まずは外国証券口座の開設が必要
将来への資産形成として、全世界株式(オール・カントリー)や、米国株式(S&P500)の投資信託を購入する方が多くいらっしゃるようです。
もし、長期的に見てアメリカ経済が成長すると考えているのであれば、米国の個別株式を購入するのもよいかもしれません。実は、日本に住んでいてもアメリカの市場で個別の株式を取引することができます。
取引の手順をご説明しましょう。
まずは口座開設です。すでに日本株式の売買をされている方でも、「外国証券口座」の開設が必要となります。ネット証券では、WEB上で「外国証券口座開設」の手続きを行うと、外国証券口座の利用が可能となります。auカブコム証券では口座の管理料なども必要ありませんので、とりあえず口座開設をしておいてもよいでしょう。
次に決済方法を決めます。決済方法は大きく分けて円貨決済・外貨決済の二種類があります。
- 円貨決済:円預り資金から購入時の為替レート(為替手数料を含む)で自動的に外貨に切り替えて決済する方法のこと。
- 外貨決済:自分でレートを見てあらかじめ外貨の預り金(もしくは米ドルMMF※1)を用意しておき、ドルで決済する方法のこと。
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そしていよいよ注文です。米国株式取引の場合、日本で言うところの証券コードにあたる「ティッカーシンボル」で銘柄を指定し、必要な情報の入力を行って注文を進めます。
<必要な情報>
- 売り・買い
- 数量(1株から取引可能)
- 指値(ドル指定)
- 口座区分(NISA取扱いは金融機関によります)
- 決済方法(円貨決済/外貨決済)
- 注文期限
<米国株式の取引ができるまでの流れ>
日本と違う、米国株式取引時の注意点
注文の出し方については日本株式とそれほど違いはないのですが、時差があるため、立会時間(市場が開いている時間)が日本における夜の時間帯となります。
また、米国にはサマータイムがある(※)ため、3月第2日曜から11月第1日曜までの期間は立会時間が1時間前倒しになります。サマータイム切替当日に、前日と同じように立会終了間際で注文を出そうとしたら、市場は1時間前に終わっていた…ということになりますので、注意が必要です。
金融機関によっては、取引時間以外でも注文受付してくれる場合もあります。auカブコム証券の場合は、日本時間16時から注文受付時間が始まります。
<auカブコム証券 米国株式の注文受付・取引時間>
▽標準時間
▽サマータイム
また、米国の祝日は、米国株式市場は休場となります。逆に日本の祝祭日でも米国の営業日であれば取引が可能なため、その間に株価が大きく動いてしまうこともあります。その他、GWや年末年始などは金融機関によって取引ができない場合もありますので、取引金融機関のHPで確認してください。
<2024年米国株式市場の休日>
日本にいると日本の休日や時間帯で行動していますから、米国で大きな変化が起こったときに対応が遅れてしまう可能性もあります。立会時間外に注文を出しておくことはできても、市場が開いて取引が始まったときに価格が大きく動くことが考えられます。
また、米国市場は日本と違って値幅制限がありませんので、注文の際にはなるべく指値注文をしておくとよいでしょう。あらかじめ損切りする価格で指値をしておく(※)ことで、損失拡大を防ぐリスク管理が可能ですので、ぜひ指値注文を検討してみてください。
※auカブコム証券の場合、指値注文は最長3週間有効です。期間を超過して指値注文を出しておきたい場合、再度ご注文ください。