優先株とは?
普段、一般的に私たちが売買しているのは、株主の権利について何ら制限のない「普通株」というものです。
これに対し、株主の権利内容について特別な条件をつけた株式もあり、その代表的なものに「優先株」があります。
「優先株」は、「普通株」に比べて配当金を割増で受けられたり、会社が解散したときに残った財産を優先的に受け取れるなど、投資家にとって権利内容が優先的になっている株式のことをいいます。
<企業における優先株の位置>
高配当が期待できる米国優先株式ETF
日本の株式市場ではほとんど知られていない優先株ですが、この優先株は海外市場ではよく目にします。
優先株は株主の議決権をなくし、債務や配当に対する優先権を与えるものです。では、企業はなぜこのような普通株とは違う種類の株式を発行するのでしょうか。
経営陣には、株式の発行によって資金を調達したいという思いがあるでしょう。しかし、普通株の場合、会社の株式を大量に保有している大株主であれば、会社の経営方針に影響を与えることも可能です。
この点、優先株であれば、経営陣側は資金調達をしながらも、株主の経営に対する影響を抑えることができます。投資家にとっても、議決権よりも配当重視であれば、魅力的な投資方法になります。
では、日本に居ながら米国株で、優先株を使った運用はできるのでしょうか?
活用したいのが、優先株を多く組み入れたETFです。代表的なものとして、iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF(PFF)と、グローバル X 米国優先証券ETF(PFFD)があります。
<優先株を多く含んだETFの例>
この成績を見てわかるように、優先株を多く組み入れたものは、トータルリターンよりも、分配金利回りの高さに魅力があることがわかります。
なお、この2つのETF、PFFとPFFDを比較すると、トータルリターンや分配金利回り、経費率はPFFDの方が上回っています。
ただし、商品選びの際には純資産総額にも着目しましょうPFFはPFFDの7倍以上の純資産があります。純資産が少ないと、運用会社は満足のいくポートフォリオが組めなくなることもあります。このようなリスクを抑えるためには、総資産総額が大き目であるPFFの方が無難です。
分配金重視で長期投資をしたいという方には、この優先株を投資対象としたETFの活用も検討されてはいかがでしょうか。