投資の選択肢を増やす「外貨建既発債券」 投資の選択肢を増やす「外貨建既発債券」

投資の選択肢を増やす「外貨建既発債券」

既発債券なら好きなタイミングで購入できる

円安が進む中、外貨への投資に興味を持っている人もいるでしょう。外貨預金や外国株式のほか、外貨建債券への投資もその一つです。

外貨建債券は、債券の売買・利払や償還金の受け取りが外貨建てのもので、外国債券の一つです。外貨建債券以外に、発行体、発行場所のいずれかが外国のものも外国債券です。

債券は、国や企業などが投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券で、その仕組みは、国内債券も、外国債券も同じです。

債券ごとに利率や償還日(満期)などの条件が決められており、償還日には額面の金額が払い戻されます。償還日まで保有をせず、途中で売却することも可能です。

外国債券は、日本の債券に比べると金利が高いものが多いため、外貨への投資を行うのであれば選択肢に入れたいところです。しかし、新たに発行される「新発債」は、発行されるタイミングでしか購入できません。そこで、検討をしたいのが、既に発行され、市場で取引されている「既発債」です。

既発債は、流通市場で売買されているため価格は常に変動しています。償還日までの残存期間や価格、為替レートを見ながら好きなタイミングで購入できる点がメリットです。

償還日まで保有した場合は、払い戻される額面金額と購入金額との差が償還差益または差損となるため、債券発行時に決定している「利率」ではなく、償還差益や差損を踏まえた「利回り」を見て購入を検討します。

外貨建既発債券を購入する際の注意点

外債の中でも、外貨建既発債券の場合は、売買、利払や償還金の受け取りは全て外貨で行われるため下記の点にも注意が必要です。

・円貨からの買付や、売却、利払、償還時に円貨で受け取る場合は、為替レートに取引上のコストである為替スプレッドが加減されます。

・円貨と外貨を交換する際は、為替レートの影響を受けるため、購入時よりも償還時が円高になった場合は、為替差損が発生する可能性があります。

そのため、外貨建既発債券の購入を検討する際には、決済方法で外貨を選択できることも重要です。利払や償還金の受け取りを円貨ではなく外貨にしておき、タイミングを見て円貨に交換するなど、為替変動に対して柔軟に取引することができるからです。また、既に外貨や外貨建MMFを保有している場合は、その外貨を使って債券を購入することもできます。

<外貨建債券の決済方法>

外貨建債券の決済方法

※図:執筆者作成

なお、金利が上昇すると、債券の価格は下落するという特徴があります。そのため、金利上昇のタイミングでは、購入価格と額面金額の差である償還差益を得る可能性も高くなります。外貨への投資の選択肢として外貨建既発債券を検討してみてはいかがでしょうか。

秋山友美

秋山友美


湘南・藤沢・茅ヶ崎の家計コーチ代表。
2005年よりファイナンシャルプランナーとしての活動を開始。
湘南に相談室を構え、20代から80代までの幅広い世帯に家計のアドバイスをおこなう。特に子育て世帯からの相談が多く、コーチングスキルも活かして女性の働き方や子育てなど総合的に相談にも乗っている。
家計相談、住宅購入相談、教育資金プランニング、退職後の人生設計、資産形成、保険見直しなど地域密着型の情報提供、アドバイスをしている。
男女共同参画センターや市町村主催の講座依頼が多数あり、家計管理やライフプラン、人生100年時代の資産形成、キャッシュレス決済などのテーマで講師としても活動中。また、地域情報誌にて「家計簿コーチング」連載中。

<保有資格>
CFP®(日本FP協会認定)(財)生涯学習開発財団認定コーチ
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)

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