日本では高配当で利回りのよい銘柄を物色する動きが継続しています。
来年1月から開始される新NISA(少額投資非課税制度)を前に、注目度がさらに高まっているようにも見えます。
連続で増配をおこなう企業には買い安心感もあるようです。
花王が34期連続で日本の上場企業でトップとなる増配をしています。
この点、資本主義先進国の米国では、長期にわたる連続増配企業がたくさんあります。
また、連続増配銘柄を指数化した「S&P配当貴族指数」なるものも存在します。
これは主要企業であるS&P500種採用銘柄のうち、25年以上連続で増配している企業で構成されています。
端的にいえば、連続増配している大型優良銘柄のパフォーマンスを測定できるインデックスとなります。
市場関係者によれば、2000年年初を100とした場合、直近のS&P500は470前後であるのに対し、S&P500配当貴族指数は約1000、つまり10倍になっているのだそうです。
米国では連続増配記録も日本に比べ格段に長期間で、カリフォルニア州が地盤の水道・電力サービスのアメリカン・ステーツ・ウォーター(AWR・非取扱い銘柄)の68年連続増配など60年を超える企業も少なくありません。
そこで今回は、連続増配の主力企業をピックアップしてみました。
66年連続増配。「P&G」ブランドで各種一般消費財の製造を手掛ける。日用品で世界首位。世界180カ国以上で展開するグローバル企業。乳児用紙おむつ「パンパース」、エアケアの「ファブリーズ」、食器用洗剤「ジョイ」などが著名。自社株買いにも積極的。
66年連続増配。世界的な化学・電気素材メーカー。様々なビジネスに展開するコングロマリット。北米・南米を中心に、アジア太平洋や欧州など世界中に展開している。日用品の「スコッチ」ブランド、粘着メモの「ポストイット」などが著名。
60年連続増配。総合ヘルスケア大手。傘下企業を通じて世界各地でヘルスケア関連製品を展開。開発・生産・販売の一貫体制。医薬品でも世界大手。絆創膏の「バンドエイド」、口腔ケアの「リステリン」などが著名。医薬品では抗がん剤「ダラザレックス」、関節リウマチ治療薬「レミケード」など。
61年連続増配。ノンアルコール飲料で世界最大級。200カ国以上の国や地域で展開している。ボトラー、小売業者を含む配送ネットワークに強みがある。社名でもある主力の「コカ・コーラ」のほか、「ファンタ」、「スプライト」など炭酸飲料で幅広いラインナップ。スポーツドリンクや果汁飲料、オーガニックにも展開。
50年連続増配。世界最大の小売りチェーンである「ウォルマート」を展開。創業当初から「エブリデー・ロープライス(毎日が安売り)」を掲げ成長。店舗数は1万店を超える。会員制量販店の「サムズ・クラブ」も手掛けている。EC大手のショッピファイと提携しオンライン事業も強化。
60年連続増配。歯磨き粉「コルゲート」が著名な日用品の大手老舗メーカー。歯磨き粉では世界首位。ハンドソープやボディウォッシュのほか、食器用洗剤などにも展開。収益の第2の柱はペット用品事業。ペット用ダイエット食品などの販売も。
48年連続増配。世界最大のファストフードチェーン「マクドナルド」を展開。世界100カ国以上で4万店を超える店舗を展開。ハンバーガーを主力する世界均一メニューが基本。ただ、各国消費者に合わせたバリエーションも。フランチャイズ比率が上昇傾向。