金利が上がると、株価はどう動くの?アメリカの利上げが日本に与える影響は? 金利が上がると、株価はどう動くの?アメリカの利上げが日本に与える影響は?

金利が上がると、株価はどう動くの?アメリカの利上げが日本に与える影響は?

アメリカが利上げをすると、日経平均への影響は?

連邦公開市場委員会(FOMC)は6月、7月、9月と3連続で0.75%と異例の利上げ (政策金利の引き上げ)に踏み切りました。その発表を受けて、日経平均株価は下落。この一連の流れを見て、金利が上がることは、「株価に良い影響があるの? それとも悪い影響があるの?」と、疑問に感じた方もいらっしゃるかもしれません。この機会に、金利と株価の関係について、考えてみたいと思います。

利上げとは?金利と株価の関係性は?

各国中央銀行が行う政策金利引き上げのことを「利上げ」と呼びます。
一般的に、利上げは「景気の良い時期」に実施される傾向があります。景気が良い時、企業は業績向上のために、積極的に設備投資などを行います。そのため資金調達の需要が高まり、金利が上がります。「景気が良い時期」だから、消費者の購買意欲も高い状態です。そのため企業の業績向上に対して、市場の期待が高まり、株を買いたいと考える人が多くなり、株価は上昇傾向になります。つまり、「景気の良い時期」には株価も金利も上がっていくことになります。しかし、金利が上がりすぎると、企業は資金調達が難しくなるため、設備投資などを抑えるようになります。その結果、企業の業績向上が見込めなくなり、株価は下落するというのが一般的な考え方です。

<金利と株価の関係性>

今回のアメリカの利上げの目的は?なにが起こった?

しかし、ご存知のように、現在は「景気の良い時期」とはいえません。それなのに、なぜ、アメリカは利上げ方針を発表したのでしょうか。

その目的はインフレ抑制です。新型コロナウイルスの影響で人手不足や物流の停滞といった供給制約で、世界各地でモノ不足が起き、一時的に物価の上昇(インフレ)要因となっていると見られています。それを正常化させるために、今回の利上げ方針に至ったのです。

アメリカが利上げを段階的に行ったことで、円安ドル高が進みました。
投資家はより金利の高い国の国債を購入したり、金利の高い国へ預金したりする傾向があります。そのため、利上げによって二国間の金利差が広がると、金利が高い国の資金需要が高まり、結果として、利上げした国の通貨高になることが多いのです。
また、利上げすると、借入の支払利息が増えて企業の減収につながるとともに、企業は新規借入を控えるようになります。その結果、企業の業績に悪影響が出て、株価は下落する傾向にあります。

そのため、アメリカの利上げに伴いアメリカの株価も下落傾向にあります。
アメリカ株またはアメリカ株に投資している投資信託を保有している方は、今後の動きを注視しておきましょう。また、インフレに伴い、日本でも長期金利が上昇傾向にはありますが、日銀の金融緩和政策は今のところ変化の様子が見られないため、日本株においては金利の影響を大きく受けない可能性が高いという見方が多いようです。金融政策や金利の動きも株価に影響を及ぼすことを知った上で経済動向を眺めてみると、より投資の面白さが感じられるかもしれませんね。

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キムラミキ

キムラミキ

ファイナンシャルプランナー 社会福祉士

日本社会事業大学で社会福祉を学んだ後、外資系保険会社、マンションディベロッパーに在籍後、FPとして独立。現在は、株式会社ラフデッサン 代表取締役として、個人向けライフプラン相談、中小企業の顧問業務をお受けする他、コラム執筆、セミナー講師、山陰放送ラジオパーソナリティとしても活躍中。

また、ライフワークとして障がい児・者の親なき後の経済準備についての啓発活動を行う上での課題研究を行うため、放課後等デイサービスや学習に困り感のある子供の学習支援教室にて、障がいのある子供たちの学習支援にも取り組んでいる。

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