執筆者:カブヨム編集部
「NISA口座を今の開設先から別の金融機関に変更したいけれど、そもそも変更は可能なのか」「進め方や注意点は?」と疑問を持つ方は少なくありません。手数料の安さ、アプリの使いやすさ、取扱商品の充実度など、見直しの動機はさまざまです。NISA口座の金融機関を変えることはできますが、年1回までといった制約や、手続きタイミングなど事前に押さえたいポイントがあります。
本記事では、NISA口座の金融機関変更の基本から、メリット・デメリット、注意点などをわかりやすく解説していきます。
NISA口座の金融機関を変更することはできる?
NISA口座は開設先の金融機関を変更することが可能です。ただし、ひとりにつき開設先は1社のみ、変更は年に1回までに限られます。そのため、どの金融機関で開設するかは慎重に選ぶ必要があります。
また、課税口座とは異なり、NISAで保有している商品は他社へ移すことはできません。したがって、NISA口座を金融機関変更する場合、現行口座の保有商品は以下のいずれかで対応いただく必要があります。
- 売却して新しいNISA口座で再購入する
- 現行のNISA口座に残し、変更前の金融機関で管理を継続する
金融機関変更ができるタイミングは?
NISA口座の金融機関変更は、年1回までです。例えば、2026年にA証券会社でNISA口座を開設している場合、その年にNISA口座で一度でも買付していると、同年中に別の金融機関へ変更することはできません。手続き自体は年内に進められますが、新しい開設先で取引できるのは翌年からとなります。
そのため、NISA口座の金融機関変更を検討する際は、年初の買付前に手続きを進めることが重要です。

NISA口座を金融機関変更するメリット・デメリット
メリット
NISA口座を金融機関変更すると、次のようなメリットがあります。
- 取引コストの低減が見込める
NISAの取引手数料は金融機関ごとに異なるため、金融機関変更によって取引コストを下げられる可能性があります。あわせて投資信託の信託報酬も銘柄ごとに差があるため、低コスト銘柄を多く扱う金融機関を選ぶことで、ポートフォリオ全体のコストを抑えやすくなります。わずかなコスト差でも長期では影響が大きくなるため、手数料体系の比較は重要です。
- 商品ラインアップが広がる場合がある
NISA口座で投資可能な商品は、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」でそれぞれ定められています。
つみたて投資枠は、金融庁の基準を満たす投資信託が対象で、成長投資枠は投資信託に加えて上場株式などから幅広く選べます。実際の取扱商品は金融機関により異なるため、金融機関変更によって商品ラインアップが拡充される場合があります。金融機関変更をする前に、各社のNISA口座での取扱商品ラインアップを比較し、ご自身が投資したい商品が対象になっているかを確認しましょう。
- ポイント還元などの特典を受けられる場合がある
投資信託の保有でポイントがたまるサービスや、クレカ積立でポイントが獲得できるといったサービスは、各金融機関によって内容・条件が異なります。資産形成とあわせてポイント還元も重視される方は、各社のサービス内容や還元率・適用条件を比較検討することが重要です。
上記のほかにも、NISA口座の金融機関を変更することで、各社固有のサービスや特典を利用できるようになります。まずは現行NISA口座の見直したいポイントを整理し、そのうえで最適な変更先を検討するのが良いでしょう。
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デメリット
メリットがある一方で、デメリットもあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
- 手続きに時間がかかる
NISA口座の金融機関変更をする際、手続き完了までに約1か月かかることもあります。
変更前の金融機関での手続き・変更後の金融機関での開設手続き、税務署による確認などのプロセスが必要なためです。手続き中は、新しい口座での買付ができないため、投資のタイミングを逃すリスクがある点にも注意が必要です。
- 資産が分散し、管理が煩雑になる
金融機関を変更して、既存の保有商品を変更前の金融機関に残した場合、新しい金融機関で新規買付を行うことになり、管理が二重化します。
資産配分や損益の全体把握に手間がかかる点は、あらかじめデメリットとして認識しておきましょう。
金融機関変更の手続きの流れ
具体的な手続きは各社で異なりますが、全体像は概ね次のとおりです。
- 新しい金融機関を決める
- 現在NISA口座を開設している金融機関へ金融機関変更の申請書類を取り寄せ・提出
- 新しい金融機関でNISA口座開設申し込み・書類提出
- NISA口座の金融機関変更完了
NISA口座を金融機関変更する前に確認したいポイント
NISA口座の金融機関変更で失敗を避けるため、事前に以下のポイントを確認・整理しておきましょう。
商品・サービスの充実度
- 買いたい投資信託が新しい金融機関のNISA口座で取引可能か
- 積立設定(頻度、増額、ボーナス設定等)の自由度は十分か
- ポイントサービスや定期売却サービスの有無は自分のライフプランと合っているか
手数料体系
- NISA口座にかかる取引手数料
- 為替コスト
ツール・サポート体制などの充実度
- アプリの使いやすさ
- サポート体制
- セキュリティ(二段階認証・パスキー認証など)
NISA口座の金融機関変更に関するよくあるご質問
Q1. 金融機関を変えると非課税枠はどうなりますか?
生涯の非課税保有限度額は一人あたり最大1,800万円(うち成長投資枠は最大1,200万円)です。変更前後の利用分を合算しても、この上限を超えることはできません。
利用状況は各社の画面等で確認できます。なお、成長投資枠を利用しない場合は、つみたて投資枠のみで1,800万円まで利用できます。
Q2. 金融機関の変更後、現行のNISA口座での保有商品はどうなりますか?
変更後も、現行のNISA口座に残る保有商品は変更前の金融機関で非課税のまま運用を継続できます(新規の買付は不可、売却は可)。
また、いったん当該商品を売却し、変更後の金融機関で再購入することも可能です。
Q3. 手続き完了までにかかる時間はどのくらいですか?
NISA口座の金融機関変更は、書類のやり取りや税務署の確認が必要なため、手続き完了まで約1カ月程度かかる場合があります。状況によっては想定以上に時間がかかる場合もあるため、余裕をもってお申し込みいただくことをおすすめします。
まとめ
NISA口座の金融機関変更は年1回まで可能ですが、既存の保有商品を新しい金融機関へ移管することはできません。また手続きには、申請から完了まで約1カ月を要するため、早めの準備をおすすめします。まずは現行のNISA口座の見直したい点を洗い出し、手数料体系、商品ラインアップの充実度、アプリの使いやすさ、ポイント還元の条件などを他社と比較してみましょう。
これらステップを踏まえ、自分に最適な金融機関を選び、NISA口座を賢く活用していきましょう。




