米国では物価のピークアウト感が出にくく、金融引き締めの長期化懸念が浮上しています。
実際、長期金利は上昇基調が続いており、さらに金利の高止まりによる景気の先行きに対する不安感で、株式市場も調整気味となっています。
こうした中、景気の影響を受けにくいバイオや医療、ヘルスケア関連企業などに関心が高まっているようです。
大手調査機関によれば「1人当たりの名目GDPが高いと、1人当たりの医療費も大きい傾向がある」とのこと。
また、年齢が高くなるほど、医療関連の支出も増えるとの見方もあり、先進国の医療費は新興国に比べて高い水準になっているそうです。
糖尿病や高血圧など生活習慣病の患者が増加することも要因とか。
国連によれば、2050年には欧州・北米では4人に1人が65歳以上になる見込み。
バイオテクノロジーや設備の進展で、がんの治療や、急性疾患の治療法なども進化しています。
米国では日本の厚生労働省に相当するFDA(米食品医薬品局)による、新薬の承認件数が増加傾向にあります。
また、人の高齢化では、ペットのヘルスケアも重要ですね。
医療などのヘルスケアに関連する企業は景気の影響を受けにくく、着実な成長が見込まれています。
今回は、その中でも収益力が相対的に高い企業やアナリストの評価が高い銘柄をピックアップします。
ライフサイエンス業界向けに情報や技術ソリューション、臨床試験サービス、営業支援・医療ソシューションなどを提供している。また、医療費請求・処方箋・電子医療記録などのデータ保護テクノロジー提供などにも展開。利益率高水準。
米国内外で心臓疾患患者向けの医療機器の開発・製造・販売を行う。心臓弁膜症治療に使われる人工心臓弁、血行動態モニタリング製品では世界トップシェアを誇る。世界100カ国以上に展開。収益力高い。
ロボット手術支援システムを販売。同分野の世界トップ企業。特許数でも首位。内視鏡手術支援ロボット「ダビンチサージカルシステム」および関連製品の販売、サポート、ロボットトレーニングの提供などを行う。好業績。
分析機器・試薬の世界的メーカー。M&Aに積極的。ライフサイエンスの研究・分析に用いる機器、試薬のほか、装置、ソフトウエア、サービスなどを提供。主要顧客は医薬・バイオ企業が軸。売上高営業利益率が高水準。
総合ヘルスケア企業。米で最大のドラッグストア。薬局大手のCVSと薬剤給付管理大手のケアマークが統合して発足。専門薬局にも展開。処方箋、パーソナルケア、美容、化粧品、疾患管理などを手掛ける。アナリストの評価高い。
世界最大の民間病院チェーン。総合病院・救急病院や精神科病院、リハビリテーション病院のほか、手術センター、クリニックの運営などを多面に展開。M&Aで業容を拡大。アナリストの評価高い。
検出・診断システム企業。獣医療関係者向けの臨床検査製品に強い。獣医向け院内検査キットや検査機器、画像診断システムなど提供。また、水質検査事業にも展開。米環境保護庁に準拠した飲料検査を提供。利益率高い。