長期投資?スイングトレード?株式投資における4つの取引手法を解説 長期投資?スイングトレード?株式投資における4つの取引手法を解説

長期投資?スイングトレード?株式投資における4つの取引手法を解説

株式投資の4つの取引手法

投資を始めたばかりの方の中には「デイトレーダーのように一日中パソコンに張り付くことができたら、もっと効率よく利益が得られるかもしれないのに」と考える方もいるかもしれません。しかし、投資にあまり時間をさくことはできないという方も多いのではないでしょうか。

株式投資はデイトレードだからといって、効率よく利益を得られるとは限りません。

株式投資の取引手法の概要とそれぞれのメリット・デメリットを知り、自分にあった取引手法を選ぶことが投資を成功させるための大切な一歩です。

株式投資の取引手法には、以下の4つがあり、手法によって売買頻度や精神的負担は異なります。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、自らのライフスタイルや投資に使える時間、性格などと照らし合わせて、自分にあった手法を選んでみましょう。

<株式投資の取引手法の概要>


株式投資の取引手法の概要

※画像は筆者作成

長期投資~複利の力を味方につける~

長期投資とは、企業の将来的な成長や安定した配当を目的として、数年から数十年にわたって銘柄を保有し続ける取引手法です。

長期投資のメリット

長期投資は、比較的手間がかからないのが大きなメリットです。一日中パソコンの前で株価の変動に一喜一憂する必要がなく、精神的な負担は少ないでしょう。
また、長期にわたり保有することで配当金や値上がり益が得られれば、その利益を再投資に回すことも可能です。少額ずつ積み立てていく積立投資も長期投資のひとつであり、利益が利益を生む複利効果で効率的に資産形成できる可能性が高まります。

長期投資のデメリット

投資資金が長期間拘束される点がデメリットです。もちろん長期投資だからといって、保有株式の売却が禁止されるわけではありません。ですが、途中で売却してしまうと、長期投資の目的である企業の将来的な成長や、配当金の恩恵を享受できる可能性が小さくなりかねません。また、主に下落局面などで売却できずに迷っているうちに、ほかの投資機会を逃すという可能性もあります。
長期投資を成功させるためには、投資に際して企業の将来性などを深く調査分析する姿勢が求められます。

スイングトレード~トレンドの波をうまくつかむ~

スイングトレードとは、主にチャートを用いたテクニカル分析をもとに、数日~数週間程度で売買を完結させる手法です。短期のトレンド(株価が上昇・下落する傾向)を見極めて利益をねらいます。長期投資と短期投資の中間的な手法であり、投資に使える時間が少ない方にとっても比較的取り組みやすいといえます。

スイングトレードのメリット

スイングトレードは、長期投資に比べて投資資金の回転効率が高くなりやすいのがメリットといえます。長くても数週間で売買を完結させる手法であるため、投資資金を次の銘柄に振り向けやすいメリットがあります。数日~数週間程度の短期のトレンドを見極めていくため、一日中パソコンに張り付いて株価をチェックする必要はありません。

スイングトレードのデメリット

チャートの動きから短期のトレンドを見極める必要があるため、テクニカル分析の知識を習得する手間と時間が必要です。また予期せぬニュースによって、株価が急変する場合にあおりを受けやすい可能性もあります。チャートの動きやトレンドを過信せず、売買のタイミングを状況に応じて柔軟に変更する気持ちの余裕も必要です。

デイトレード~その日の株はその日のうちに~

デイトレードとは、購入した株をその日のうちに売却し、翌日に持ち越さない取引手法です。細かな値動きをとらえて、利益を積み重ねていきます。市場で取引できる時間中、パソコンに張り付く必要があるため専業で取り組む方もいます。

デイトレードのメリット

デイトレードは取引を翌日以降に持ち越さない手法であるため、市場で取引できる時間外(夜間や土日など)に予期せぬニュースが発生して損失を被るリスクは原則回避できます。また、取引機会が多い相場では資金を次の取引に回しやすく、うまく好機を捉え続けられれば短期間で利益が増える場合もあります。

デイトレードのデメリット

市場で取引できる時間中値動きを意識していなくてはならず、多くの時間を投資に使う必要があるほか、細かな値動きをとらえて瞬時に判断する集中力が求められます。
また、大きくリターンを狙える可能性があるということは、リスクも大きいということです。判断を誤ったときには大きな損失が生じる可能性もあり、精神的な負担や疲労が大きいのはデメリットです。
また、売買回数が多いことによる手数料増加などの影響で、期待収益が目減りする可能性は考慮が必要です。

スキャルピング~反射神経で勝負する~

スキャルピングとは、主にFX取引でよく使われる手法ですが、株式投資でも使う方もいます。数秒から数分という超短期スパンでタイミングを見極めて売買を繰り返し、わずかな値幅利益を積み重ねる手法です。

スキャルピングのメリット

保有時間が極めて短いために、保有銘柄に関するニュースの発表などの影響を受けた大きな値動きには比較的巻き込まれにくいといえます(ただし、取引時間中の突発的な材料や板が薄い場面での急変には注意が必要です)。わずかな値動きによる利益を積み重ねるため、利益を大きく狙う場合に比べれば取引のチャンスは比較的多いでしょう。

スキャルピングのデメリット

この手法で利益を積み重ねるためには、市場の動きからタイミングを見極めて即行動する必要があるため、長時間パソコンに張り付く集中力と反射的な判断力が求められます。
また、売買回数が多いことによる手数料増加などの影響で、期待収益が目減りする可能性もあります。

取引手法はどうやって選んだらよいの?選び方をタイプ別に解説します!

これら4つの取引手法の中から、「投資に使える時間」「リスク許容度」を考慮したうえで、自らの「性格」にあった手法を選んでみましょう。

投資に使える時間から選ぶ

投資に使えるまとまった時間があるのであれば、デイトレードやスキャルピングも選択肢に入ります。ただし、いくらまとまった時間があっても集中力がない方には向いていません。
反対に、日中は本業が忙しく、夜間しか投資に使える時間がないという方であれば、長期投資やスイングトレードが適しているでしょう。

リスク許容度から判断する

損失をいくらまでなら受け入れられるかという心や資金の余裕によって、自分にあった取引手法は異なります。
例えば、値動きがあるたびに一喜一憂してしまうほど心や資金の余裕がない方には、長期投資が適しています。コツコツ少額から始められますし、じっくりと企業の成長性などを調査分析したうえで、数年~数十年保有して資産増加を目指していくので精神的負担も少ないでしょう。
大きな損失は避けたいが、ある程度のリスクなら許容できるという方であれば、スイングトレードも選択肢に入ります。

投資に使える時間やリスク許容度をあわせて考えると、下表のような性格のタイプ別に、適した取引手法が見えてきます。
投資を始めたばかりで慎重に投資をしたい方には長期投資が適していますし、リスクをとりながらも即断即決で投資をしたい方にはデイトレードなどが適しています。そして、その中間が、スイングトレードです。

<性格のタイプ別で選ぶ取引手法>


性格のタイプ別で選ぶ取引手法

※画像は筆者作成

自分に最適なスタイルを見つけてみよう

今回ご紹介した株式投資の4つの手法は、それぞれにメリット・デメリットがあります。どの方法が最適であるかは、人それぞれです。時間をかけて育てたいのか、波にのってゆるやかに楽しみたいのか、それとも激流を乗りこなしたいのか、自分自身がどのように投資とつきあっていきたいのかを考えてみましょう。

ご紹介した取引手法の中でも、スイングトレードは分析の楽しみもありますし、時間のバランスを取りやすいという点で、忙しい方でも比較的取り組みやすい投資手法です。コツコツ投資の次の一手を考えてみたいという方は、スイングトレードに挑戦するために、テクニカル分析の勉強から始めてみてはいかがでしょうか。

≫関連ページ:テクニカル分析ABC

キムラミキ

キムラミキ

ファイナンシャルプランナー 社会福祉士

日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けする他、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。
また、ライフワークとして障がい児・者の親なき後の経済準備についての啓発活動を行う上での課題研究を行うため、放課後等デイサービスや学習に困り感のある子供の学習支援教室にて、障がいのある子供たちの学習支援にも取り組んでいる。

株式会社ラフデッサンHP
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