米国を始め欧米主要国ではインフレーション(物価の継続的な上昇)懸念が高まっており、相次いで政策金利の引き上げを実施する状況にあります。
新型コロナ禍からの経済回復で経済が活性化し、消費が盛り上がりつつある中で、ロシアによるウクライナ侵攻で原油や天然ガスなどの資源価格急騰が拍車をかけている格好です。
米国では9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75%の利上げを実施しましたが、異例ともいえる0.75%利上げは3回連続。
政策金利の影響を受けやすい2年物国債の利回りは4%乗せと上昇。
先に発表された消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、次回11月のFOMCでも0.75%の利上げが確実視されています。
一方で株式市場は過度な金融引き締めが、消費減速など、いずれ景気の腰を折ってしまうのではないかと懸念して下落基調となっています。
景気が悪化すれば良好な企業業績の悪化が想定されます。
米国ではドル高が進み、輸出企業にもダメージがあるとの見方もあります。
そこで今回は、景気の影響を比較的受けにくいとされる公益事業を展開する企業を取り上げます。
電力やガスは景気が悪化したり、価格が上昇したりしても日常の生活に必要不可欠であり、安定的な利用が見込めます。
景気が拡大基調の時には業績拡大が見込まれる一般事業会社やハイテク企業などに注目が集まる一方で、経済拡大の恩恵を受けにくい公益株は見送られがちになります。
景気の先行きが不透明な時期に「ディフェンシブ(守り)」の銘柄として相対的に優位な株価の値動きになることも期待されます。
米国公益関連8銘柄
フロリダが地盤の電力会社。
風力、太陽光、天然ガスによる発電を手掛ける。
子会社を通じ商業用原発も運営。
再生可能エネルギーとして世界最大級。
傘下のフロリダ・パワーはフロリダ州の約半分の家庭や企業に供給。
全米最大の電力会社。
電力の主要エリアはノースカロライナ州、サウスカロライナ州など。
発電、送電、配電を手掛ける。
再生可能エネルギーにも展開。
M&Aで天然ガスも拡大。
2030年までに二酸化炭素を半減の計画。
バージニア州が地盤の総合エネルギー大手。
電力と天然ガスを家庭やビジネス向けに供給。
米16州で操業し、顧客数は約700万件。
19年に大西洋側南部でガス・電力を手掛けるスキャナ社を買収。
米国最大級の電力会社。
発電、送電、配電などを一貫して手掛ける。
サービスエリアはオハイオやテキサスなど、合計11週で展開と幅広い。
再生可能エネルギーに注力。