日経平均はトレンドの勢いが継続。コモディティ市場との連動性は?/小次郎講師流チャートで読み解く相場分析 日経平均はトレンドの勢いが継続。コモディティ市場との連動性は?/小次郎講師流チャートで読み解く相場分析

日経平均はトレンドの勢いが継続。コモディティ市場との連動性は?/小次郎講師流チャートで読み解く相場分析

皆さん、こんにちは。小次郎講師です。
今回は「小次郎講師流、チャートで読み解く相場分析」の第3回となります。
前回は「世界は連動している」ということを株式市場と為替市場を見ながらお伝えしました。
個別株を取引している方は個別株だけ、FXをされている方は為替市場だけを見るという方が多いのですが、それぞれを取引するということではなく、両方の市場を確認することで、個別株やFXのトレードのヒントになるということを解説しました。
今回は「世界は連動している」ということを株式市場とコモディティ市場を見ながら確認していきましょう。

日経平均株価の動きを移動平均線大循環分析で分析

まずは『日経平均株価』のチャートを見てみましょう。

(図1)

(図1)

TradingViewのチャートを基に筆者が作成

移動平均線大循環分析を使ってステージの変化を見ながら現状を分析していきます。
現在は上昇期である第1ステージとなっています。
3本の移動平均線が右肩上がりとなっており、上昇帯(中期移動平均線と長期移動平均線の間の濃い黄色の部分)が傾きを持って間隔が広がっており、トレンドの勢いが継続していることが分かります。
前回の時は勢いよく上昇しているところでしたが、12月に入ってからは価格が高値を更新せずに横ばいの動きになってきています。
基本的な考え方としては、価格が横ばいということは買い方と売り方の力が拮抗しているということを示しています。
拮抗しているということは買い方と売り方の優劣は50対50ということです。
しかし、移動平均線大循環分析を使って価格と帯の関係性を見て分析することで、もう一歩踏み込んだ分析ができます。
どのように分析するのかというと、価格が横ばいになっているときに帯の動きがどうなっているかということを確認します。
今回のケースでいえば、価格は横ばいではありますが、上昇帯が上向きになっており、その上で価格が推移しています。
このような時は、50対50ではなく60対40で買いがやや優勢になるということです。

ということは、40は下がることがあるということも認識しておきましょう。では、ここからのポイントを確認しておきましょう。
ポイントは価格や短期移動平均線が上昇帯から放れる動きになるのか、それとも上昇帯に接近する動きとなるのかということです。
横ばいの動きということは小さなもみ合い相場となっているということですので、ここから上昇再開となればトレンドの勢いが戻ってきます。
価格や短期移動平均線が上昇帯に接近してくるということは第1ステージから第2ステージに移行する動きになるということですので、その際は買いの優位性が無くなり上昇相場が終焉するということになります。
その動きを確認することでいち早く対応できるようになります。

株式市場とコモディティ市場は連動している

では、次に株式市場とコモディティが連動しているということを感じていきましょう。
今回はコモディティの中から原油を見ていこうと思います。

(図2)

(図2)

TradingViewのチャートを基に筆者が作成

(図3)

(図3)

TradingViewのチャートを基に筆者が作成

まずは、約1年間の原油市場の動きを移動平均線大循環分析で確認しながら日経平均株価と比較しながら見ていきましょう。
2019年末は第1ステージを維持していましたが、2020年に入って反転し下降期である第4ステージへと移行し4月まで安定下降となっているのが分かります。
日経平均株価と比べると上昇している時期や下降している時期が似ているのがよく分かります。
やはり、株式市場と原油市場は連動しているということです。
今年の原油市場を振り返る上で避けて通れない話題があります。
それは、今年4月に先物市場で起きたマイナス価格についてです。
事の経緯をお話すると、新型コロナウイルス感染拡大による景気後退懸念から2月半ばから世界同時株安となりました。
原油市場も需要減を受けて大幅下落が続いていました。
そこで、4月にサウジアラビアなどの石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟の主要産油国で構成されるOPECプラスは世界の原油生産の1割に相当する協調減産に合意しました。
ところが、それでも価格の下落が止まらずに4月20日の米ニューヨーク商業取引所で米国産の先物価格が史上初めてのマイナス価格で取引を終えたのです。
原油市場はそこで大底を打って反転したのです。
ですから、細かい事情によって若干の違いはありますが、景気がよくなれば原油の需要は多くなり価格が上昇し、景気が悪化すれば需要が減少するので価格は下降します。
ゆえに、株式市場の動きと原油市場の動きは非常に相関性が高く連動性が高いということなのです。
つまり、原油市場のチャートの変化は株式市場の変化に繋がりやすいので、株式市場を取引される方も原油などのコモディティの動きも確認することで株式市場の変化を捉えることが出来るようになります。
これは非常に大事なことなので皆さんも是非コモディティの動きも見ながら連動性を感じていきましょう。

移動平均線大循環分析について詳しく見る

小次郎講師

執筆者:小次郎講師


本名:手塚 宏二
ライフワークは “日本に正しい投資教育” を根付かせること
株式会社手塚宏二事務所代表
チャート分析研究・トレード手法研究家・トレードコーチ
小次郎講師投資塾々長
日本テクニカルアナリスト協会認定 テクニカルアナリスト

■経歴
1954年(昭和29年)岡山県岡山市生まれ
チャート分析の第一人者として、投資セミナー、書籍などを通じて個人投資家向けの投資教育活動を精力的に展開。
■メディア
ラジオNIKKEIレギュラー番組
「小次郎講師のチャートラボラトリー」毎週木曜日17:30放送

・ホームページ
https://kojirokousi.com/
・twitter
https://twitter.com/kojiro_kousi

当コラムは投資の参考となる情報提供を目的としており、特定の銘柄等の勧誘、売買の推奨、相場動向等の保証等をおこなうものではありません。
また将来の株価または価値を保証するものではありません。投資の最終決定はご自身のご判断と責任で行ってください。詳しくは「ご注意事項」をご確認ください。

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