日経平均は買いを継続?金(ゴールド)相場との連動を検証 日経平均は買いを継続?金(ゴールド)相場との連動を検証

日経平均は買いを継続?金(ゴールド)相場との連動を検証

皆さん、こんにちは。小次郎講師です。
今回は「小次郎講師流、チャートで読み解く相場分析」の第4回となります。
前回は「世界は連動している」ということを株式市場とコモディティ市場を見ながらお伝えしました。
世界が連動しているわけですから株式市場の変化を捉えるためにもコモディティ市場を見る必要があるということを前回のコラムでご理解されたのではないでしょうか。
今回も「世界は連動している」ということを株式市場と原油とは違うコモディティ市場を見ながら確認していきましょう。

日経平均株価の動きを移動平均線大循環分析で分析

まずは『日経平均株価』のチャートを見てみましょう。

図1

移動平均線大循環分析を使ってステージの変化を見ながら現状を分析していきます。
現状分析をする前に5月以降のステージの変化を見ていきましょう。
8月に下降相場の入り口である第3ステージになりました。
しかし、すぐさま上昇期である第1ステージに戻りました。
このような変化をステージの「1→2→3→2→1の押し目買い」パターンと呼んでおり、一時的な深い押し目の時に出てきます。
同じパターンが10月末の時にも出てきています。
これらを見てお分かりのように移動平均線大循環分析のステージは基本的には「正順」といって「123456123・・・」と順番にステージが変わっていきます。
この動きは上昇相場から下降相場に、下降相場から上昇相場に移行するときの動きです。
つまり、トレンド転換しながら推移しているのです。
一方で、第3ステージから第4ステージに正順とならずに、第2ステージに戻ることを「逆順」と呼びます。
この動きはトレンド転換するのではなく、トレンドが継続するときに出てきます。
ステージが1から3に移行するも下降期である第4ステージとならずに、第1ステージに戻りトレンドが継続しているのです。
こういった動きは相場の中で出てきますので覚えておきましょう。
また、第1ステージから第3ステージまでならずに押し目を付けるステージの「1→2→1の押し目買い」パターンもあるので合わせて覚えておきましょう。
統計的には正順が約7割で逆順が約3割といったところです。
ですから、ステージの変化に逆順が出てくればトレンド転換ではなく、トレンド継続の可能性があるということを理解し、注意する必要があるということを教えてくれます。

では、ここからは現状を分析していきましょう。
昨年の12月は第1ステージを維持しながら横ばいの動きが続いていました。
この動きは50対50ではなく60対40で買いがやや優勢になるということをお伝えしました。
もちろん、反対に動くこともあるので注意が必要といいましたが、ここではやや優勢とされる買いの動きが継続となりました。
そこから再び上昇の角度を鋭くしながら上昇を続けています。
ここからは第1ステージが続く限り買いを維持しましょう。
しかし、第2回でお話した「逆Cカーブ」の動きになってきていますので、急落に注意しながら見ていくようにして、もしステージに変化が起きるのであれば早めに対応していきましょう。

株式市場とコモディティ市場は連動している

前回は株式市場とコモディティが連動しているということをお伝えし原油市場の動きを解説しました。
今回はコモディティの中から「金(ゴールド)」を見ていこうと思います。

図2

はじめに約1年間のゴールドの動きを移動平均線大循環分析で確認して、次に日経平均株価と比較して見ていきましょう。
まずはゴールドの動きです。
2019年から2020年3月までは上昇期である第1ステージを維持していました。
そこからコロナショックで大きく下落し下降期である第4ステージとなりました。
しかし、下降期は長くは続かずに反転して上昇期である第1ステージに戻り大きく上昇しました。
この動きは2020年8月まで続きました。
この8月までの動きの特徴としては、新型コロナの感染拡大への不安や米国の大統領選挙への懸念などから安全資産としてゴールドを買う動きが活発だったということです。
ゴールドは基本的には株式や債券のような配当や金利がありませんので、経済が安定しているとゴールドは売られやすく、戦争や紛争など世の中が不安定になればその特性から安全資産として買われやすくなります。
そう考えると8月までは世の中は懸念材料を抱えていたのが、それ以降は少し解消されてきたとも考えられます。

図3

では、今度は日経平均株価とゴールドを合わせたチャートを見てみましょう。
2020年の2月の時は株価が徐々に下げ始めたときにゴールドは買われていました。
コロナショックに対する懸念から買われていたのです。
しかし、その後株価が更に大きく下落するとゴールドも同様に反落しました。
いわゆる換金売りという流れが起きました。
株式市場の下落が大きくなりすぎると買われていたゴールドを売って資金を作る動きのことです。
その後は株高とゴールド高が共存するという珍しい動きになりました。
不安を抱えながら株価を買うという動きだったのです。
しかし、8月以降は株価が更に上昇することで、マーケットへの懸念が薄らぎゴールドは安心感から売られてきました。
そして、2021年になってからは株価とゴールドの動きが逆相関の動きになってきました。
前回の原油市場は株式市場と相関関係が高かったのですが、このゴールドは基本的には株価とは逆の相関関係が高いのです。
つまり、ゴールドが上昇するということは株式市場にとっては懸念材料が出てきているか、インフレが起きているかといった情報を教えてくれます。
このように、前回原油と今回のゴールドを合わせて見れば更に株式市場の動向や変化をいち早く察することが出来るようになるのです。
今回は逆の相関関係ではありましたが、それでも世界が連動しているという点については変わりありませんので株式市場の動きを捉えるためにもゴールドも合わせて見ていくようにしましょう。

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小次郎講師

執筆者:小次郎講師


本名:手塚 宏二
ライフワークは “日本に正しい投資教育” を根付かせること
株式会社手塚宏二事務所代表
チャート分析研究・トレード手法研究家・トレードコーチ
小次郎講師投資塾々長
日本テクニカルアナリスト協会認定 テクニカルアナリスト

■経歴
1954年(昭和29年)岡山県岡山市生まれ
チャート分析の第一人者として、投資セミナー、書籍などを通じて個人投資家向けの投資教育活動を精力的に展開。
■メディア
ラジオNIKKEIレギュラー番組
「小次郎講師のチャートラボラトリー」毎週木曜日17:30放送

・ホームページ
https://kojirokousi.com/
・twitter
https://twitter.com/kojiro_kousi

当コラムは投資の参考となる情報提供を目的としており、特定の銘柄等の勧誘、売買の推奨、相場動向等の保証等をおこなうものではありません。
また将来の株価または価値を保証するものではありません。投資の最終決定はご自身のご判断と責任で行ってください。詳しくは「ご注意事項」をご確認ください。

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