米国株式市場でマグニフィセント・セブンと呼ばれる銘柄群の存在感が一層高まっています。
具体的にはGAFAM(グーグル=現アルファベット、アップル、フェイスブック=現メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドットコム、マイクロソフト)と呼ばれる主要5社に、エヌビディアとテスラを加えた7銘柄のことです。
マグニフィセントとは「壮大な」、「見事な」、「素晴らしい」などの意味を持つ単語。
ちなみにマグニフィセント・セブンという名前の由来は日本映画の「荒野の7人」。
1954年公開の大ヒット日本映画「荒野の7人」(黒澤明監督作品)に対し、これをリメイクしたのが1960年に米で公開の西部劇映画「マグニフィセント・セブン」というわけです。
この点からは人気者の7銘柄ともいえるでしょうか。
マグニフィセント・セブンはS&P500構成銘柄の時価総額上位をほぼ独占している、同指数の牽引役ともいえる銘柄群です。
株価が上昇している主な理由としては、いずれもが景気に左右されにくいビジネスモデルとなっていること。安定したキャッシュフロー(現金を稼ぐ力)と、これに伴う高い財務健全性などが挙げられます。
米国のインフレ鎮静化で利上げ打ち止め感が浮上していることもハイテク株に資金が流入しやすい要因となっています。
ハイテク株は高い成長性のため、PER(株価収益率=株価÷1株利益)が高めに評価される傾向があります。
そして、この逆数である株式益利回り(1株利益÷株価)は低くなります。
株式益利回りは企業の1株利益が、その株価の何%を稼ぐかを意味します。
これと10年債利回りを比較するのが一般的で、債券の利回りが高くなれば、機関投資家などは株式よりも債券が魅力的という判断をするわけです。
利上げ打ち止めから利下げが視野に入り、一時は5%付近だった米10年債利回りは4%台前半まで低下しています。
すなわち、株式の魅力が高まってきているということになります。
2024年もマグニフィセント・セブンからは目が離せない展開となりそうです。
世界最大級のネット企業グーグルの持ち株会社。インターネット検索エンジン「Google(グーグル)」で創業。広告収入が収益柱。インフラ系のクラウド市場でも世界大手。自動運転のウェイモに投資、動画サイト大手のユーチューブなどにも展開している。生成AIを用いたチャットボット「バード」を発表。
スマートフォンのiPhoneが収益柱。時価総額で世界首位。会員制音楽・映画配信、著名投資家バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが大株主。24年にゴーグル型デバイス「ビジョン・プロ」を投入予定。
世界最大級のユーザーを抱えるSNS「フェイスブック」を運営。写真や動画の共有サイト「インスタグラム」にも展開。フェイスブックからの社名変更で、仮想空間「メタバース」に経営資源を傾注。
ネット通販で世界のリーディングカンパニー。当初は書籍専門だったが、今では家電から生活雑貨など広範囲に扱う。米以外の主要国・地域でもECを展開。
2006年からはクラウドの「AWS(アマゾン・ウェブ・サービス」を開始し、高シェアを誇る。
ドットコム・バブルだった2000年前後までは基本ソフト(OS)の「ウィンドウズ」シリーズで有名だったが、現在ではクラウドサービス「アジュール」の企業に変貌を遂げている。ゲーム機「Xbox」にも展開。23年11月に株価は上場来高値を更新。時価総額首位をアップルと争う存在に。7~9月期もクラウド関連が好調。
GPU(画像処理装置)向け半導体で世界首位級。かつてはゲーム向けが主力だったが、生成AI向けが増加しデータセンター向けが軸に成長。自動運転、ロボティクス、量子コンピュータ向けなど裾野も拡大中。時価総額が節目の1兆ドル乗せ。
世界最大級の電気自動車(EV)メーカー。生産工程を簡素化するギガキャストでも先行。急速充電器「スーパーチャージャー」の採用メーカーが拡大するなど業界をけん引。EVピックアップトラックの「サイバートラック」を投入。