造した型銅を、伸銅品に加工し供給している。
また、東南アジアや中国を始め、欧米など世界的な製造・販売ネットワークを有している。

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住友金属鉱山(5713) 住友金属鉱山(5713)
非鉄では資源、製錬、材料の3事業で展開し、資源確保から高機能材料の提供まで行う。
金やニッケルに強いが、銅では精鉱や電気銅も手掛ける。
銅鉱山の権益も多数。
2025年5月には資源メジャーである英リオティントからオーストラリアのウィヌ銅・金プロジェクトの権益30%を取得することで契約合意したと発表している。

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DOWAホールディングス(5714) DOWAホールディングス(5714)
銅や亜鉛などの製錬を軸に、リサイクル、電子材料、金属加工などに展開。
金属リサイクルでは家電製品、自動車・電子部品スクラップから、金、銀、銅などの有価金属を回収し、製品として再度市場に供給する。
いわゆる「都市鉱山」だ。
同社のエコシステムはリサイクル原料の種類や形態に応じて、適切な処理を提案する。

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アサカ理研(5724) アサカ理研(5724)
独自技術を使い、電子部品などからの貴金属回収・製錬、精密部品の洗浄などに展開。
回収などを行う貴金属事業が売上高の大半を占める。
独自の溶媒抽出法により、低品位スクラップからでも有価金属を回収できる点が強み。

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