2019年11月5日稼働予定!東証現物売買システム「arrowhead」バージョンアップによる売買制度改善の変更ポイント
東証は情報技術の進展やアルゴリズム取引の普及等による証券市場の環境変化や高度化・多様化するユーザーのニーズに対応すべく、arrowhead(相場報道システム及びToSTNeTシステムを含む)をバージョンアップします(2019年11月5日稼働予定)。 https://www.jpx.co.jp/systems/equities-trading/01.html それに伴い、2点の売買制度の改善があります。
売買制度の改善①連続約定気配の改善
急激な株価変動を抑止します。急激な株価の変動を抑制するために、連続約定気配(連気)について、監視時間(60秒間) が経過するまでの間は、一定の値幅(気配の更新値幅の2倍)を超過して値動きしない方式 に見直します。
【改善に伴うメリット・デメリット】
この変更により売り崩しや買い上がりといった投機的な売買が抑制される可能性があります。また、投資家の方にとっては短時間での急激な株価の変動が抑えられるため、より公正な値段での取引が可能になることが想定されます。
一方で取引時間中の決算発表等で急激に株価が変動するタイミングに投資機会を得ていた投資家の方にとっては売買成立に時間がかかる可能性もあるかもしれません。
売買制度の改善②終値成立機会の向上
大引けで約定しないケースを減らします。引けの売買ニーズが高い状況において終値約定を成立しやすくするために、大引けに限り更新値幅を2倍に拡大します。
【改善に伴うメリット・デメリット】
近年増加している株価指数に連動する運用を目指している投資信託や投資家は取引終了時に注文を出す傾向があります。取引終了時の株価の変動が大きくなっているため、株価変動の許容範囲を広げて取引を成立しやすくすることが目的です。
現行のシステムでは大引け時約定可能値幅は『ザラバ最終値段の±更新値幅』でした。この値幅を拡大し『ザラバ最終値段の±更新値幅×2』となります。
この変更により、投資家の方にとっては大引けでの注文が約定し易くなる可能性があります。
一方でザラバ最終値段と比べて大きく乖離した終値になる可能性もあり、引成などの注文では思いがけない値段で約定する可能性も考えられます。
出典:日本取引所グループ
詳細はこちらをご確認ください。
arrwheadバージョンアップの概要(リーフレット)
売買制度の見直し内容の詳細